おじさんと元カノと犬と同棲

今回は長くなりますし、思い出しながら書くので面白くないと思いますが、いまいち知り合いに話しにくく、しかし自己整理のためにもここで吐露したいと思っております。

私の精神影響に悪い意味で大きなダメージを負いましたが、自分はこんなに可哀そうだなんて思ってはいません。むしろよくあるパターンの一つではないかと思います。

はじめに出会った頃のお話をしたいと思っておりまして、出会いは今時珍しくない出会い系アプリでした。
相手は写真や音楽や詩と手広くアーティスト活動をしており、人前に出る事が生きがいのような人間で、逆に私は裏方と言いますか、人前には基本出ない人間で相性が良さそうだと思ったのを覚えています。相手もそう思ってもらえたのかわかりませんが、相手はルックスも良く、私とはアンバランスではありませんがお付き合いさせていただく事になりました。付き合ってからは話が早く、相手の行動力のおかげかあっという間に同棲する事になり、相手のご両親にも合い、知り合って半年も行かない内に相手のご実家で年末を過ごす事になったりする中になりました。この流れだとなんとなく結婚する事になりそうだなっと思ってしましますが、問題点は沢山ありました。

まず、お互いの仕事の問題です。
私は普段会社勤めで昼間は出勤し少ない給料をもらい、また、それだけでは足りないので夜も個人は編集の仕事も行っておりました。逆に彼女の方もクリエイティブ活動だけでは食べていける状態ではまったく無く、夜のお仕事、更に言うと風俗のお仕事をしていました。そこで初めて知ったのは予測よりもずっと収入が安定しないという事でした。
収入が0の日もあればそこそこの額を手にして来る日もあり、私の収入よりも高い日もありました。しかしそれだけではありません。収入が安定しない上に精神疾患の影響か気分の上げ下げが激しく、まったく働けない月もありました。これが地味に私のメンタルを蝕んで行ったと思います。これによる影響は彼女から来るものでは無く、家賃が支払えないのでは無いかと言う不安感から来るものでした。私の収入だけではとても支払えず、二人の食費と光熱費、そして私の分だけの家賃が精いっぱいで貯金もできず、せめても彼女の分の家賃だけは支払って欲しいのが正直な気持ちでした。

次の問題は先ほどに続くのですが、彼女のメンタルか仕事の反動か今までの男性経歴の影響か、かなり我儘で時には横暴な所があり、そして甘えたがりでもありました。文字で書くとルックスの良い女子がそういうのだと可愛い気がしますが、想像の100倍壮絶にしんどいもので、私はこの生活が続くのであればいつか死にたいとまで思いました。
料理を作らせれば味が濃いだの好みじゃないなど文句を言われ、私が夜に仕事をしていると添い寝してくれだの。それによって自分の仕事をする時間が遅れ眠れない日々が増え、むしろ個人の時間は限りなく少なくなりました。もちろん仕事がこなせない以上個人の仕事は減り、収入が減り、状況は悪くなる一方でした。

人は寝れなくなるとネガティブな事を考えだすもので、相手がルックスが良く、また夜のお仕事の特性上か浮気されるのでは無いかと不安になってしまいそれによって完璧でいないといけない気持ちにさせられてしまうのです。悪徳宗教と言うのはこんな感じなんでしょうね。そんなこんなで絶望で壮大な同棲生活でした。

今でもしんどかったと思い出すのはコロナが絶大流行中の時期に我々カップルもしっかり感染してしまいまして、まあ原因としましては彼女がライブに行き、ブッキングしたほかのメンバーがコロナ感染者でそこでしっかり貰ってきたようです。いや、それは良かったんです。私も彼女の活動を応援していましたし。問題はそこからで、私はせかせかと看病をしていたんです。買い物も必要だし、私自身の仕事先にも個人の取引先にも伝えたりしてそこそこ大事でした。そこから私はしっかり感染してしまいぐったりしてしまいました。そのころには彼女は復活しており、私がいるせいで次は彼女が仕事に行けなくなりました。問題はここにありまして、私が重症なのにも関わらず、家事をさせられ、文句を言い、私は休む暇もありませんでした。

