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篭田 雪江(かごた ゆきえ)
2021年3月16日 15:46
※この記事は投げ銭制です。全文読めます。 ああん、おっきい、おっきい。 ネットに放られていた動画の行為をノートパソコンに映し出し、千夏は見つめていた。千夏とおなじ四十くらいの女の、わざとらしい嬌声が流れてくる。ソファの上で女は全裸になっていて、ズボンと下着だけを脱いだ若い男に跨られ、喘いでいる。 おっきい、もっと。また女が喘いだ時、部屋のドアが開かれた。「音、でかくないか」 スライドド
2020年3月26日 19:32
ドアを開けると、赤い車いすが見えた。 鉄階段の下で千鶴は車いすから上半身を屈め、手を伸ばしていた。背もたれグリップには使い込んだリュックが下げられている。右側のサイドガードに、以前はなかったクローバーのステッカーが貼られていた。「おはよう」 車いすに乗って部屋から出てきた私に、千鶴は笑みを向けた。少し低いトーンの穏やかな声色、肩にかかった髪に朝の光が反射している。 本当に来たんだな。