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みんなのまほうと たのしいお花見

この世界で まほうをつかえるのは、まほうつかいと言われる せんもんかだけではない。
さまざまな品物をうる お店のおじさんも、 しっぽや角のはえた 生き物たちも、 みんな それぞれ まほうがつかえる。 ここはそんな、 ふしぎなふしぎな まほうの世界。

青空に お日さまがにっこり、よくはれた日のこと。
ある町の大きなこうえんの 大きなさくらの木。うすいぴんくの かわいいハートがたのはなびらが、ぴんとひらいて、とってもきれい。

それを見た わかいまほうつかいが、「みんなを呼んで お花見をしよう!」とひらめいた。

さっそく、じゅんびをはじめる まほうつかいは、レジャーシートをひろげたり、テーブルやイスを まほうでだしたり。そこにとおりかかった お肉屋さんが、「お花見?それはいい!わたしも みんなで食べる からあげを たくさん もってくるよ」と、急ぎ足で ぴゅーんと お店にかえっていった。お肉屋さんは お肉を おいしくりょうりする まほうがじまんなのだ。 

つぎにあらわれたのは、やぎの角と しっぽをつけた ちいさな子ども。「わーい!ぼく、ママにたのんで チーズとミルクを もってくる!」と、これまた 急ぎ足で ぴゅーんと お家にかえっていった。このやぎの子どもは おいしいミルクをだす まほうがじまん。 そして、そのママは、 チーズを とってもおいしくつくるまほうが とってもじょうず。
そのほかにも、たくさんの人たちが、お花見をするとしって、「パンをもってくる、りんごをもってくる、ワインをもってくる」などといって、ぴゅーんと さっていった。

まほうつかいは 大きなさくらの木の下に、テーブルやイスを ならべているうちに、 それぞれじまんのまほうで つくったものをもってもどってくる。そして、どんどん テーブルにもってきたもを のせていくと、あっという間に テーブルの上は おいしそうな食べものや のみもので いっぱいになった。

ところが、きれいにならべて、「よし、みんな、せきについて」と、まほうつかいが いったとき。

ぽつり、ぽつり、と雨がふりだした。テーブルの上もどんどん ぬれていってしまう。わくわくしていた みんなも、うなだれてしょんぼり。と、そこに、空から声がふってきた。
「わしも なかまにいれてくてるか?」と、まっかなかおの 赤おにが、雨ぐもから かおをだした。

「いいけど、雨がふってちゃ お花見はできないよ!」と、やぎの子が 空にむかってさけぶと、「そんなの おやすいごようさ!」と、おにがかなぼうを ぶんっと ひとふりする。

すると、すいすいと 雨ぐもがながれていって、ふたたび にっこりお日さまが かおをだした。雨つぶを まとった さくらは 日のひかりをあびて よりいっそう きらきらと うつくしい。

赤おにが 空からおりてきて、イスにすわると、みんなえがおで、「おにさん ありがとう!」といった。

たのしいたのしい お花見の はじまりです。

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