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最近読んだお気に入りの小説について。

今月は「10記事投稿する」という目標を掲げていますが、達成が危うくなってきました…。なんだかんだバイトや教習に時間を取られ、休みの日は疲れを取るためにどこかに出かけたり、昼寝をしてしまったりで全く書けていません。
やるべきことはしっかりやれているのですが、詰め込みすぎてやりたいことをやる気力や体力が奪われてしまっているのも事実なので、自分の体調や心と相談しながら過ごしていきたいと思います。

今回は、最近読んだお気に入りの小説について書きます。
今回紹介するのは2冊です。

『同志少女よ、敵を撃て』 逢坂冬真

あらすじは以下の通りです。

独ソ戦が激化する1942年、モスクワ近郊の農村に暮らす少女セラフィマの日常は、突如として奪われた。急襲したドイツ軍によって、母親のエカチェリーナほか村人たちが惨殺されたのだ。自らも射殺される寸前、セラフィマは赤軍の女性兵士イリーナに救われる。「戦いたいか、死にたいか」――そう問われた彼女は、イリーナが教官を務める訓練学校で一流の狙撃兵になることを決意する。母を撃ったドイツ人狙撃手と、母の遺体を焼き払ったイリーナに復讐するために。同じ境遇で家族を喪い、戦うことを選んだ女性狙撃兵たちとともに訓練を重ねたセラフィマは、やがて独ソ戦の決定的な転換点となるスターリングラードの前線へと向かう。おびただしい死の果てに、彼女が目にした“真の敵"とは?

表紙裏より引用


こちらの小説は第11回アガサクリスティー賞大賞受賞、直木賞候補作にも選出され、2022年の本屋大賞も受賞しています。本屋さんに行けば誰もが目にしたことがあるのではないでしょうか。
そして強烈に印象に残るこの表紙。正直、表紙でこんなに惹きつけられた小説は初めてでした。息を吞むほど美しいですよね。

思わず手にとりたくなる、表紙のインパクトが強烈です。


その美しさとは裏腹に、戦争の残酷さを突き付けられる内容です。
ロシアのウクライナ侵攻や台湾有事といったことが懸念されているこの世の中で、この小説を読むことには大きな意味があると私は思います。

私がこの小説をはじめて読んだとき、まだウクライナ侵攻は起こっていませんでした。この小説を読んだ数か月後、それは起こりました。
この小説で読んだような残虐な戦争犯罪が行われていることやロシアの女性狙撃兵のこと、子供や女性へのおぞましい暴力の数々がメディアで報道され、胸が締め付けられました。ここで生まれた憎しみが大きな塊となっていつかまた大きな惨劇を生むきっかけとなるのだろう。どうして人類は同じことを繰り返してしまうのだろうと強く思いました。
そして、最近改めてこの小説を読み、感じたことがあります。

それは、人を人でなくするのが戦争であるということ

この小説の中でもそれを強く感じる描写がいくつかあります。
それが「戦争」なんだと突き付けられます。
戦争という過酷で壮絶な環境の中で、人が死ぬのは当たり前であると同時に、人が変わる(変わらなければならない)、人でなくなるのも当たり前なのかもしれません。

この小説を読んだのは2回目でしたが、2回目の方が気付くことが多かったです。私はある人物のあまりに切ない真実に気付いた時、涙が止まりませんでした。
かなりボリュームのある小説ではありますが、臨場感のある文章がページをめくるのを止められないくらい素晴らしい小説です。本当に圧巻でした。
気になる方はぜひ読んでみてください。


『汝、星のごとく』 凪良ゆう

あらすじは以下の通りです。

正しさに縛られ、愛に呪われ、それでもわたしたちは生きていく。
本屋大賞受賞作『流浪の月』著者の、心の奥深くに響く最高傑作。
—私は愛する男のために人生を誤りたい。
風光明媚な瀬戸内の島の育った高校生の暁海と、自由奔放な母の恋愛に振り回され島に転校してきた櫂。ともに心に孤独と欠落を抱えた二人は、惹かれ合い、すれ違い、そして成長していく。生きることの自由さと不自由さを描き続けてきた著者が紡ぐ、ひとつではない愛の物語。
—まともな人間なんてものは幻想だ。俺たちは自らを生きるしかない。

帯より引用

2020の本屋大賞を受賞し、今年の5月に映画化もされた『流浪の月』を書いた著者の最新作です。まだ8月に発売されたばかりの新刊ですが、読書好きな方たちの間では、はやくも話題になっている気がします。私はその声に反応した一人です。

結論から申し上げますと、

こんなに美しいと感じた小説は初めてでした。

言葉にするのが難しいのですが、とにかく文章が美しくて自然とその情景が浮かんできます。映画を観ているような感覚に陥りました。

この小説は人を愛することや親と子、人との繋がりについて強く考えさせられると思います。こんな愛があるのか、あっていいのか。それは本当に愛と呼べるのか、など主人公を取り巻く人物たちの間で何度も考えさせられました。愛という不確実なものに人間は翻弄されてしまう生き物なんだなと思いました。
また、人との出会いには必ず意味がある。そう強く感じる小説でもありました。ある出会いはのちに人生をかき乱すきっかけになったり、ある出会いは人生の柱となるきっかけをくれたり、ある出会いは自分を受け入れてくれる存在のきっかけとなったり…。
良くも悪くも人と人が出会うことで何かしらの意味が発生する。その数々の出会いが自分を形成していくからこそ、その出会いを大切にし、受け入れて生きていくことが大切だと感じました。
色んな登場人物が出てくるので、その生き様や価値観に共感したり尊敬できる人物もいるはずです。私はこの小説から人とどう向き合うのかを学んだ気がします。

凪良ゆうさん独特の愛の形というか人や愛について問われる小説であり、人によっては賛否もあるかもしれません。
ですが私は、この物語は愛に溢れた美しい小説だと思いました。私の中では今年読んだ本で1番好きです。今読んでいる本が読み終わったらまた読み返そうと思います。

気になった方はぜひ読んでみてください。


以上が、私が最近読んだお気に入りの小説でした。

恐らく本屋さんに行けば、目立つところに置いてある2冊だと思います。
大賞受賞や注目されている小説をなんとなく避けてしまいがちな私ですが、最近は敬遠せず、読みたいなら読む!ようにしています。
そしてやっぱり、そういった大賞受賞作品や有名な賞にノミネートされている小説は本当にどれも素敵な小説ばかりです。もっと早くに読んでおけばよかったと後悔します(笑)
本は人生を豊かにしてくれる最高の娯楽ですね。
いつかまたお気に入りの本を紹介したいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。


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