クラロワリーグ | CRL East | 2020-SS-W3 | スコアブックWeek3. 日本の鬼門TPD
PO3 | スコアブックP.O.Week3.Week3は日本勢に試練。PONOSは今週2戦2敗で最下位に転落し、FAVも星を落とした。鬼門になっているのは、今季から導入されたあのSetだ。
●
『クラッシュ・ロワイヤル』の公式eスポーツリーグ「クラロワリーグ イースト」(Clash Royale League East)2020年 スペシャルシーズン(SS)のWeek3(2020.4.18-19)までが終了した。本noteでは、”より資料的によりマニアックに”、世の中に流通する情報を網羅する勢いでCRL Eastレポートを毎週連載している。
Smashlogでの”今週のCRLを短い時間でざっくり把握できる”リーグ連載記事ともども、よろしくお願いします!
◆
イースト週間レポート(by Smashlog)
「Smashlog」で連載中のCRLレポートの第3回(Week3)。
早くも今週末のWeek4で今季のレギュラーシーズンは最終週を迎える。その先に待つプレイオフのFormatと、4位と5位とでは大違いであることについて徹底解説してみた。ざざっとでも目を通してもらえればと思う。
Week4だけは、金・土・日の3日開催なのにもご注意!
◆ ◆
Topic1: 日本の鬼門”TPD(トリプルドラフト)”
Week3が終わって、日本のFAVは4位(2勝2敗)、PONOSは最下位の8位(0勝4敗)と苦しんでいる。その最大の原因は、Set2のTPD(トリプルドラフト)に勝てていないことだ。
昨季までのクラロワリーグにおいて、日本チームの長所は2on2(協力バトル)に強いことだった。2018年にリーグが発足するまで、2on2というバトルモードは真剣勝負の場で採用されることがなかったが、日本チームはいち早く適応し、練習方法も確立して、CRLの世界で優位性を保ってきた。
しかし今季CRL East 2020 SSにおいて、この2on2が廃止されることになり、その優位性は消えた。そして、代わりにTPD(トリプルドラフト)というこれまで競技シーンで扱われてこなかったバトルモードが新規採用されることになって、横一線のヨーイドンで適応力が問われることになった。いまのところ、日本選手は大きくおくれを取っている。
上表の通り、Week3までにセット勝利を挙げることが出来た日本選手は、天GOD(PONOS)ただ一人である。しかも、それはJACKとの日本人対決での結果だった。起用された選手の数を見ると、FAVとPONOSは、チームで誰をこのセットに据えるべきなのかも定まっていない様子だ。
色々な選手を試すべきなのか、固定して経験を積ませるべきなのか、とにかく練習の数をこなすべきなのか、研究班の分析がカギを握るのか・・・。悩みは多く、残された時間は短い。
プレイオフに向けて、選手・コーチ・アナリストらチーム全員の力を結集した巻き返しに期待をしたい。
◆ ◆
Topic2: 日本語配信の変遷にみるCOVID-19対策
新型コロナウィルス(COVID-19)の影響でリアルスポーツのイベントが中止や延期を余儀なくされる中、一見無縁そうなeスポーツにおいても影響を受けているオフライン大会は多い。クラロワリーグでも、2020 SSのリーグ設計から見直してなんとか開催にこぎつけたが、刻々と変化する情勢の中で毎週のように追加の対応策を余儀なくされている。
4月16日に日本政府が「緊急事態宣言」対象地域を全国に拡大したのを受けて、遂にWeek3からは日本語配信の実況・解説がリモート実施に切り替えられることになった。
▽Week1(ソーシャル・ディスタンス)
▽Week2(with マスク)
▽Week3(テレワーク)
表には出てこないけれど、”中の人”たちの涙ぐましい尽力によって今季のクラロワリーグもリーグの放送も成り立っていることが伝わってくる。感謝の気持ちしか芽生えない。
明らかに全力を尽くしてくれている人たちに対して、不平不満のみをぶつけるというのは非常ーに美しくない。リーグや選手をサンドバックと勘違いしてる輩を見かけると本当に残念になる。
即ブロック、即ミュート安定。相手にしないでおきましょう。
◆ ◆
Topic3: 中継画面談義。クールさと分かりやすさと
Week3の中継時にponta氏(クラクラブロガーにしてSupercellクリエイター)がこんなツイートを発信した。ponta氏は2018年、2019年とファミ通Appでリーグの記事を書いてきた経歴の持ち主でもある。
個人的にはクールさと分かりやすさのバランスがいい画面だと感じていたので少し意外だった。だけど、自分の観戦歴を考えれば物差しがマニア寄りに傾いていることを差し引かないといかんか、との気づきを得た。
それでもう一度じっくり今季の中継画面を点検してみて、気づいたことが2つある。1つは視認性の面で改善点があるなということ。
▽CRL East(2020年)
画面左から、対戦チーム・獲得セット数の表示列、セット進行状況と結果、現在進行中のセットの表示列が並んでいる。特にこの黄色いバーに白い文字という色づかいと文字サイズのせいで、視認性がよくない。スマホの画面ならもっとだろう。結果表示の「3:1」「1:2」というのも、ここだけ横並びなので(どっち?)と疑問になりやすい。カッコいいのに惜しい点である。
