クラロワリーグ | CRL East | 2020-SS-PO3 | スコアブックP.O.Week3. 初優勝
日本のFAV gamingが”四度目の正直”でW.EDGMを破って、念願の初優勝。
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『クラッシュ・ロワイヤル』の公式eスポーツリーグ「クラロワリーグ イースト」(Clash Royale League East)2020年 スペシャルシーズン(SS)のPlayoffs Week3(2020.5.23)がおこなわれた。コロナ禍で全試合がオンライン開催となった”特別な”シーズンも、これにて閉幕となる。
今回のnoteでも、今週のCRLをスコア中心にがっつりとまとめていきたい。
本noteでは、”より資料的によりマニアックに”、世の中に流通する情報を網羅する勢いでCRL Eastについて毎週レポートしてきた。
Smashlogでの”今週のCRLを短い時間でざっくり把握できる”リーグ連載記事ともども、ありがとうございました!
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イースト週間レポート(by Smashlog)
「Smashlog」で筆者が連載中のCRL記事の第7回(プレイオフWeek3)。
Smashlogでの今シーズン最後のリーグ記事が無事アップされた。読んでくださったすべての方々と、書くチャンスをくださった方々に感謝!
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Topic1: ”特別なシーズン”が終わった
”特別なシーズン”が終わった。全日程を消化して無事終われたことにほっとしたCRLシーズンは、今季が初めてだ。(LATAM'18も危なっかしかったが)
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今季、CRL East 2020 Special Seasonがこれまでのクラロワリーグと違っていたのは、全試合をオンラインで行ったことだった。新型コロナウィルス(COVID-19)が世界を襲い、中止や延期されるリアルスポーツやesportsのイベントが相次いでいた。Supercell としても苦渋の判断だったのだと思う。
今シーズン開幕前に懸念された点は多い。①新型コロナウィルス(COVID-19)の患者が出るなどの理由でのチームリタイアやリーグ中断、②オフラインで目が行き届かないが故の不正行為、③ラグや通信面での障害、④選手の試合映像がないことでの盛り下がり、⑤新規導入のTPD(トリプルドラフト)の放送、などこれまでのシーズンにないリスクが山積みだった。
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①チームリタイアやリーグ中断、②不正行為
①②は起こらずに済んだ。ファンにいちいち説明はされなかったが、リーグとして対策や追加ルールを設け、各チームもそれに従うとともに健康管理にも細心の注意を払ったおかげだろう。無事に終われて本当に良かった。
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③ラグや通信面での障害
③は心配されたほど通信障害絡みの問題は起きなかった。目立ったところでは、P.O.Match2のAuk-Legend戦で回線落ちがあったくらいか。ただ、②絡みの確認作業や軽微な障害などのため、試合のテンポは例年より悪かった。とはいえ、実況・解説陣の繋ぎトークや、放送画面上の対戦データ表示などの飽きさせない工夫や努力のおかげもあって、さほど苦にはならなかった。
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④選手の試合映像がないことでの盛り下がり
④は、中国の3チームは現地会場入りしたが、ほか5チームは選手の静止画のみで、正直なところさびしく感じた。数年前まで選手映像のないオフライン対戦のライブ配信が当たり前だったことを思えば、不思議な感情ではある。CRLの2年間の歴史で、選手が一喜一憂し、緊張し弛緩し、片方がガッツポーズし片方がうなだれる、そういうシーンを見せてもらってきたおかげで我々ファンも”味”を知ってしまったのだと思う。今や戻れない。
仮に次のシーズンもオフラインで運営されるならば、+αがほしい。静止画のパターン(喜怒哀楽)を増やしたり、試合前に各チームの最新動画クリップをはさんだり、Zoomライクなワイプ画面で選手映像を入れたり、手は色々とあると思う。ぜひともご検討いただきたい。
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⑤新規導入のTPD(トリプルドラフト)の放送
