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記者が挑んだ あばら家リフォーム【8】流れ出す庭土!

庭に突然、小川が出現しました。

時は2020年7月。外壁塗装(第3話参照)や、しっくい塗り(第4話参照)、屋根の応急補修(第6話参照)が終わり、ちょうどピザ釜作り(第5話参照)に取りかかろうとしていた頃、この小川を巡る問題が立ちはだかりました。(生活文化部・桜田賢一)

屋根から雨水一気

原因は屋根。応急補修の時、雨どいに降り積もった落ち葉が腐葉土になっていたので取り除いたことが裏目に出ました。雨水を吸い上げていた大量の腐葉土がなくなったため、雨どいの幅が20センチ以上と広いこともあって雨水が一気に流れ落ちるように。まるで滝のように庭へ降り注ぐようになってしまいました。

右端の雨どいを掃除したら、雨水の通り道になった

近年、頻発しているゲリラ豪雨も加わって、梅雨時と台風シーズンは頻繁に小川が出現しました。仙台市などの都市部と違って、あばら家がある地域は蔵王のふもと。山の天気は変わりやすいと言いますが、6月以降は雨ばかり降るような天候状態になります。小川が庭の土を敷地外に押し流す光景が日常的に見られるようになりました。

雨が降ると川ができる庭って何だよ…。

このままでは庭が!

良かれと思って雨どいを掃除したのに、長年、人の手が入らなかった建築物は本当に一筋縄ではいきません。しかし、このままでは庭がなくなってしまいます。屋根や雨どいの補修はとてもお金が掛かるし、素人には危険なので、庭の方を何とかすることにしました。

コンクリート投入決意

手っ取り早く、流れ出す土を固めてしまおうと考え、雨どいの下の庭にコンクリートを敷くことにしました。「インターネット先生」によると、個人でもセメント会社と取引ができるようですが、ミキサー車を手配して運んでもらうとなるとウン万円単位のお金が掛かるようです。コスト的にそちらは諦めて、ホームセンターに売っている即席セメント「インスタントコンクリート」を使うことに。1袋500~600円で済むという安さが決め手でした。

インスタントコンクリートの袋。この量で2メートル四方分

ただ、このインスタントコンクリート、1袋25キロ入りで、とんでもなく重いです。しかも1袋で施工できる面積はたった50センチ四方ほど。2メートル四方の型枠をこしらえ、この中に水と練り合わせたインスタントコンクリートを投入していくとなると、20袋ほど必要になります。雨どいの下と、泥はねが激しい駐車スペースの庭を固めようと決めていましたので、合計6回の施工が必要でした。

最も過酷な作業に

重さ25キロの袋をトータル120回かつぎ上げる―。秋の台風シーズンが終わるのを待ち、あばら家リフォーム史上、最も過酷な作業が始まりました。
まずはベニヤ板で型枠を自作。あばら家の前庭は荒れ地で、岩石が売るほど転がっています(第7話参照)。これらを地道に拾い集め、コンクリートの骨材として型枠の中に散布。コンクリートの強度を上げるワイヤメッシュをその上に置いたら、インスタントコンクリートの出番です。

型枠内に岩石とワイヤメッシュを入れ、コンクリを敷き始める

袋をかつぎ、膝上ぐらいの高さがあるバケツに投入。電動ミキサーを使って水と混ぜ、ひしゃくを使って型枠の中に流し入れます。ある程度の面積になったら、乾く前にこてで平らに。この作業をひたすら繰り返し、ほとんど中腰のまま5時間ほど掛かってようやく2メートル四方分が完成します。固まるまで2~5日必要なので、1回でできるのはここまでです。

もう、腰、バッキバキですよ。かがむと電気が走るほどです。年は取りたくないなあ…。

コンクリ特性にも配慮

2020年10月から2021年2月にかけ、この作業を6回に分けて実施。合計24平方メートルにコンクリートを敷きました。作業はまだ続きます。コンクリートは暑いと膨張し、寒いと収縮する性質があります。6面をくっつけて施工すると膨張時にひび割れを起こすので、各面の間を空けて施工しました。


各面の隙間に玉竜を植えていきますこの隙間に土を入れ、「玉竜(たまりゅう)」という草を植えていきます。とても丈夫な草で、駐車場などで使われることが多いので見たことがある方もいるでしょうね。

出来上がり♪

コンクリート敷設はこれにて完了。荒れ地と呼んでいた庭が、見違えるほど変わりました。次の梅雨時が楽しみ?です。

車が載っても大丈夫!



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