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今見るべきNo.1映画『ルックバック』惹き込まれる理由。
普段アニメや漫画をあんまりみない私が、ここ最近で完全にずば抜けてNO.1だと思った映画。それが
劇場アニメ『ルックバック』
どこの映画レビューサイトや口コミサイトでも、高評価を叩き出しているこの映画。
個人的に驚きなのが、本編が1時間未満という短さだ。
ただ、この短い時間の中でも作品から受け取るものが多すぎたので、今日はそのことについて。
※一部ネタバレも含むので、観る予定の方は鑑賞後に読んでください
劇場アニメ『ルックバック』のあらすじ
いったいどんなアニメ映画なのか、そのあらすじをざっくりと伝えておく。
◾️STORYストーリー
学年新聞で4コマ漫画を連載している小学4年生の藤野。クラスメートから絶賛され、自分の画力に絶対の自信を持つ藤野だったが、ある日の学年新聞に初めて掲載された不登校の同級生・京本の4コマ漫画を目にし、その画力の高さに驚愕する。以来、脇目も振らず、ひたすら漫画を描き続けた藤野だったが、一向に縮まらない京本との画力差に打ちひしがれ、漫画を描くことを諦めてしまう。
しかし、小学校卒業の日、教師に頼まれて京本に卒業証書を届けに行った藤野は、そこで初めて対面した京本から「ずっとファンだった」と告げられる。
漫画を描くことを諦めるきっかけとなった京本と、今度は一緒に漫画を描き始めた藤野。二人の少女をつないだのは、漫画へのひたむきな思いだった。しかしある日、すべてを打ち砕く事件が起きる…。
開始10分からどんどん惹き込まれるストーリー
前情報はゼロで見た私。(もともと映画館が好きなので、何をみるかは時間で決めていた)
うーん、アニメ映画かぁ・・・。
むしろこんな気持ちで見始めたのであるが、開始10分からどんどん引き込まれていく。その理由はというと
主人公と自分がどうしても重なってしまうから
なのである。
主人公の小学4年生である藤野は、学級新聞に漫画を搭載するほどの絵のセンスや面白いストーリーの作り方が備わっている器用な子。
話の中で「スポーツもできるから、スポーツ選手もいいんじゃない?」と同級生に言われたり、サインが欲しいとまで言われたり。
いわゆるなんでもできる、クラスの人気者
なのである。人気者である自分が好きで天狗になっており、それで承認欲求が満たされている、どこか気持ちの安定を保っている部分もあったのではないか。(憶測)
自分を重ねるのは甚だ烏滸がましいのであるが、実は私自身がそのタイプであった。(注:小学校時代の話)だから、主人公の気持ちがよくわかってしまうのである。
冒頭の主人公が学級新聞を書くまで、寝る間も惜しんで漫画を書いているシーンでも描かれているのだが、
隠れてかなり努力しているのを、周りに見せていないだけなのである
確かに、持ち前のセンスの良さで、周りの子より「なんとなくうまいことできる」のであるが、それでも
ズバ抜けたセンスや実力ではない
ことは、自分が誰よりも知っている。だからこそ、京本の画力の差を見せつけられた時の絶望は人一倍だったのである。
そう、もう「この世の終わり」とでも言おうか。自分が感じていた「みんなに認められていた」という感覚が、
「大したことないね」
「なんか、そこまでうまくないね」
という言葉と共に、事実を突きつけられてどん底まで落ちる。
この絶望を描くシーンがなんともリアルで、胸を突き抜かれる感覚が生々しかった。
劇場アニメ『ルックバック』の魅力
個人的に、この映画の魅力はこのタイトル
ルックバック
の意味を探ることにもあると思う。
直訳すると、ルックバック=後ろを見る
なのであるが、見た人はお分かりの通り、このタイトルにはいろんな意味が込められていて、見た人ごとに受け取るものが違うのである。
例えば、主人公の藤野が漫画を描いている背中を、1年を通して描いているシーン。
舞台山形県ならではの季節の移り変わりを、窓の外の景色や主人公の服装、部屋の風景から読み取るのが楽しい。
また、重要なシーンで京本のチャンチャンコに描かれた「藤野」という直筆のサインに込められたもの。
そして、何より二人の過去を振り返るシーン。
すべて「ルックバック」に通ずるものがある
なんとも深い。短編映画でここまでのものは、今までに見たことがない。
なぜ、涙が止まらないのか?
この映画、人によって涙するシーンが異なるものとも思う。
例によって私は藤野が漫画を止めるきっかけになったシーンで、もう涙。
なぜ泣いているのかは、自分でもわからない。しかし、感情が揺さぶられたのであろう。
この揺さぶられるほどの画力といい、いい意味でもアニメっぽくも漫画っぽくもないリアルなアニメーションが、ズケズケと自分の感情に入ってくる。
まさに、今まで体験したことのない映画体験
この映画から受け取ったもの
(ここからは、超個人的な感想。)
私がこの映画から受け取ったものは、一体なんだろう。
そんなことをふんわり考えてみる。
一番引っかかったのは、凶悪な事件の後の「もしあのとき、京本を外に出していなかったら・・・」という、藤野の後悔から始まるシーン。
別軸で、お互いが小学校時代に深く交わらなかった場合の物語が始まる。
しかし、藤野が連れ出さなかったとしても、京本は美大に通い、同じ事件に巡り合う。
そこで空手を続けていた藤野によって救出されるので、命こそ助かるのだが、、、
果たして、それが正解だったのだろうか・・・?
と疑問に思うのである。
確かに、命ほど大切なものはない。しかし、この映画の短さからもそうであるが、冒頭のストーリー通りに京本が死んでしまったとしても、別軸の人生で生き延びたとしても
短い(長い)人生の中で幸せに満ち足りた時間が、どれくらいあったのだろうか・・・?
あの、二人のかけがえのない時間は、むしろ一生ものの時間だったのではなかろうか・・・?
そんなことを思うのである。
どちらにしても、2人はどこかで交わる。どちらにしても、京本は藤野に救われる。そして藤野は漫画をどこかで描き続けることになる。
大きな結末は、さほど変わらないのか・・・。
いや、命を重視したら、大きく変わるのか・・・。
いや、人生の濃さを重視したら・・・。
うーむ、深い。まだ処理しきれない。
そんな余韻を楽しめる作品でもある。
ぜひ、みなさんも見て欲しい、この夏のおすすめ映画でした。
では、また!
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最後まで読んでくださりありがとうございます^^! こんな感じでダイエット・美容からキャリアの話まで、ちょっとためになるようなお話をお伝えしていますので、また読みに来てくださいね❣️