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科学ジャーナリスト。1934年和歌山県海南市生まれ。京都大学大学院理学研究科でエコロジ…

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科学ジャーナリスト。1934年和歌山県海南市生まれ。京都大学大学院理学研究科でエコロジー(動物生態学)を専攻し、1959年から朝日新聞記者。主に科学部や学芸部で科学・技術、医学・医療、環境・文化を担当。科学雑誌や医師向け医学雑誌の編集長、科学部長、編集委員を務めた。八王子市在住。

最近の記事

3 アジアの果てで米作り -生業-①

 分類学 動植物にラテン語で 命名・整理したリンネ ヒトに与えた学名は 「ホモ・サピエンス=有識者」    箱船点検 ダーウィンよりもほぼ百年 早く生まれた先輩は 種の進化など気にもせず ノアの積み荷を総点検  絶滅猿類 やがて深まる進化学 絶滅ザルにも名をつけて 「地に住む尾無し」「手が器用」 「立って歩ける」など多彩  脳活性化 脳の働き高まれば 獲物の行く手予測でき 狩りの技術が進歩する 肉食さらに脳賦活    旅原人 百万年前「ジャワ原人」 石器をつ

    • 2 生きているから変化する -進化-⑥

       アフリカ園 イネ科・キク科の草原は ウマ・ウシ類のレストラン 当然ライオン・ヒョウ・ジャッカル 舌なめずってほくそ笑む    地溝帯 千万年前地割れ来て アフリカ東部は大干ばつ 〈失多雨林〉の類人猿 草地歩いてエサ探し  直立歩行 四百四十万年前 直立二足歩行する 「ラミダス猿人」現れて 空いた両手で物づくり  出アフリカ それから二百万年後 言葉を交わし火も使う 器用な「原人エレクトゥス」 東方めざし遠征隊    旅原人 百万年前「ジャワ原人」 石器をつ

      • 2 生きているから変化する -進化-⑤

         食糧難 シダ植物やソテツの葉 伸びる端から食い尽くす 草食竜は十トン超 慢性化する飢餓状態    極大化 折りから増えるマツやスギ 高い枝の葉食うために 草食竜は首伸ばし 肉食竜の背も伸びる  土ぼこり 六千五百万年前 一天にわかにかき曇り 地球を包む土ぼこり 小惑星の衝突か  恐竜絶滅 日差し弱まること数年 光合成が邪魔されて どの植物も枯れかかる 恐竜の世もついに幕    新生代 盛者必衰跡継ぐは 鳥類それに哺乳類 被子植物も登場し 百花繚乱地を飾る

        • 2 生きているから変化する -進化-④

           堆積層 海底・湖底に土砂たまり 堆積岩が出来るとき 生物体が挟まれば 化石となって残される    地表へ隆起 地表近くへ隆起した 古い海底地層なら 地質学者に聞けばよい かくて始まる化石学  古生代 今から五億年むかし 海で栄えた三葉虫 エビやフナムシ・シャコに似て 甲羅かぶって底をはう  サイズ制限 甲羅があれば丸まって 身を守るには便利でも 脱皮の回数限られて 成長遅々と進まない    脊椎動物 それから二億年ののち 体支える軸として 脊椎をもつ魚類の

        3 アジアの果てで米作り -生業-①

          2 生きているから変化する -進化-③

           観察眼 さらにニュージーランドから オーストラリア大陸へ 観察眼を研ぎ澄まし 珍品選んで標本に    1836年 5年に及ぶ大航海 動植物や化石など 船底いっぱいコレクション 積んでダーウィン意気揚々  変化の原理 「南アメリカ大陸は 隆起で出来た」と言い放ち それから20年かけて 「種が変化する原理」問う  適者生存 そして唱えた進化論 「兄弟のうち環境に 最も適した者だけが 子孫を多く産み残す」    多様性 ついに世に問う『種の起源』 「どの生物も環

          2 生きているから変化する -進化-③

          2 生きているから変化する -進化-②

           測量船 ケンブリッジの新卒は 英海軍のビーグル号 渡りに船と乗り組んで 南半球探検へ    所変われば 陸ガメ・イグアナ・ツグミ類 南アメリカ沿岸や 離れ小島の動物は 見るものすべて珍しい  ガラパゴス 同じ種類の鳥なのに ガラパゴスでは島ごとに 違うくちばし違うクセ 「これ神様のいたずらか?」  アルマジロ 巣穴に住まうアルマジロ 化石で見つかる仲間とは 姿がかなり違ってる 「じわじわ変わってきたのでは」 ※ビーグル号… 全長30メートル足らずの英海軍の測

          2 生きているから変化する -進化-②

          2 生きているから変化する -進化-①

           選別種 キンギョは昔フナだった 美しい赤・金や黒 目や尾の珍種選んでは 育てつづけた人造魚    種は変わる 古代中国道教の 哲人たちは生き物が 環境に合う特徴を 身に備えると知っていた  創世記 頭の固い西洋人 「生物の種は不変だ」と 聖書かざして大反論 「創世記にそう書いてある!」  ダーウィン 牧師めざしたダーウィンは 神学のほか動植物 人体のこと学ぶうち 聖書の記事に疑問もつ ※道教… 中国の伝統思想。宇宙と人生の根源的な真理(道)を追求し、古くは不

          2 生きているから変化する -進化-①

          四行詩集 科学詩について

          「いのちの不思議」尋ねつつ 生き永らえて四行詩 新人 詩人 化石人 苦心惨憺 備長炭  学生時代は生物学や生態学に親しみ、「いのち」の様々な場面に出くわした。新聞社では事件記者、科学記者、医療記者として事件・事故や治療の現場に立ち会い、動物や人間の生と死を見つめてきた。また医学雑誌の編集者として熱心な意思や医科学研究者に教えを請い、救命救急医たちの奮闘にも触れさせていただいた。  それに先立つ小学生時代の足かけ五年間はもろに第二次大戦期と重なり、米軍機の空爆下を逃げ惑い、戦

          四行詩集 科学詩について

          四行詩集・科学詩

          四行詩集・科学詩

          1 地球にいのち宿るわけ -幸運-

           気がつけば 気がついたときもう僕は 日なたで飴をなめていた なぜかこの世に生み出され やさしい風を吸っていた  よきリズム 山のお寺の鐘が鳴る 赤い夕日の丘の上 朝は再びここにあり みな七五調よきリズム    朝が来る 地球というコマ自転中 だから日が出て月が出て 星座も東から西へ コマのおかげで朝が来る  公転中 地球は秒速三十キロ 深夜も東へ飛んでいる 一年かけて太陽を ぐるっとめぐり九億キロ ※自転… 天体自身の回転運動。地球は北極と南極を貫く地軸の

          1 地球にいのち宿るわけ -幸運-