⑤のTPDは、観戦していく毎にその奥深さや駆け引きのありかが分かってきて面白くなっていった。ただ、TPDの肝であるドラフトのピックを見れないのはやはり残念だった。現地入りできる中国チーム同士の対戦ではピックの手元画面を見せてもらえる試合もあったが、やはり見れると別物だ。
秋のシーズンは昨年同様ならEast・Westで同ルールとなり、そこでTPDが採用されるかどうかは不透明だ。ただ、今季のEastの評判だけでTPDの成否を判断してしまうとすれば、ちょっとかわいそうな気もしたりする。
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つらつら書いてしまったけれど、結論としては冒頭に書いた通り。
今季は”全日程を消化して無事終わること”が最大の難関であり、それが達成できただけで成功と断じて良いくらい、難しいシーズンだった。人の生死にかかわる大変な状況下でリーグを開くという決断をし、できうる限り万全の態勢を敷いて、毎週ぼくらに楽しみを届けてくれたすべての関係者の方々に「ありがとうございました」と伝えたい。
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Topic2: ”同時視聴者数2.6万人”をどう見るべきか
CRL East 2020 SSのYouTube日本語公式チャンネルの同時視聴者数を、シーズン中ざっくりメモしていた。(瞬間最大値は見逃している恐れもある)
昨年までの傾向と同様、日本戦や日本勢対決の注目度は高かった。そしてシーズンを通して考えると前半から後半に向けて、そして最終日も後に行くにしたがって視聴者が増えていた。
比較のためにいくつかの数字を持ってきた。昨季のリーグ戦や世界大会と比べると、今季のCRL East日本語放送の健闘ぶりがよく分かる。
だが、1月にあった「8000最強決定戦」のときの数字は、CRLにまだ課題というか成長の余地があることを示唆している。あれはクラロワというカテゴリーを超えたお祭り感と注目度があってこその盛り上がりだったし、再現性も難しいのは重々承知しているけれども、ポテンシャルの話として。
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Topic3: Smashlog順位予想記事の答え合わせ
CRL Eastのシーズンが終わったということは最終順位も決まったということで、最終順位が決まったということは”順位予想”にも答えが出たということだ。開幕前にSmashlogでやらせてもらった企画記事「2020年SSの順位予想」に結果が出たのでまとめてみた。
・優勝チーム的中(FAV):Lewis氏
・順位的中数1位(4):アムロ氏
・上位4チーム的中数(4):kota氏
5人ともが上位4チームの顔ぶれをほぼ的中させていたことは、「やるな!」スタンプに値するのではないだろうか。そして、Novaの不振が誰にも予想できないサプライズだったのも、この表から浮かび上がってくる。
自画自賛になるけれど、Smashlogでしかできない面白い”遊び”ができたと思う。評判が良ければ次のシーズンでも企画していきたい。
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Topic4: CRL Westが開幕を延期(5月23日→5月30日)
CRL East 2020 SSは幕を閉じ、次のシーズンはおそらく秋ごろ開始と思われるが、詳細はまだ明らかにされていない。期待して待つとしよう。
それまでは、”もう1つのクラロワリーグ”ことCRL Westを楽しんでいきたい。・・・のだが、残念なことに、CRL East閉幕と同日の5月23日に予定されていたCRL West 2020 Springの開幕は直前になって延期が発表された。新しい開幕日は1週間後の5月30日。詳細は不明ながら、”技術上の問題が発生したため”とのことだ。もう少しだけ首を長くして待とう。
CRL West 2020 Springの観戦ガイドやチーム・選手紹介も弊noteでご用意しているので、待ち時間や予習のお供に使ってほしい。
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Topic5: 2020年も「STAGE:0」の夏が来る
2019年の初開催に続き、今年も”esportsの甲子園”こと「STAGE:0」の開催が正式に発表された。採用タイトルは昨年と同じく、「クラロワ」「フォートナイト」「リーグ・オブ・レジェンド」の3ゲーム。新型コロナウィルス(COVID-19)の影響で今年はすべてオンライン開催となる。
クラロワ部門のスケジュールはこの通り。同じ高校の”3人1組”が参加条件で、同じ選手が複数のゲーム部門に参加することはできない。ただ、同じゲーム部門に同じ高校から複数チームが参加するのはOKとなっている。エントリー手続きや、こまかいルールについては公式サイトをご確認あれ。
このご時勢に大会開催を決めた英断に感謝!
