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クラロワリーグ | CRL World Finals | 2019 | 「クラロワリーグ世界一決定戦2019」スコアレポート

題名「1HP」、主演サジゴブ、上映6時間30分、一夜限りの特別公演。

『クラッシュ・ロワイヤル』の公式eスポーツリーグ「クラロワリーグ」(Clash Royale League, CRL) 2019年シーズンの世界一チームを決める公式大会「クラロワリーグ世界一決定戦 2019」が、12月7日(日本時間8日)に開催された。このnoteではWeb配信をライブで観戦してみてのスコアレポートをお送りしていく。一緒にざっくりあの日をふりかえっていこう。

関連note(クラロワリーグ | CRL World Finals | 2019):
「クラロワリーグ世界一決定戦2019」観戦ガイド
https://note.com/kabutom/n/na5a8cc9e6b41
7大予想:今年のCRL世界一決定戦を色々予想してみる
https://note.com/kabutom/n/n5d139ea0ef1a
出場チーム紹介(1/6) FAV gaming
https://note.com/kabutom/n/nec285eaf931a
出場チーム紹介(2/6) OGN ENTUS
https://note.com/kabutom/n/ndee1401c2861
出場チーム紹介(3/6) Team Liquid
https://note.com/kabutom/n/n279bc8a83397
出場チーム紹介(4/6) SK Gaming
https://note.com/kabutom/n/n726b1ee4a8a7
出場チーム紹介(5/6) W.EDGM
https://note.com/kabutom/n/nbbcca7af9d2d
出場チーム紹介(6/6) NOVA
https://note.com/kabutom/n/nf04820b4da76
「クラロワリーグ世界一決定戦2019」スコアレポート
https://note.com/kabutom/n/n756c2c32c02a
「クラロワリーグ世界一決定戦2019」トピックス
https://note.com/kabutom/n/nc54e5ac21f6c


Recap

2019年シーズンの世界一チームを決める公式大会「クラロワリーグ世界一決定戦 2019」が、12月7日(日本時間8日)にアメリカのロサンゼルスで開催された。会場は、Shrine Auditorium and Expo Hall(シュライン・オーディトリアム&エキスポホール)。入場チケットの価格は20 USDだった。

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この日のためだけの特設会場は、地元CRL Westで使われていた青と赤のタワーが見合う配置。中央には正方形のモニター兼ステージが鎮座する。大きなサプライズはないものの、2017年ロンドン大会、2018年東京大会からの流れをくんだ堅実な舞台づくりとなった。

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今大会の試合結果はこの通り。

優勝は、CRL West代表のTeam Liquid。中心選手で世界的人気者のSurgical Goblinが大会直前まで出場が危ぶまれるトラブルに見舞われる中、それすらパワーに換えるかのような劇的な勝ち上がりだった。今大会がデビューとなった超大型新人Egorの強心臓とスキルフルなプレイにも、世界中のクラロワファンの目が釘付けにさせられた。試合結果・試合内容・ドラマ性と三拍子そろった文句のつけようのない優勝劇だったことに異論のある人はいないだろう。個人的にも約6時間半という長丁場がとても短く感じられた。

日本チーム、CRL Asia代表のFAV gamingは準決勝第2試合(Match 4)に登場したが、CRL China代表のW.EDGMにストレート負けを喫し、ベスト4で敗退。Seeding Tournamentで第2シードを勝ち取ったことで俄然期待と注目が高まっていただけに、なんとも残念な敗退だった。
ただ、今季S2のCRL Asiaをふりかえれば、アジア各チームのレベルアップもあって”今年の世界大会に日本チームが1チームも出られない”という状況は十分に起こり得た。そうなっていたらこの日は随分と静かな、体温で言えば平熱の1日になっていたはずだった。世界大会の出場権を勝ち取り、しかも第2シードまでもぎとってみせたFAVに対して、わくわくどきどきした時間を僕らにくれてありがとうという気持ちこそあれ、責める気持ちにはなれない。


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Pre-Event:Seeding Tournament

12月7日の本大会に先駆けて、12月3日に「Seeding Tournament」が非公開で行われた。「Seeding Tournament」とは、本大会のシード順や対戦カードを決めるための予選のようなもので、各チームの代表者による1v1の1回戦総当たり形式で競われた。今年は昨年とちがってマッチごとに代表者をチェンジすることが許されたそうだ。

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「Seeding Tournament」の結果で決まった本大会のトーナメント表がこちら。なんと日本のFAVが第2シードを獲得する快挙を成し遂げた。1v1エースのJACK(FAV)が5試合すべてに出場し4勝1敗という好成績をあげたのだ。これは非常に大きい。第1シードの方は”今大会の大本命”SKが順当に確保した。

惜しむらくは、世界の頂点に立っている選手たちのガチのオフライン直接対決がライブ中継もされなければ、アーカイブ公開どころかダイジェスト公開すらされなかったこと。結果一覧(下表)が公式からツイートされたのと、本大会のライブ配信時に冒頭でちょろっとその時の様子が流されたのみである。なんとモッタイナイことか・・・

