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劇場公開中にオンライン配信という革命『なぜ君は総理大臣になれないのか』


山崎賢人さん主演の『劇場』ってみなさんもう観ましたか?

行定勲さんが監督して、約300スクリーンで公開するはずだった映画があります。新型コロナウイルスで、もう映画館が開かないという事情で、全国のミニシアターだけを上映館にして、Amazonで劇場公開と同時に配信されています。ところがこれ、配信も好調、全国で20館しかなかったミニシアターも満席続出で大盛況です。製作も配給も吉本興業になりました。吉本という映画界での新規参入者だからできた荒業と言えるかも。

配信と劇場公開はカニバルのではなく、違うセグメントにアピールし、交互に好影響を与えるのではないかという結果が出てきてます。ちょっとワクワクしませんか。

そこで『なぜ君は総理大臣になれないのか』も今回、劇場公開中ですが配信にチャレンジします。政治を扱った地味なドキュメンタリーだと思ってます?全然違います。大島新監督(大島渚さんのご子息です)が、真摯にひとりの政治家を17年追いかけた映画、エンタメとしても上質な作品になっています。どんなドキュメンタリーかと言うと・・・

高橋しんさんの『いいひと。』っていうマンガ知ってます?1995年に草彅剛さんが主演でドラマ化もされ、26巻までつづいた大ヒットマンガです。草彅さんが主人公のイメージと合ってなくて、原作者が怒ってしまって、連載を終わらせてしまったという作品なんです。

主人公がおばあちゃんを横断歩道でおぶってあげたら、そのおばあちゃんが営業先の社長だったりするような、ベタな「いい人であるだけで、人生を切り開ける」ストーリーだったんですが、これがエンタメになるってことは、こういう人は現実にはいないっていうことですね。

ところがと。これがこの映画のもっとも面白いところなんですが、監督の大島新さんが17年近く追いかけている小川淳也さんという香川1区の衆議院議員が「いいひと」なんですよね。自治省出身で政策にも強く、ものすごくいいひと。それが痛快なんですね。でも現実はなかなか偉くなれない。地元のテレビや新聞社の御曹司の3世議員が選挙区で当選してしまう世の中で。僅差で惜敗率で復活当選してるんですが、そういう人は政治の世界では偉くなれないんですよ。

世の中のために何かをしようという人、しかも、真摯に頑張っていても、力及ばず、目標にたどり着けない人を、わたしたちは応援したくなるんですね。なぜか、その小川議員の姿を観て、すごく爽やかな気分になれる映画です。

そこで8月1日(土)です。

ぴあのプラットフォームで小川議員や田崎史郎さんの座談会をつけて配信します。価格は1,800円。公開中に配信を2日間だけ実施します。これはもう映画産業における革命です。

※チケットはここから 

https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2063231

劇場と配信が協力して、インディーズの映画作家が食える世の中になれば本当に面白いですよね。


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