〜ショートショート物語(第2夜)〜
数年ほど勤めた会社を辞めて実家に戻ってきたのは、桜も散り葉桜が生い茂る初夏の時期
鋭くもそれほどキツくない午後の日差しに目を細めつつ、数年ぶりに帰ってきた実家の玄関の前に佇む。
ふと、玄関の横にある小窓(丁度トイレがある位置)に目をやる。擦りガラスで中は見えないが、窓際に置かれたトイレットペーパと思わしき影、と丸い塊。
怪訝に思うと同時に玄関のドアが開かれた。中から出迎えたのはこの家の住人である僕の母。
怪訝そうな顔をする僕に不思議そう視線を送るが、特に気にする様子もなく