もちものはわたし

女性にとって「モノ=わたし」
こういうモノたちが好き よってわたしはこういう人です と表している
書籍「異性」より


作家角田光代さんと穂村弘さんによる恋愛考察エッセイ「異性」に書かれている一説を読み、とても納得した。
「そう!私はいつもわたしを探しているの」

優柔不断な性格も相まって、私はモノを購入するのに時間がかかる。洋服はもちろん、バッグ、小物、ペンに至るまでじっくりじっくり考える。
「これはわたしだろうか?」と。
機能重視の男性にはめんどくさい女なのだろう。分かっている。なるべく迷惑をかけないように心掛けているつもりではいるのだが…

今日は仕事を早く終え、欲しかったブックカバーを買いに行った。こだわりのブックカバー、それは日本の和紙でできている。だいぶ前に同じブランドのパスポートケースをネットで見つけて購入した。その質感がとても気に入り、沢山海外旅行に連れて行った。気に入ったものは友人にお勧めするタイプのわたし、先日友人が「かほりの気に入っている和紙のお店、新丸ビルにできたね」と教えてくれた。これは手に取って選べるチャンスだ!光の速さで仕事を終え、スキップに鼻歌付きで向かった。

そのブランドの名前は「SIWA」
山梨県市川大門の和紙メーカー大直さんによって特別な製法で作られた和紙は何年使っても丈夫で、だんだんいい味が出てきて、なんと水洗いもできるそうだ。色も豊富で自分の持ち物との相性を考えるのがとても楽しく、また定員さんからもSIWA製品について教えていただき、私はブックカバーとポーチを購入した。素敵な買い物ができた。
人が手作りしたものを手渡しで購入できるのはとってもあったかい。

またひとつ、わたしを表現するモノに出会えた。
これから一緒に年を取って素敵なシワを増やしていこうね。



ちなみに冒頭でご紹介した恋愛考察エッセイ「異性」は大変素晴らしい作品です。角田さんが女性の気持ちを綺麗に表現してくださっているのに感動し、穂村さんが書く男性の気持ちには「そんな風に考えているんだ」と考えさせられた。そしてお二人が決して相手を否定せず交互に意見をつづっている作りがまるでお手紙交換をしているようなあたたかみがあった。
この本についてはまたいつかnoteに書かせていただきたいなと思う。
考えるのが面白い、読んだ後誰かと意見交換したくなる、そんな1冊です。


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