男木 紗絵

スペイン語圏の詩人が大好きで、翻訳に取り組んでいます。 スペイン語は大学で学びましたが10年以上のブランクがあります。一生懸命取り組みたいです。 ご意見、ご指摘よろしくお願いします。

男木 紗絵

スペイン語圏の詩人が大好きで、翻訳に取り組んでいます。 スペイン語は大学で学びましたが10年以上のブランクがあります。一生懸命取り組みたいです。 ご意見、ご指摘よろしくお願いします。

最近の記事

【訳詩】ライフ ヴィセンテ・アレイクサンドレ 改訳

  ライフ ヴィセンテ・アレイクサンドレ 紙でできた鳥が 胸の中で 告げる くちづけのときは まだ訪れていないと 生きる 生きる 太陽がキーキーと立てる見えない音 くちづけか鳥か 遅いのか間もなくなのか決してないか 死ぬには騒音だけで充分 すると他の心臓は黙るだろう でなければ地上のそのヒトの膝は 金髪のための黄金の船なのだ 金色の頭 金色のこめかみ そんな太陽 ここには川と一緒に夢の影があり 緑のイグサは今まさに生まれた血だ 君の中にある熱かライフが 夢を支える *原題

    • 【訳詩】恋人が詩人の胸で眠る フェデリーコ・ガルシーア・ロルカ

       恋人が詩人の胸で眠る フェデリーコ・ガルシーア・ロルカ ぼくがどんなにきみを愛しているか きみには決して分からないだろう きみはぼくの中で眠り 眠っているから ぼくは 刺し貫く剣の声に付き纏われ 泣いているきみを覆い隠す 肉体と輝く星を等しく揺らす正しさは もうぼくの痛む胸を貫いている そして汚く濁った言葉が きみの厳しい精神の翼を壊してしまった 人々の集団は 庭で飛び跳ねる きみの身体とぼくの苦悶を待ちながら 緑と光るたてがみとの雄馬たちに乗って でも眠り続けるん

      • 【訳詩】歌8 ラファエル・アルベルティ

        今日 雲たちが私に 飛びながら スペインの地図を運んできた 川の上で 何と小さく 牧草地の上で 何と大きいことか 映し出された影は その映し出された影は 馬でいっぱいにした 私は馬に乗り 影の方へ行き 私の村と家を見つけた 庭に入り かつてそこには 水をたたえた泉があった 泉はもう無くとも いつものように音を鳴らせていた そして水が流れていなかった泉は 私に水を与えてくれる為に 戻ってきた “Baladas Y Canciones Del Paraná, 1953-19

        • 【訳詩】ライフ ビセンテ・アレイクサンドレ

          紙でできた鳥が 胸の中で 告げる くちづけのときは まだ訪れていないと 生きる 生きる 太陽はキーキーと見えない音を立てる くちづけか鳥か 遅かれ早かれあるいは決して無いか 死ぬには騒音だけで充分 そして他の心臓は黙るだろう もしくは地上のその人間の膝は 金髪のための黄金の船なのだ 金色の頭 金色のこめかみ そのようにした太陽 ここには川と共に夢の影があり 緑のイグサは今生まれた血だ 君の中にある熱かライフが 夢を支えている 注:この詩は原題は"Vida "だが、「人生、生

          【訳詩】チリの大統領サルバドール・アジェンデに ラファエル・アルベルティ

          何も産み出さないだろう 覆うだろう 人の顔を同じ仮面で 奴の口の中には忠誠心はあるが 手には弾丸を持っている そして最後にはチリと スペインは同じ目に遭った もう終わった されど死 死は何も終わらなかった 見てみろ! 奴らは一人の男を殺した 殺す手を盲目にした 昨日彼は倒れた けれど彼の血は 今日は同じように立ち上がるだろう

          【訳詩】チリの大統領サルバドール・アジェンデに ラファエル・アルベルティ

          【訳詩】ペドロ・サリーナス ラファエル・アルベルティ

          何と心が痛むことか! 君が逝ってしまったなんて 二度と会うことも出来ずに 会いたかったのに 友よ アントニオは逝ってしまった そして ミゲルとフェデリーコも逝ってしまった 今度は皆と一緒に君もまた 友よ オレンジの木々の根元に座ってくれ 深い谷と河と一緒にある 幸せな朝が登ってくる でも何と遠いんだろう 友よ バルコニーから朗らかな君の声を聴く 道へ出て陽気に君の後についていく 君の声は夢の中にいるように僕に歌ってくれる でも友よ 何と遠いんだろう 友よ 僕達のあの地

          【訳詩】ペドロ・サリーナス ラファエル・アルベルティ

          パブロ・ネルーダの1971年ノーベル文学賞受賞理由・その1【引用】

           パブロ・ネルーダの1971年ノーベル文学賞受賞について。自分の言葉では語り切れないので、素晴らしい評伝から引用します。 『パブロ・ネルーダの生涯』マルガリータ・アギレ 松田忠徳・訳 新日本出版社 より以下抜粋。  チリ南部のはるかな町テムコで、パブロ・ネルーダの声は、「朽ちはてた大木と巨大な岩のあいだに出口を」探し始めた。  やがて彼の詩は世界中に氾濫した。「それは大陸の一本の河のようである」と、ネルーダにノーベル文学賞を授与するとき、スウェーデン学士院事務官は述べた。

          パブロ・ネルーダの1971年ノーベル文学賞受賞理由・その1【引用】

          【訳詩】海へのオード パブロ・ネルーダ

          ここの島に 海 そしてどれだけの海だろう 海から流れて それぞれから 良いと言い 嫌だと言う 嫌だ 嫌だ 嫌だと言い 良いと言う 青の中で 泡の中で ギャロップの中で 静止していることはできず 私は海を呼ぶ 繰り返し 石にくっつきながら 説得を得ることもなく その時 七つの緑の舌を持ち 七匹の緑の犬から 七つの緑の海から 巡りキスをし 湿らせて 胸を打つ その名前を繰り返しながら ああ海よ こうお前は名乗る ああ海の仲間よ 時間を失わないで そして水は そんなに揺さぶらないで

          【訳詩】海へのオード パブロ・ネルーダ

          【訳詩】原子へのオード パブロ・ネルーダ

          とても小さな小さな 星 お前はいつも 地中の 鉱物の中に ひっそりと隠されているように見える お前の悪魔のような 炎は ある日 扉を とても小さく ノックされた ある人間に 開放と ともに 奴らはお前を解き放ち お前は世界を見て 町を 去り お前の大きな呻きは 生命に 時代に 恐ろしい果実に届き 電気の美しさは やってきた 夏の 炎を 急がせるために そして 着いた 武装した トラの望遠鏡と 鎧と ニ全音符のシャツを着て 硫黄の口ひげを生やし ヤマアラシの尻尾を持って お前を

          【訳詩】原子へのオード パブロ・ネルーダ