もう1つは、統合リーグCRL Eastの画面が旧CRL Chinaの系譜にあるということだ。旧CRL Asiaの画面に慣れた身としては、少し適応が要るのだ。
▽CRL China(2019年)
▽CRL China(2018年)
▽CRL Asia(2019年)
▽CRL Asia(2018年)
こう並べてみると、真ん中に試合画面があるのは同じだが、選手映像を左右のどちらに置くか、試合の進行状況をどちら側でどう表現するか、加えて情報の量に違いがあることがわかる。”CRL East(2020年)”の画面は、”CRL China(2019年)”の画面に最も近い。これは慣れの問題なので、時間が解決してくれるだろう。
”CRL East(2020年)”の画面が過去シーズンと比べても、ポップでわくわくするデザインなのは確かだ。今季中の修正はまずないと思うが、次のシーズンに向けて、視認性やユニバーサルデザインの面で修正がされれば更に良い放送画面になりそうである。
◆ ◆ ◆
W3D1M13: PONOS 1-2 Nova Esports
・Week3から日本語配信の実況・解説はリモート体制に。
・Set1Game1:”天GODはジャイが上手い”の天GODがジャイで勝つ。QED。
・Set1Game3:Little Chenは「ゴブジャイ・スパ」デッキのサブユニットにトルネ・ウィズを組み合わせる珍しい取り合わせ。これが功を奏する。
・Set1Game5:先週のMatch11のFAV戦で似た流れになり、X-Bow Masterに逆3タテを喫しているPNS。嫌なイメージに負けずに、リードしても焦らず落ち着いてKKが勝ちきる。
・Set2Game1:Lciopのディガーがいちいち上手い。ライキも惜しかった...
・Set3Game2:Set1Game3につづいてLittle Chenのウィズ入り「ゴブジャイ・スパ」デッキがさく裂する。ひょっとしてウィザードって強キャラなのでは・・・?
◇
◆ ◆ ◆
W3D1M14: Team Timing 1-2 W.EDGM
・Set1Game3:エース対決はHigerの勝ち。Higherは「ホグ・クエイク」のクエイクを毎回Sadoのボムタワーに的確に合わせていく。ラストの砲士の位置も読みが効いていた。
・Set1Game5:序盤はNuriが「ディガー・スケバレ」でリードしていくが、エリクサー2倍タイムに入って攻守交替。「スケラ・ポイズン」に攻めトルネを交えて攻めるSolomanが逆転勝ち。
・Set2Game2:Solomanがまさかの「エリートバーバリアン」採用! 「エリクサーポンプ or ボンバー or エリートバーバリアン」の3択だったそうだ。尚CRL Chinaでは一度も出番がなかったため、これが759日目にしての初登場になるらしい。
実況・岸「全くエリートじゃありません」、解説・ドズル「ちょっと今日はエリート感ないですね」。今日だけだろうか?
・Set3Game2:3クラウン負け目前のHigherが、”大どんでん返し”の逆転3クラウン勝利! これがあるからクラロワは怖いし、面白い。
◇
◆ ◆ ◆
W3D1M15: TTG 2-1Talon
・Set1Game1:TLN新加入の16歳、Geraltデビュー戦。しかし、手札とエリクサーを読み切ったD.Kingの”逆サイ橋前スパーキー単体出し”が3発もタワーに撃ち込むスーパープレイにやられる。1-1からの”逆サイミニペ単体出し”の判断もすごかった。
・Set1Game4:枯渇デッキにスケバレを加えた超枯渇デッキのBlizzardが押しまくる。対空カードの少なさは回転力で補ってバルーンを防ぎきる。
・Set3Game1:Blizzardが採用したのは「エリゴレ・ヒーラー」に「レイジ」を加えた、巷で噂の”クラロワサービス終了デッキ”。しかしタイミングよくAUKにスケルトンラッシュを決められ、あえなくグッドゲーム。残り試合時間1:27での決着は、CRL Asia 2019 S1 Week5 Match39、Rolaporon-JACK戦の残り試合時間1:33に次ぐスピード記録。
◆ ◆ ◆
W3D2M16: Talon 2-0 PONOS
・シーズン未勝利同士の7位と8位の対決。初勝利できたのはTLNだった。
・Set1Game5:Wバレルの高回転枯渇で攻めまくるBlizzardと、枯渇の名手としての意地と経験でいなすKKという互角のやりとり。KKのメインウェポンであるロイジャイを出す隙すら与えず押しまくったBlizzardの勝ち。
・Set2:ゴレ対ババ小屋のGame1、ラム対バルーンのGame2、ペッカ対ジャイのGame3と、TPD(トリプルドラフト)におけるピックの重要性を改めて痛感させられるBO3だった。
◇
◆ ◆ ◆
W3D2M17: Nova Esports 1-2 TTG
・回線の不調や中国会場のトラブルで度々進行が遅延する。試合後半には解説・いけだの通信問題も発生。だが運のよいことに、日本語配信の実況は安心と実績のkuroebi(海老江)。繋ぎもフォローも慣れたものである。
・Set1Game3:守り合いは互角ながら、届かないバルーンと毎回1発は届くホグの差がじわりじわり積み重なって、残り時間0:01での決着を見る。
