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政策金利とは

お疲れ様です、かぶ猫です。
今回は政策金利について。
併せて日銀の金融政策の仕組みにも触れる。


政策金利とは

中央銀行が設定する誘導目標金利のこと。政策金利の引き上げ、引き下げは、後述する金融政策により調節され、市中銀行の貸出金利などにも影響することになる。それでは見ていこう。


金融政策1:政策金利操作

まずは歴史の勉強から。

日銀から市中銀行への貸出金利を「公定歩合」といいます。戦後の日本の金融システムは、"護送船団方式"といって市中銀行の金利も法律で一律に規制されていたそうだ。これにより競争は起こらないものの、銀行の経営安定化が図られていた。
そのため当時は、「公定歩合」の引き下げ・引き上げに、市中銀行の金利も一律で連動しており、公定歩合=政策金利となっていたそうだ。

その後、経済成長や構造変化に伴い、1994年に「金利自由化」が完了し、それぞれの市中銀行が独自に金利を決めて貸し出しを行えるようになった。これにより公定歩合と市中金利は連動しなくなり、この方法でコントロールすることはできなくなったのだ。

その後は今日まで、それまでは日銀からお金を借りていた市中銀行間同士で貸し借り行うようになった。

現在では、「その日の決済で不足した分を1日だけ他の銀行から借りる」というような、ごく短期間の取引の金利である無担保コールレートが政策金利となっているそうだ。

余談だが、「公定歩合」は「基準貸付利率」に名称を変更し、事実上の金利上限としての役割を担っている。(無担保コールレートが基準貸付利率より高くなると、市中銀行間で貸し借りするより日銀から資金を借りる方が安くなってしまうためだ。)


金融政策2:預金準備率操作

市中銀行は、預金残高の一部を日銀に預けておかなければならない。これを「準備預金制度」と言うそうだ。預け入れる割合のことを預金準備率といい、日銀はこの比率を変更して市中銀行の持つお金の量を調整する。

例えば、預金準備率を引き下げた場合は、その分市中銀行が所有する資金が増えるので、積極的な貸し出しが行われ、景気が刺激されることになる。ただし、1991年以降は比率の変更は行われていないそうなので、市中銀行は日銀に一定の金額を預けなければならないという制度があることだけ覚えておこう。


金融政策3:公開市場操作

英語では、「Open market operations」という。日銀は、政府が発行する国債等を公開市場において市中の銀行と売買することで、世の中に供給するお金の総量(マネタリーベース)をコントロールするのだ。これが現在の金融調節の主な手段となっている。

日銀が国債等を買い入れることを買いオペレーション(買いオペ)、逆に売ることを売りオペレーション(売りオペ)と言う。

マネー量がどう作用するかというと、②と理屈が似ていて、日銀の資金が市中に多く流れることで経済が刺激され、世の中のお金を日銀が回収するので、景気が引き締められるということだそうだ。

余談だが、日銀が政府から直接国債等を買わずに、わざわざ市中銀行とやり取りするのは、「市中消化の原則」という法律があるためらしい。

今回の記事作成に当たり、参考にした動画を紹介。

今回は以上です。


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