見出し画像

『リッチマン、プアウーマン』という人生で最も好きなドラマの話。

私は何回も同じ本を読み返すことはありますが、映画やドラマについては1回見たきりで終わってしまうことが多いです。その時は「もう一回見たい!!」と思うのですが、結局見ないことがほとんどです。本は自分で字面を追って情報を処理するという行為が伴うので集中力を保っていられるのですが、ドラマや映画を観るとなると、自分はただ座って目の前の映像を処理するだけなので、どうしても集中力が続きません…。

ですが、そんな私が1話45分程度×11話分と番外編110分を一気見し、さらに何度も見たくなってしまうドラマがあります。

それが『リッチマン、プアウーマン』です。(2012年フジテレビにて放送)

実は当時私はまだ小学生で、このドラマの存在を知ってはいたものの見てはいませんでした。(でもずっと気になってた)
時が経って再放送を機に、一気見しました。見始めたら止まらないくらい面白くて夢中になり、もう何回もリピートしています。

設定、人物、音楽、全てにおいて完璧だと私は感じます。(あくまで私にとってですが)

今回はこのドラマについて今述べたそれぞれの要素を交えて、とことんその魅力を語り尽くしたいと思います。(ネタバレには細心の注意を払います)

ドラマについて

まず、ドラマについて簡単にご紹介します。

小栗旬演じる、主人公の日向徹はリッチとはいえ、およそ欠陥だらけと思われる性分。そんな徹と出会い、やがて引かれていくのは石原さとみ演じる、澤木千尋。千尋は徹に、これまで出会った人たちは誰も持ち合わせることのなかった純粋さと、それゆえの孤独を感じ取り、やがて引かれるようになる。2人はたびたびの衝突を繰り返しながらも、お互いを知り成長していくことに・・・。また、徹と強い絆で結ばれている、共同経営者・朝比奈恒介役を井浦新が、恒介の妹で、千尋の恋のライバルとなる燿子役に相武紗季が出演。この2人が徹と千尋の関係に多大な影響を与えていく。
世界的な不景気&経済難が続く中、フェイスブックを立ち上げたマーク・ザッカーバーグのように、アパートの一室や、自宅のガレージで始めた会社が10年足らずで年間100億円以上の利益を生む会社に成長してとんでもない富を手にする、夢のような人生を歩む人々も一部に存在する。それは、海外だけでなく日本でも、ネットゲームやアプリケーションソフト、ネット通販など、いわゆるIT関連企業を立ち上げてわずか数年で富と名声を手にした成功者は1人や2人ではない。その一方で、日本では、大学卒業後就職率が2011年に史上最低を記録。2012年に改善をみせているが、それでもまだ働きたくても働けない、意中の企業に就職したくてもかなわない人々がいるのが現状だ。このドラマは、そんなリアルな現実の中でのシンデレラストーリーに挑戦する。人間的に欠落した部分が多分にあるが、偶然と運で、フォーブスにも掲載されるビリオネアになっていたIT企業社長・日向徹(小栗旬)。将来困らないようにと、勉強や資格取得を励んできたにも関わらず、就職先がいまだ見つからない東大生・澤木千尋(石原さとみ)。生活スタイルも異なれば、価値観もまるで異なる2人の恋は、果たして成立するのか?
FODより引用

ただのラブストーリーじゃん。と思ったそこのあなた。

ただのラブストーリーでもシンデレラストーリーでもありません。

むしろ会社や組織といったビジネスの部分におけるマインドやスピード感には学ぶべきものがあるし、このドラマの大きな魅力になっています。
「このドラマを見ると仕事頑張ろうって思える」「初心にかえった」など社会人の方からも評価されているように思います。

どういったところが魅力なのかという点においてまず「登場人物」の魅力について語りたいと思います。

人間らしい人物たち

このドラマに登場する人物たちは皆それぞれ個性があり魅力的です。完璧に見えるようで実は完璧ではない。それがすごく「人間らしく」て、共感することも多いです。

日向徹

性格的に欠落している部分はあるが所謂誰もが認める「天才」。
私は彼のマインドをすごく尊敬しています。例えば

指示された仕事のその先まで出来て完璧と言うんだ。

これから社会人になるので肝に銘じておきたいと思います。言われたことだけやっていても成長しない。その先までできて初めて一人前になれる。指示された仕事を本当の意味で完璧にできる社会人を目指したいです。

必ず世の中を良くする。

これを本気で言える人ってどれくらいいるんでしょうか…。ドラマの中ではあるけれど、会社のトップに立つ人間がこんな風に堂々と言い切ることができるってとても素敵だと思いますし、こんな人の下で働きたいって思います。会社が大きくなればなるほど保守的になってしまうことは当たり前だと思いますが、常に前のめりな姿勢で地位や名誉に何のこだわりも持たずに、ただ人のために、世の中のために尽くそうと向き合う日向の姿勢が何度見てもかっこよくて、尊敬してしまいます。

自分がすごいことをなぜ人に認めさせなきゃいけない。

頑張ったから認めれくれ?子どもか。

承認欲求の塊みたいな私には痛いほど突き刺さりました…。こんな真っすぐに生きてみたい。自分は人に認められないと生きていけないのか、認めれられるために生きてるのか。地位や名誉や肩書、そんなものから自由になって日向徹のように生きていきたいなってドラマを見るたびに思います。