なんだかこれだけだと、ただの彼女の横暴さと言うか、ある種の亭主関白の逆版みたなのを感じます。そんなある日彼女は爆発的な行動力を見せます。
それは「犬が飼いたい」
確かに同棲を始める際に犬がいつか飼いたいねと話はしており、実際当時住んでいたマンションはペット可の物件ではありました。
しかし、お金の問題がたくさんありました。そもそもの生体価格は高く、コロナ需要も高まってか子犬の値段は更に増し、ゲージや病院に連れて行くためのかご、保険、餌、道具と細かな値段に加え、マンションにも敷金を追加で支払う必要がありました。はて…?我々の収入のどこにそんなお金が…?そして正直な所、私は彼女が犬の世話ができる気がしておらず、彼女の世話で限界を迎え初めていた私には到底無理な話でした。
ところが彼女の行動力を私は見落としていました。飼うとなったら飼う。私の知らないところでお金を作りだしまして、私も致し方無く、金銭面の面倒は100%貴方が見る事、朝昼は私は仕事なのでその間のお世話はする事。夜は私がする、などの条件を元に飼う事になりました。

飼ってみると素敵なもので私はどっぷりハマりとてつもなく愛情を注ぎました。当の彼女は金銭の面倒は見てくれるものの、散歩は連れて行ってくれる事は無く、結局私の生活の中に組み込まれてしまいました。朝晩と散歩に行き、餌を与え、たまに野菜など犬に与えて良いものを調べて与え、家に帰ると毎日遊び、家で仕事している時は膝の上にいたがるので乗せて作業し、完全に我が子でした。
吸っていたタバコも電子タバコに変え、家では吸わないようにし、体調がわるくなれば看病につきっきりでした。しかし愛情をそそげばしっかり返してくれる可愛い毛玉ちゃんにつきっきりだったのが良くなかったのかもしれません。

彼女は結局浮気をして私に深刻なダメージを与え、関係が終わる事になります。それは完全に疲れていた日の事でした。夕方、日が少し沈みかけた頃に彼女がお守りを寺に返しに行って来ると家をでたのを覚えています。私はすっかり疲れていたので犬と寝てしまっておりました。
起きた頃にはすっかり深夜になっており、それでも帰ってきていませんでした。不信に思った私は連絡しますが一向に連絡が取れず、結局BARに居て、店長の家に泊まっていた。と朝帰りでした。そんなの何もないわけが無く、私たちは終わります。しかし引っ越しとなってもそんな唐突にできるわけでも無く、そもそも貯金がありませんし、犬の心配もありました。
致し方なく1か月で考える事になりました。貯金よりなにより心配なのは犬。私のその期間の人生においてすべてでしたから、どうにか私の方で飼えないかと考えました。しかし、悲しい事に犬と言うのは法律上、「物」扱いであって、「物」の所有権は購入者にあるんです。つまりは100%金銭面を面倒見ていた彼女に所有権があります。悲しかったですね。
そしてその1か月間ほぼ彼女は帰ってこず、犬と私の最後の一か月が始まりました。相変わらず愛を注ぎ込んで、私はたくさん泣きました。今までの彼女への思い出よりも犬の将来を考えてしまって泣きました。こうして書いている今も涙が出てきます。私は片親でした母さんに引き取ってもらいましたが当時母さんが泣いていたのはこの気持ちだったのかと理解できます。

呆気ない終わりを迎えまして、私は職場の面倒見が良い人の手助けもあり、家が無事みつかり今の家に引っ越す事になり、ほぼ同時期に彼女の方もペット可の家を見つけ今では新しい彼氏と同棲しているようです。

私はいまだに生活面に支障がでておりますが、おそらくここまで読んでくださった方は犬の方が気になっていると思うので、最後はその後の犬の話を少しさせていただきたいと思います。
なんだかんだ同棲期間中、メインの面倒は私が見ていたものの、彼女自身も犬を大変可愛がっていたので、面倒を見てくれる人間がいなくなった今は彼女はしっかりお世話をしている様です。本当は連絡先なんてブロックしたくて仕方が無いのですが、犬の事で未だにブロックはしておらず、つい最近も犬の近況が送られてきました。毛並みも以前と同じように綺麗にしてもらいすやすやと寝ている様子でした。正直、初めて元カノには消えてほしい人間だと思いましたが、犬が最高で素敵な犬生をおくれるように頑張っていただきたいと思っております。

それではまた

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