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Match 1: Quarter Finals-1

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2019年12月7日正午(日本時間8日午前5時)、アメリカのロサンゼルスにて本大会の幕は開けた。第1試合は、Team Liquid(CRL West 2nd・オランダ)対OGN ENTUS(CRL Asia 1st・韓国)。VISAの問題で参加が一時絶望視されたSurgical Goblin(TL)だったが、ギリギリで会場に駆けつけることができた。

Set1、そのSurgical Goblinがさっそく2v2で登場する。S1はKaNaRiOoo (TL)と組んで2v2のメインを張った彼だが、今季S2は主に1v1で出場していた。しかし、Set1Game2の怒涛のホグラッシュでの逆転劇はまさに阿吽の呼吸。公式戦で久々にコンビを組んだとはとても思えない連携力で、TL先制。
Set2、Game1の”ラヴァ・ミラー”、Game3の”スケラ・ミラー”の2つのミラーデッキ対決を制したTNT(OGN)の勝利。OGN追い着く。
Set3のKOHは、Egor(TL, イーゴー)の独り舞台。彼はゲーム内のグローバルランキングで1位を何度も取ったことがある実績の持ち主ながら、9月に16歳になったばかりと若く、CRL公式戦への出場もこの世界大会がデビュー戦という注目の大型新人だった。ふたを開ければ、ディガーの入った3種のデッキで3連勝!どういう心臓をしているのか・・・。勝ったTLが準決勝へ進出。


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Match 2: Quarter Finals-2

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第2試合は、前年王者NOVA(CRL China 1st・中国)対W.EDGM(CRL China 2nd・中国)。同国同リーグのライバル対決”チャイナ・ダービー”となった。

Set1、CRL Asiaの2v2では2人のメインウェポンをそろえるデッキ構成(”Wロイジャイ”だったり”Wラヴァ”だったり)が主流なのだが、この試合は両チームから”非対称”なデッキが飛びだしていく。これぞ世界大会。
Set1・Set2を続けて取ったW.EDGMが準決勝へ進出。今季S2、レギュラーシーズンで独走の1位を飾りながらプレイオフでNOVAに屈し最終的に2位だったW.EDGM。この大舞台で遂に、遂に大きな壁を乗り越えた。実況・岸の「NOVAは二連覇ならず。初めてNOVAが敗れました」の言葉は観戦していた世界中のファンの気持ちを代弁してくれた。巨星墜つ。


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Match 3: Semi Finals-1

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第3試合は、SK Gaming(CRL West 1st・ドイツ)対Team Liquid(CRL West 2nd・オランダ)。同リーグのライバル対決、今度は”ウェスト・ダービー”だ。今大会大本命、SKの登場である。

Set1、第1試合で圧倒的な連携を見せたTLペアを、SKのドイツ人コンビが淡々と粛々と屠っていく。1v1やKOHが強すぎて目立たないだけで、SKは2v2も恐るべき練度なのだ。SKが先制。
Set2、現”世界最強”プレイヤーの一角Javi14(SK)に、第1試合で強烈なデビューを飾ったばかりのEgor(TL)が挑む。全世界のクラロワファンが喉から手が出るほど見てみたい対決がここで実現。くうーーっ。特にタイブレーカー決着までもつれたSet2Game2は、期待にたがわぬ珠玉の一戦となった。勝ったTLがKOHに持ち込む。
Set3のKOH。”世界的エースしかいない勝ち抜き戦”は、KaNaRiOoo(TL)が2連勝でAll Kill(3人抜き)と試合に王手をかけるや、Morten(SK)がそれを阻んで2連勝し逆All Killに王手をかける。MortenSurgical Goblin(TL)の大将戦はタイブレーカー決着に持ち込まれ・・・。勝負を分けたタワーダメージの差は、なんと「1HP」?!?!

この日クラロワ界に新たな伝説が生まれた。そして、TLは決勝へ進出。


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Match 4: Semi Finals-2

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第4試合は、FAV gaming(CRL Asia 2nd・日本)対W.EDGM(CRL China 2nd・中国)。今大会出場6チーム中6番目に登場するのは日本期待のFAV。日本時間でライブ中継が始まったのが午前5時、それから約4時間が過ぎての大トリであった。

Set1、2v2で今大会出場チーム中最高勝率(Set:86%・Game:72%)を誇るけんつめし&きたっしゃん(FAV)ペアが登場。Game1を先制するが、勝ちを焦るかのような過剰気味の防衛でGame2を落とし、立て直せないままGame3も開幕早々巨大スケルトンを通してしまう痛恨。あまりに”らしくない”戦いぶりだった。
Set2、先日の「Seeding Tournament」に1人で4勝1敗と大暴れしチームへシード権をもたらしたJACK(FAV)が登場。相手はその時も対戦し、2-0で破っているHigher(W.EDGM)。しかし、Game1にホグライダー徹底警戒デッキでHigherが主導権を取ると、Game2も終始攻勢なまま押し切った。

W.EDGMは第2試合に続きこの試合もストレート勝利。下馬評も高くなく、「Seeding Tournament」でも全敗し6チーム中第6シードに甘んじていた彼らだったが、この本大会で意地を見せた。W.EDGM、決勝進出。