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Topic6: FAVのけんつめし、賞金全額を寄付
5月26日、リーグ優勝したFAV gaming所属のけんつめしが、優勝賞金の個人分全額を #コロナ医療支援募金 へ寄付したことを自身のTwitterで発表した。同時公開した動画の中では『やらない善よりやる偽善』『色々ほしいものはあるけれど、一番いい使い道をしたと胸を張って言いたい』と語っている。
実はチームメイトのX-Bow Masterも、3月のNTWorldsという国別対抗戦に韓国チームで準優勝した際に、賞金を全額寄付することを表明していた。
若い世代に影響力を持つ彼らプロesports選手たちが、社会の問題であったり自分たちを取り巻く環境を意識した発言・行動をすることの意味は決して小さくない。最近の若いもんは本当に偉いなあと素直に思う。敬服。
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P.O.Match9(Semi-Final): KIX Team 1-3 FAV gaming
・Set1:KIXのBenZerがいきなり3タテ(今季延べ10人目)。施設特効もちのクエイク全盛環境にもかかわらず、Game2では迫撃ムートデッキを採用。
・Set2Game1:
・Set3:BenZerとJACKの高度な駆け引き。JACKが2.9クロスでGame1を取れば、BenZerがロイジャイクエイクでGame2を取り返し、今度はJACKがペッカバルーンを投入してGame3にお返しする。Game2の不利な状況でのJACKのあまりに華麗な防衛に、
・Set4Game1:スケラのOnionに対し、X-Bow Masterは吹きゴブを採用。
・FAVはKIXに勝って、この直後におこなわれる決勝への進出を決める。公式戦3戦3敗の相手に”四度目の正直”成るか? やぶれたKIXもリーグ3位はチームにとって過去最高成績。次のシーズンこそ頂点を狙う。
▽Set1
▽Set2
▽Set3
▽Set4
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P.O.Match10(Final): W.EDGM 0-3 FAV gaming
・Set1:決勝にふさわしいシーソーゲーム。殊にSet1Game5のSoloman vs X-Bow Master戦は今季ベストゲーム候補入り確実の大接戦!
・Set2:ノリノリの”ドズ岸”劇場。
・Set3Game1:前衛にメガナイトをつけたラムライダーの謎のステップ。
・FAVがCRL公式戦3連敗中の宿敵W.EDGMに”四度目の正直”で初勝利し、初優勝を手にした。ファイナルMVPにはX-Bow Masterが選ばれた。W.EDGMはこれがCRLで4度目の”銀メダル”。”シルバーメダルコレクター”のジンクスは、来季こそ払しょくしたい。
▽Set1
▽Set2
▽Set3
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+ 試合結果/Results
・残った3チームのいずれが勝っても初のタイトル獲得となる決戦の1日。準決勝(P.O.Match9)と決勝(P.O.Match10)をFAVが2連勝して、優勝まで駆け抜けた。
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+ 表彰/Titles
優勝:FAV gaming(日本)
ファイナルMVP:X-Bow Master(FAV)
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+ 順位表/Standings
便宜上「順位表」という名前だが、各チームの傾向と性格を分析するために作った表。勝率(W%)順にソートしたが、「順位」の欄にはプレイオフの結果を書き込んだ。
・KOH最強は77.8%(7/9 Set)で、Talon。
・TPD最強は66.7%(6/9 Set)で、TTG。
・1on1最強は77.8%(7/9 Set)で、W.EDGM。
全Setで勝率50%を越えていたのは、FAVとPONOSの2チーム。
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+ 個人成績/Player Rankings
当noteでは、その週だけの表と累積の表の2種類を掲載してきた。
▼P.O.Week3のみ
Playoffs Week3で活躍が目立った選手たち。
・けんつめし(FAV)今週5W1L、6クラウン
・X-Bow Master(FAV)今週6W2L、6クラウン
・BenZer(KIX)今週4W2L、4クラウン、KOH3タテ
▼通算個人成績(Week1-4 & P.O.Week1-3)※ゲーム勝率順
レギュラーシーズンとプレイオフを通算した個人成績。
・ゲーム勝率1位(66.7%) KK(PONOS)、けんつめし(FAV)
・ゲーム勝利数1位(25ゲーム) D.King(TTG)
・セット勝利数1位(12セット) Line(Talon)
・獲得クラウン数1位(29) D.King(TTG)
・KOH部門 ゲーム勝利数1位(15) KK(PONOS)
・TPD部門 ゲーム勝利数1位(13) けんつめし(FAV)、D.King(TTG)
・1v1部門 ゲーム勝利数1位(13) X-Bow Master(FAV)
▼通算個人成績(Week1-4 & P.O.Week1-3)※ゲーム勝利数順
シーズン最後ということで、ゲーム勝利数(G+)でソートした表も。
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