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人生フラフラロンドン日記 ~Week 117~

ロンドンに来てから117週間が経過。夏が来た。気温は連日20℃超え。もう半袖で出歩いても寒くない(ただし夜は除く)。もともとロンドンの夏が好きで、わがままな延長を決めたこの生活。夏だけは本当にどの国よりも天国なんです。今年はどんな夏になるのかなとワクワクしつつ、迫り来る最後を考えて既に少し寂しい気持ちでいる。

近所のPeckham Pelicanに入り浸る季節がやってきた。

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1.

Mitskiのライブを逃してしまった痛恨のミス。チケット代が高かったこともあるが、ウカウカしていたら4日間ともソールドアウト。行けなくなると無性に行きたくなってしまうのが人の性なのか、ポップアップだけでもと
Hammersmithに足を運んだ。

昨年のアルバム『The Land Is Inhospitable And So Are We』はまさに傑作だった。USインディーの精神を残しながらクラシカルに、そして壮大に鳴り響くサウンド、そこに乗るMitskiの声はまるで讃美歌のような神聖さすら感じる。そしてこのアルバムの肝はその共感力だったことだろう。特にヒットとなった「My Love Mine All Mine」は1日に400万再生を超えるストリーミング。billboardのTikTokチャートでは6週に渡って1位。その普遍的な愛の歌はどんな形態にも姿を変えて、人々の生活に寄り添った。かくいう自分も昨年末はひたすらに「My Love Mine All Mine」を聴いて、自分という人間の形を保っていた気がする。自分の周囲の人間への愛、それぐらいしか自信がない自分に「受け取られようが、受け取られないが、自分の愛はそのままの愛」というメッセージは、それだけで心はスッと楽になる音楽だった。

結局ライブに行くことは叶わなかったが、それも天の思し召しなんだろうと思っている。その分だけ彼女がヘッドライナーを務める8月のAll Point Eastが楽しみで仕方ない。きっとこの生活の終わりを彩ってくれるだろう。

帰り道に「そういえば、この辺だったかな」と辺りを見回すと、たまたまPulp「Common People」のジャケット撮影地にたどり着いてた。偶然すぎて驚いた。

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2.

ピクニックの季節到来。ロンドンの夏といえば欠かせないのがピクニック。このピクニックの季節が待ち遠しくて仕方なかった。別に特別なことをするわけではない。ただ芝生に座って酒を飲むだけなのだが、それだけで幸福度数が高いレジャー、それこそがピクニック。暗く寒い冬が長いイギリスならではのような気もする。太陽の下に集う人々、はしゃぐ犬、心地よい風の1つでも吹けば、もうそれだけで幸せなのだ。先週末だけ3ピクニックした。日本に帰るまでに20ピクニックしたい。英語圏でピクニックは動詞で使えることもびっくりした。

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3.

先週の音楽日記。

Ivy Houseで大好きなOscar Browne。このヴェニューで、ずっと彼を観てみたいと思っていたから嬉しいかぎりだった。新曲を中心にプレイしていたが、新しい曲は少し明るめな印象。既存曲含め、どちらにせよ彼の音楽は濁りなく透明に聴こえるからとても好きだ。

初のJazz Cafeに上陸。目当てはサポートアクトにいたPREGOBLINだったが、トリを務めたCousin Kulaがあまりにも初夏の夜にマッチしていて最高だった。ここ最近精神的に参っていたのか、音が忙しい音楽が聴けずじまいだったので、ちょうど良いタイミングで彼らを観ることが出来た気がする。新譜はあまりにもジャケットもタイトルもダサいが、そのギャップも含めて素敵なバンドだった。

Man/Woman/Chainsaw、人が溢れすぎてて感動を通り越し爆笑した。こんなに人が溢れてるShacklewell ArmsはThe Lounge Societyを観た時以来。それこそMan/Woman/Chainsawを初めて観たのはこのヴェニューだったのだが、当時は10人ほどしか客がおらず、自分自身も「なんだかガチャガチャしてるバンドだなぁ」ぐらいにしか思っていなかったのだが、こんなにもスペクタクルなバンドに進化しているとは驚いた。本帰国までに絶対もう3回くらい観たい。

MOTでDJ NOBUを観た。ずっと観たかった日本人DJの1人。あと観れていないのは¥ØU$UK€ ¥UK1MAT$Uくらい。流動的に流れ続けるテクノは紋切り型でなく、踊りというより瞑想に近かった気がする。ずっとフロアを見ていたことも印象的だった。この夏のDVS1とのB2Bも本当に楽しみ。

The CauseでHiroko姐さん。彼女を観るためだけに当日チケットを購入した。今まで4回観てきたが今回が一番ゴリゴリのセットだったような気がする。自分自身も友人に勧められ、そしてまた友人に教えてだったが、その全員が勢揃いしていたことも含めて思い出深い日だった。きっとロンドン生活で観れるのは今回が最後。いつも楽しかったです!

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〜まとめ〜

ずっとインターンをしていた友人のインターンが終わった。心からのお疲れ様を言いたい。彼女のインターン先が近所だったこともあり、よくランチか退勤後の一杯をともにしていたのだが、それが無くなると思うとやはり少し寂しい。彼女の直向きに何かに取り組める姿勢は何よりも美しく、しなやかなで本当にカッコいい。そしてロンドンに来てからできた友人たちは、全員がそんなカッコよさを持っていて尊敬している。囲まれているからもっと頑張ろうと思える。たくさんもらってばかりで何もあげられてないからもっと素敵な人になろうと思える。自慢の人たちの自慢の人でいたい。

Barbicanに来るたびに2年前の希死念慮に溢れた自分の姿をどこかに見つけて「大丈夫だったよ」と声をかけてあげたくなる。いつだって今が自分の最新版のはず。どんな選択肢を選ぼうが、その時の自分が何を言おうが、それがいつも正しいと思っている。夏はまだまだこれから。寂しさ以上に楽しい日々にしたい。ロンドン生活はまだまだ続く。

冷たいコーヒーから夏の味がする

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