・Set2Game2:ドラフトと思えない好ゲーム。負けはしたがLciopのTPDも仕上がってきている。
・Set3Game2,Game3:印象的だったのはAUKがスケルトンラッシュを展開するタイミング。相手がロイジャイを切った瞬間などの防衛も攻撃も中途半端になってしまうクリティカルなタイミングで毎回刺していった。恐ろしい。
◆ ◆ ◆
W3D2M18: FAV gaming 0-2 KIX Team
・Set1:翌日4月20日が誕生日のJayTV、今季初出場を果たす。
・Set1Game5:「ゴブジャイ・スパ」で形を作ったり、左右に振ったりと変幻自在に攻撃を組み立てるX-Bow Masterと、「ディガー・ガゴ」でコツコツ削るiSlawの互角の戦い。両者勝ちにしてあげたくなるのはこういう時だ。
・Set2Game1:BenZerが「ジャイ・ダクネ・ハンター」とドラフトらしからぬ完成度のピックに成功するが、X-Bow Masterも「ラム・クエイク」と負けていない。明らかに毎週EastのTPDのレベルが底上げされていってる。
◇
◆ ◆ ◆ ◆
+ 試合結果/Results
・Week2の日程に2試合があった4チームのうち、TTGが2勝、PNSが2敗。
・今週の日本勢は、PONOSが2敗、FAVが1敗。_:(´ཀ`」 ∠):_ ...
◆ ◆ ◆ ◆
+ 順位表/Standings
・Week3は7位と8位が入れ替わったのみ。
・これは苦言なのだけれど、4位と5位については公式情報でも入り乱れていて、どっちが正しいのかよく分からない。
以前から何度も書いているけれど、この順位判定ルールも含めた「CRLルールブック」の公開を公式さんには真剣に検討してもらいたい。
▽公式YouTube(日本語)
▽公式YouTube(英語)
▽公式サイト
▽公式サイト(中国語簡体字)
◆ ◆ ◆ ◆
+ 対戦成績/Head to Head(by CRL Pocket)
・先週時点で2位・3位・4位相手に勝利していた1位のW.EDGMだが、今週は5位にも勝利。レギュラーシーズン全勝勝ち抜けも見えてきた!
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
+ 個人成績/Player Rankings
その週だけの表と累積の表の2種類を掲載している。
▼Week3のみ
Week3はWeek1につづいて、旧CRL China勢の活躍が目立つ週となった。
・D.King(TTG)今週6W2L、9クラウン
・AUK(TTG)今週5W3L、8クラウン
・Little Chen(Nova)今週6W4L、7クラウン
▼Week1-3通算
・Soloman(W.EDGM)はゲーム勝率・獲得クラウン・セット勝利数の3部門でEast 1位。ゲーム勝利数1位は15でSado(TT)。iSlaw(KIX)はゲーム勝率で同率1位、D.King(TTG)は獲得クラウンで同数1位。
・日本選手の最上位は、ゲーム勝率がKK(60.0%)、ゲーム勝利・獲得クラウンがJACK(7W・7CR)。
・シーズン途中で選手から監督へ登録変更されたHaul(TLN)を除けば、Week3までに出場がなかったのは、Aurora(Nova)とSia(W.EDGM)の女性選手2人。レギュラーシーズン最終週Week4に2人の出番はあるか?
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
+ 週間MVP(by CRL East China)
・CRL East(中国語簡体字)のサイトが選ぶ週間MVPは、TTGのD.King。今週Game:6-2、獲得クラウン:9、と大活躍した。
・開幕前はそこまで注目度の高い選手ではなかったが、新チームTTGのSet2:TPD(トリプルドラフト)不動のレギュラーとして、Set2勝敗:4-1、Set2Game勝敗:9-2という高勝率を残し、チームに大きく貢献している。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
+ 関連News
▽ファミ通App
▽Smashlog
▽CRL East(中国語簡体字)
▽AppGrade
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
+ 関連Blogs・SNS
▽CRL Watcher(KIB2)
▽らくログ(らくだ)
▽RoyaleAPI
▽China Royale Esports
▽みかん坊や
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
+ 公式戦アーカイブ/Youtube archives
▽ハイライト
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
+ リーグ情報/League Information
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
Good game !
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?