そんな日向でも弱気になってしまう場面があるのですが、そこがまた弱気になったときの「人間らしさ」が表れていて、天才は天才でも人間なんだなと思いました。

朝比奈恒介

日向を支えるもうひとりの「エリート」。
誰が見ても優秀で社員にも優しくて誰からも慕われるような人物ですが、彼がもっとも「人間らしい」と私は思いました。

日向徹という「天才」の隣で常に仕事をしている朝比奈ですが、だんだんと彼に対して嫉妬心が芽生え始めます。ここであえて朝比奈を「エリート」と表したのは、彼は日向徹のような「天才」ではないからです。おそらくそれを朝比奈自身が最も感じていたからこそ、嫉妬っという感情が芽生え始めてしまったのだと思います。

誰もが認める「天才」に「エリート」はやっぱり敵わない。どれだけやっても、頑張っても、誰も見向きもしない。なぜなら隣にいるのは「天才」だから。そんな悲痛な朝比奈の想いや行動は誰しもが抱いたことのある嫉妬心や承認欲求からくるものだからこそ、とても「人間らしく」て共感できる人物であり、魅力に感じます。

澤木千尋

東大生NNT(内定がない学生)の就活生。
就活を経験している私としてはリクルートスーツに身を包み、都内のオフィスビルを見上げてとぼとぼ歩くシーンは色々思い出して胸が詰まりました…。

千尋が言った言葉で最も好きな言葉がこれです。

今日は何かが終わる日じゃない。2度目のスタートの日です。

あぁ、終わったって落ち込むたびにこの言葉を思い出します。死なない限り何度でもスタートラインに立てるんだから頑張ろうって、そう思えます。


またドラマ終盤、千尋が日向に対してこんな思いを抱くシーンも個人的に共感しました。

やっぱ日向徹カッケーなぁってもう。でもなんかもう…カッコよすぎちゃって、前より仕事できちゃってるし。
最高だよ、でもすごすぎて一緒にいるのがなんか辛い。

私自身、以前付き合っていた人が国家公務員で誰もが知る大きな省庁で働いている人でした。千尋とは少し違うかもしれませんが、私は肩書がある彼が羨ましくて「こんな仕事を任されるようになったんだ」「こんなことしようと思ってるんだ」という話を聞くたびに自分と比べて、一緒にいるのが辛いと感じたことがたくさんありました。尊敬できる部分がありすぎて、それをそばで目の当たりにしているからこそ、自分のちっぽけさみたいなものをダイレクトに感じてしまう…だから一緒にいるのが辛いと感じてしまう。それがあまりにリアルで私はこのシーンで千尋と一緒になって泣きました(笑)

ここまで主にメインとなる3人の人物の名言とともにその魅力を伝えてきましたがいかがでしたでしょうか?
それぞれの人物に「人間らしさ」があって、どの人物も尊敬できたり共感できる部分がたくさんあります。ドラマを見ていくともっとその魅力が伝わると思うのでぜひ見てみてほしいです!

ドラマの魅力を最大限に引き出す音楽の効果

最後に、このドラマの魅力を最大限に引き出している音楽についてお話をさせてください。

主題歌:『ヒカリへ』miwa
挿入歌:『Napa』『Delight』『HiKARiE Remix~English version~』

サントラ:林ゆうきさん

miwaさんと言ったらこの曲!という方も多いのではないでしょうか。私も大好きな曲です。どのドラマにも言えることですが主題歌の威力は凄まじいですよね。主題歌を聴くだけでドラマのあのシーンが浮かぶ。主題歌を聴いてドラマを見たくなるなど…ドラマにとっても担当したアーティストにとってもwinwinですよね。私もまさにこのドラマに使われている曲を聴くと、そのシーンが脳内再生されたり、見たいという衝動に駆られます。
特にこのドラマにおいては、本編の中で1番盛り上がるシーンや切ないシーンでこの『ヒカリへ』が流れるのですが、そのタイミングやアレンジが絶妙なんです。挿入歌としてアレンジされたものや英語ver.も使われているため、より一層主題歌が強く根付いたドラマになっているのではないかと思います。

『ヒカリへ』『Napa』『Delight』どの楽曲も明るいテンポの曲で、よし頑張ろうって思えたり、大切な人を大切にしようと思う気持ちを思い起こさせてくれるような曲で、まさにこのドラマに合っているんですよね。miwaさんも制作陣の方々も天才すぎる…。

私はサントラも結構聞くのですが、サントラってドラマにおいて本当に重要な役割を果たしていると思っています。展開を勢いづかせるための効果や感動的なシーンにおける涙を誘う効果など、そこに音楽があるかないかで印象がかなり変わると思うんです。だからと言って音楽を多用しても効果が裏目に出てしまうこともある。(そういったドラマを見たことがあるし、それをもったいないと感じることがあります。)もしかしたら、その選曲・バランス・タイミングなどがすごく難しいからこそ、ドラマを引き立たせる重要な要素になり得るのではないかと思います。

その中でも『リッチマン、プアウーマン』は音楽の効果でドラマの魅力を最大限に引き出すことができている作品だと私は感じています。

林ゆうきさんの楽曲も『リッチマン、プアウーマン』にぴったりで、サントラを聴くたびにその楽曲が流れているシーンが脳内再生されます。

『リッチマン、プアウーマン』は音楽なくして語ることができないくらい本当に素晴らしいと思います。
ぜひ作品を見て音楽がもたらす効果の素晴らしさも感じてほしいです。

最後に

長々と愛を語ってしまいましたが、ここまでお付き合いいただきありがとうございます。
また、こんな素晴らしい作品を作ってくれたドラマ制作陣の方々もありがとうございます。

私の人生で最も好きなドラマ『リッチマン、プアウーマン』の魅力が少しでも伝わっていたら嬉しいです。

最後までお読みいただきありがとうございました。



この記事が参加している募集

#テレビドラマ感想文

21,415件

#私のイチオシ

50,792件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?