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nt
2019年3月27日 21:04
今更だが夏目漱石の【草枕】を読んでいる。芸術論・創作論の開陳が多いのだが、それが単に説明的なものに堕さず辟易しないのは、画工である「余」がじっさいに歩く外界の風景や目にする骨董の描写が的確で、説得力があるからだろうか。 「俗塵を離れた山奥の桃源郷を舞台に、絢爛豊富な語彙と多彩な文章を駆使して絵画的感覚美の世界を描き、自然主義や西欧文学現実主義への批判を込めて、その対極に位置する東洋趣味を高唱