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【ブックガイド】生死の現場で事件は起こる──⁉「医療ミステリ小説5選」

病気、怪我、生まれてから死ぬまで、医療にかかわらずに生きる人はいません。
もしかしたら、明日は私が患者になるのかも。
だからこそ感情移入しやすいのかもしれないですね。
生と死、あるいはこころや体の不調を扱う現場を舞台に起こる事件、普段知ることができない医療従事者の思いや葛藤、そして解き明かされる謎――。
今回お届けするのは医療ミステリの魅力をふんだんに詰め込んだ5つの物語です。



知念実希人『傷痕のメッセージ』(角川文庫)

息をのむ展開と瞠目のラスト! 医療×警察ミステリの新地平!!

「自分が死んだら、すぐに遺体を解剖して欲しい――」そんな遺言を託して亡くなった父。その胃壁からは、謎の暗号が見つかった。医師である娘の千早は、父が28年前、連続殺人事件の犯人を追うために警察を辞めたことを知り、病理医の友人・紫織と暗号を読み解こうとする。そんな中、時を同じくして28年前の事件と似通った殺人事件が発生。絡み合う謎を2人の女性医師コンビが解き明かす、医療×警察ミステリの新地平!

KADOKAWAオフィシャルサイトより引用

下村敦史『黙過』(徳間文庫)

移植手術、安楽死、動物愛護……“生命”の現場を舞台にしたミステリー。あなたは必ず騙される――『闇に香る嘘』を超える驚愕!

移植手術を巡り葛藤する新米医師――「優先順位」。安楽死を乞う父を前に懊悩する家族――「詐病」。過激な動物愛護団体が突き付けたある命題――「命の天秤」。ほか、生命の現場を舞台にした衝撃の医療ミステリー。注目の江戸川乱歩賞作家が放つ渾身のどんでん返しに、あなたの涙腺は耐えられるか。最終章「究極の選択」は、最後にお読みいただくことを強くお勧めいたします。

徳間書店オフィシャルサイトより引用

小松亜由美『遺体鑑定医 加賀谷千夏の解剖リスト』(角川文庫)

有栖川有栖氏、驚嘆! 天才解剖医のメス捌きと推理のシャープさに圧倒される。

事故か、殺人か――彼女のメスは、死体が見た最後の風景を蘇らせる。
京都府警に持ち込まれた傷害致死事件。引きこもりの大学生が、異様な姿で死亡した。伏見署に連行された母親は「娘の身体を突き破って悪魔が出てくる」と興奮気味に話し、供述は要を得ない。夫の事故死をきっかけに彼女がのめり込んでいた新興宗教は、「悪魔祓い」と称して、信者に加虐的な扱いをすることもあったという。遺体の状況から、母親の虐待を疑う京都府警は、検屍と司法解剖を千夏に依頼するが……(「エクソシズム」)。京都市北区の河川敷で、首のない遺体が発見される。被害者は刺青があり、小指も欠損していることから、暴力団関係者とみなされるが、身元はわからない。激しい暴行を加えられた後、首を切断するほどの動機とは一体何なのか? 現場に駆け付けた検視官の都倉は、何かしっくりしないものを感じながらも、何が違和感なのかわからない。司法解剖を担当した千夏の見解を聞くうち、都倉はあることに気づく。(「梟首」)など、4話を収録。

KADOKAWAオフィシャルサイトより引用

秋谷りんこ『ナースの卯月に視えるもの』(文春文庫)

元看護師の著者が送る、命の物語

完治の望めない人々が集う長期療養型病棟に勤める看護師・卯月咲笑。ある日、意識不明の男性のベッド脇に見知らぬ女の子の姿が。それは卯月だけに視える患者の「思い残し」だった——。彼らの心残りを解きほぐし、より良い看護を目指したいと奔走する日々が始まった。ナースが起こす小さな奇跡に心温まるお仕事ミステリー。

文藝春秋オフィシャルサイトより引用

仙川環『カナリア外来へようこそ』(角川文庫)

医療ミステリの注目作家が贈る、心温まる新感覚医療小説!

街の片隅にある小さな医院、保泉クリニック。院長の代替わりを機に始まったのは、過敏症の人向けの特別外来だ。
特定のにおいで頭痛が起こるWEBデザイナー、早期退職した夫との時間が増えた途端、体調を崩しがちになった主婦、ある日突然味覚障害になった料理人……。
様々な悩みを抱える患者たちを出迎えるのは、仏頂面で不愛想な女性医師と、優しいけれどおっちょこちょいな男性看護師という、ちょっと変わった2人だった。
心温まる新感覚医療小説、開幕!

KADOKAWAオフィシャルサイトより引用


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