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【仕事の話】地方・零細企業はブラック寄りのグレー?~営業車は国道真ん中でエンジン停止~

私が乗っていた営業車はどこにでもある、よく見かけるタイプでした。
よく似てる車がこちら↓

新車ではありません。
私が就職するよりずっと前から、社長が乗っていた、という話です。
少なくても購入してから、5年以上は経っていたはずです。
今回はそんな車の話。


私の仕事内容と走行距離

営業車、と書きましたが、私は営業だけでなく配達も担当していました。
移動は毎日100kmほど。
担当の営業先に荷物を運び、営業し、帰社。
そんな毎日の繰り返し。
1日の走行距離が100kmを超えない日はありませんでした。
雨の日も風の日も大雪の日も。
毎日です。

車のメンテナンスの記憶

会社が社用車に対してお金をかけない、というのはよく聞く話です。
元々頑丈に作られているから?
なかなか故障することもありません。
メンテナスは、オイル交換は定期にしていたと記憶しています。
オイル交換以外のメンテナンスは・・・
振り返ってみると、あんまり記憶にないですね。

冬メンテナンスといえばスタットレスタイヤ

私の暮らす地域は、少なからず雪が降る土地です。
雪が降る前の12月、早々にタイヤ交換をしないと仕事にも影響が出てしまいます。
ある年の話です。
私が「そろそろ雪が降るから、タイヤ交換をして欲しい」と社長に伺いました。
社長、というか社長夫人が「まだ大丈夫。早く交換すると、タイヤのすり減りが早くなるからまだいいわよ」と言うんです。
実際に雪が降り、営業に出れない日があったり、もしくは営業先で雪に降られ、事故にでも合えば、辛い思いをするのはこっちです。
「でも早くタイヤを交換しておいた方が、万一に備えられますよ」と説得を試みましたが、私の言葉は届きません。
結果、そのシーズン最初の雪が降った日。
タイヤ交換が終わっておらず、営業先から会社までノーマルタイヤで走行し、国道を大渋滞に陥らせてしまいました。
事故を起こさないようにという緊張と、後続車に迷惑をかけているという心労。
帰社したときの私は、全く仕事が手につかないほど疲労困憊していました。
そんな大変なことがあった次のシーズンからは「早く交換しないと大変よね」と、さも自分たちから安全対策を推奨しているような口ぶりで冬支度を始める社長夫妻。
たった1回でも、トラウマになるには十分の出来事でした。

エンジンの問題

前述した営業車ですが、私が乗り始めてから5年は問題ありませんでした。(つまり購入後10年くらい経った頃でしょうか)
6年目頃から、徐々に不具合が発生し始めました。
その不具合の1つが恐ろしいものでした。
運転中に赤信号や一時停止で止まった時です。
急にエンジンが停止するんです。
まるで車も呼吸していて、深く息を吐くようにすうぅぅぅぅぅぅっと。
吐き切ると止まるのです。
エンジンが掛からなくなるんです。
これが頻発するようになりました。
恐怖です。
さらにエンジンを復活させるのにはなかなか簡単ではない、コツが必要でした。
1)キーを何回かまわす。
2)アクセルを踏む
3)エンジンをふかす。
4)ブオンブオンとふかす。
これを繰り返すとエンジンがほんの少し安定します。
5)安定したら発進!
この5)のタイミングを逃すと、また1)からやり直しです。
こんな車、誰が乗りたいと思いますか?

一時停止はもはや「絶望」

赤信号で運悪く止まってしまった時がありました。
後続車もいます。
ヒヤヒヤどころか、心臓も止まりそうです。
これ1回や2回の話ではないんです。
こんなことが続けば、どんな状況下でもなんとしても停車しないようにしたくなります。
信号からだいぶ距離をとった状態からノロノロ運転で走行し、止まらないように努力しました。
後続車はきっと「前の車は、信号からこんなに離れているのになんで減速してるんだ?」と思ったことでしょう。
どうにか一時停止しなくてもいいように、走行する道路をよく考えながら運転したものでした。
それでも一時停止しなくてはいけないところに、必ず遭遇してしまいます。
そういう時は、とにかくパーキングにギアを入れ、エンジンをふかす。
まるでエンジンを手動のネジで回しているかのような感覚です。
これが雪の日の出来事だったら、これを読んでくれている方はどんな気持ちになりますか?
たぶん、私も同じ気持ちです。

トラウマ

当時20代でした。
今でも毎日運転しますが、本当にエンジン音には敏感です。
道路の凸凹、強風に煽られる日、タイヤの空気圧、車のエアコンをかけたことによる、アクセルのかかりが悪くなる現象。
どれも日常的で、なんの心配もないはずですが、これらの違和感を少しでも感じると、身体から血の気が引くほどです。
心臓のドキドキが止まらなくなります。

エアコンも

記事を書いて思い出しましたが、営業車のエアコンをつけると、エンジンが停止するリスクが格段に増しました。
気のせいではなく、エアコンを入れて走行するとすぐにエンジンが停止してしまう為、冬でも夏でもエアコンをつけることができませんでした。
冬は厚着やカイロで凌げましたが、夏は地獄です。
若い女が汗を大量にかきながら営業先に出向くことは憚れます。
毎日、下着も含めた着替えと、1日3回のフルメイク直しが必要でした。
(おかげでデパコスの「絶対に崩れないファンデ」を定期購入しなくてはいけない始末・・・。安月給なのに・・・)

先輩の商用車は不具合ない?

ちなみに一緒に働いていた先輩も商用車を使ってました。
こんな感じでした↓

先輩は元大手車屋の整備士をしていたそうです。
「整備士」という職人だから?職人気質な人だ、と社長夫妻には言われていました。
私が車のことで相談した時、
「そんなこともわからないのか?」
「俺に聞くな」
と言った具合で、全然取り合ってくれませんでした・・・。
(世の整備士さんってこんな感じなんでしょうか?)
前職が車関係ということもあり、車の不調があってもちょっとやそっとじゃ動じない人でもありました。
よく観察すると、先輩の営業車も不調は出ていたようした。
しかし先輩は不調かなと感じたら、営業先から戻る途中で昔の職場に持っていって、会社へは事後報告。かかった費用をのちに請求する。そんな方法を撮っていることに気がきました。
・・・それじゃあ怖いものなんてないじゃん!
車の不調でビクビクしている後輩の気持ちなんて、到底わからないようでした。

私の営業車がいつ壊れてもおかしくない中、社長は新車

私が営業車でヒヤヒヤした10年近く。
社長は2回車を買い替えてました。
走行距離が長い上、故障しやすいから、ということでした。

言いたいことはこれに尽きる

私も走行距離が長いんだけど!
すでに故障してるんだけど!

従業員の声なんて、たった4人の零細企業でも届かないもんです。



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