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【詩】雲の王国

街が壊れて 驚いたままの私
それきり何も言わなくなったあの子
二人で家を作るの
砂場で 積み木で 道に転がってるガラクタで
ガラクタみたいになった街を

レンガみたいに絵本を積んで家を作った
「今度は二人中に入れるようにしましょう」
けれどそんな大きなものは作れない
いくら作っても思いの大きさには届かない

あの子は青い絵本を集めて積み上げた
私はその上に白い絵本を集めて積み上げた
あの子が初めてつぶやいた
「入道雲のお城みたい」
それは幸せな思いなの?

夏になるとワクワクするほど
空は青くて 雲は大きい
そこにみんながいることは幸せなことなの?
あの子は今どうしているの?
空はとても明るいけれど


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