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Match 5: Finals

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第5試合は決勝戦グランドファイナル。Team Liquid(CRL West 2nd・オランダ)対W.EDGM(CRL China 2nd・中国)。同チーム数、同形式で行われた昨年大会は第1シード・第2シードが決勝に進んだが、今年は1回戦から勝ち上がった2チームの激突となった。決勝のみBO5形式で行われる。

Set1、すごい2v2のBO3を見た。解説・ドズルが「素晴らしい呪文の連携でした」と評する鮮やかさでTLペアがまずGame1を先取。早速対策をインストールしたW.EDGMペアが優勢に試合を進めるGame2だが、TLペアがラストアタックで”あわや”という攻撃を見せる。しかしHP48届かず、W.EDGMペアが勝利。1-1で迎えたGame3は、両チームGame2とほぼ同じデッキを連続採用。試合展開もGame2と同様W.EDGMペアがダメージリードを取るのだが差が開かないどころか、残り1分でTLペアがぴったり同数に追いつく。最後は勢いの差が出た。Set1、TLが勝利。

Set2・Set3・Set4は1v1の三連戦。Set2をKanaRiOoo(TL)、Set3をSoloMan (W.EDGM)が取ったあとのSet4に登場するのは、Egor(TL)ではなくSurgical Goblin(TL)。ここでこの男が登場するのか、今大会の主役はやはり・・・と会場も視聴者も皆が予感する中、千両役者がBO3に逆転勝利してのける。

TL 3-1 W.EDGM
2019年のクラロワリーグ世界チャンピオンはCRL West代表Team Liquid


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Rankings

本大会の個人成績などのランキングを見ていこう。世界大会本番の5試合のみを対象とし、Seeding Tournamentの結果は含めていない。

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▲World Finalsの「個人成績(Total)」。ゲーム勝率(G+%)順のTop10。
ゲーム勝率1位は超新星Egor(TL)。2位は「1HP」に泣いた側のMorten(SK)。「1HP」に笑った側のSurgical Goblin(TL)は5位。1v1では3戦2勝のHigher (W.EDGM)が目立つ。 

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▲World Finalsの「個人成績(Total)」。ゲーム勝率(G+%)順の全選手。
Lciopがいて、JACKがいて、Javi14がいて・・・。彼らが今年の世界大会で勝者になれなかったのは客観的な事実だ。しかし、あの場に立ったこと、この表に名があること、活躍できなかったことにニュースバリューがあること、そのすべては彼らが一流である証。・・・恥? 勲章の間違いでは。

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▲World Finalsの「個人成績(Total)」。獲得クラウン数(CR+)順のTop10。
「ファンタジーロワイヤル」に向けて、獲得クラウン数でソートしなおした。1位はKaNaRiOoo(TL)。チームメイトがド派手に活躍しすぎて印象度では脇役を務めたが、その貢献度はMVP級である。

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▲World Finalsの「BANカード選択状況」。
2v2のBAN傾向に大きな異変は起こらなかった。トルネ+ポイズンBANの魔境環境も発生せず。


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Youtube archives


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League Information

クラロワリーグ アジア Clash Royale League Asia, CRL Asia
Official HP(JP/EN/CN/KR)
http://crl-asia.com/jp/
Official twitter(JP)
https://twitter.com/ClashRoyaleJP
Youtube(JP) クラロワリーグ アジア
https://www.youtube.com/channel/UCtECyE5fuzAqMi1zNLnttIg/featured
Youtube(EN) Clash Royale League Asia
https://www.youtube.com/channel/UC93yASowKvnrUpvWsCe4F7A/featured
Youtube(CN) 皇室戰爭職業聯賽 亞洲賽區
https://www.youtube.com/channel/UCpmxCb5IK9HrN91zqGIt20w/featured
Youtube(KR) 클래시 로얄 리그 아시아
https://www.youtube.com/channel/UCHckjM64zrnMdB-D8cvuPew/featured
クラロワリーグ チャイナ Clash Royale League China, CRL China, CRL CN
Official HP(CN)
https://www.crlcn.com/#/
https://m.crlcn.cn/#/
Official HP(EN)
https://esports-clashroyale.sc.qq.com/en/china/
Live streams(CN)
https://www.douyu.com/topic/CRL
http://www.huya.com/supercell
etc.
Archives(CN)
http://v.qq.com/vplus/c24b81a3ca5cded388e571edd1335386
https://space.bilibili.com/204335848/video
クラロワリーグ ウェスト Clash Royale League West, CRL West
Official HP(EN/DE/FR/ES/PT)
https://esports.clashroyale.com
OGN HP
https://www.ognesports.com/leagues/clash-royale-league-crl-west/
Official twitter(EN)
https://twitter.com/EsportsRoyaleEN
Official twitter(ES)
https://twitter.com/EsportsRoyaleES
Official twitter(PT)
https://twitter.com/EsportsRoyaleBR
Official Youtube(EN/ES/PT)
https://www.youtube.com/esportsroyale


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