コバルト・ブルーの湖に魅せられて
「長編小説は、この作品は俺が書かなければ誰が書く、という使命感がないと、書き終えることは難しい」
時代小説家の葉室麟が、「募集に寄せて」という欄に寄せた文章だ。この一言を頼りに、長編の小説を書き終えることができた。まさに、私にとっての創作活動の支えである。
今、2本目となる長編の歴史小説に取り掛っている。やはり、案の定、風呂敷を広げすぎて、座礁してしまっている。この岩礁地帯から、どうやったら抜け出せるのか、日々悶々としながら暮らしている。
二十代前半、砂漠の中にあるコバ