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話し言葉の書き方(Udemyコース用粗稿)

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Udemyコースにしようと思って書き始めた原稿を特別にnoteで公開します。
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2021年12月の記事一覧

話し言葉の書き方(Udemy用粗稿)㉕

いい文章が作れないUT05_04 文章を書くのが苦手、という人の中には 「自分は文章が下手だから」 と思い込んでいる人がいます。 そういう人は「書けるものならこんな文章を書きたい」というお手本のような作家や文筆家がいることもありますね。 相手はプロ中のプロですから、比べると自分の文章が下手くそに思えるわけです。 「いい文章が書けないのなら、いっそ書きたくない」 そんな思いでいる人はちょっともったいないですね。 いい文章を書こう、とするから書けないのかもしれませ

話し言葉の書き方(Udemy用粗稿)㉔

語彙が少ないUT05_04 「ボキャブラリーが少ないから、文章が書けないんだ」 という人がいます。 ボキャブラリーというのは、使える言葉の範囲ですね。 ボキャブラリーは少なくてもかまいません。 話し言葉は日常語をできるだけ使ったほうがよい、とお話しましたね。 だから日常語を使って文章を作っていきましょう。 難しい言葉を知らなくても文章を作っていいんです。 むしろ、そのほうが伝わりやすいんですよ。 文章をすらすら書く人はいろいろと難しい言葉を知っています。

話し言葉の書き方(Udemy用粗稿)㉓

内容が思いつかないUT05_03 「内容が思いつかない」というのは、本当じゃありません。 言いたいことがないのなら、文章を書こうとはしないはずです。 実は「内容がまとまらない」んだと思います。 この点への答えは、シンプルの原則です。 「一文一意」という言葉を思い出してください。 言いたいことひとつだけを、一文に書くんです。 最初は、思いつくままに文章をひとつひとつ書いていきましょう。 文章の順番は後から整えたらいいので、気にせずどんどん書いていくといいでしょう

話し言葉の書き方(Udemy用粗稿)㉒

文章が書きにくい3つの理由UT05_02 「私はどうも文章を書くのが苦手です」 という人がいます。 その人が極端に無口かというとそんなことはなく、話してみると話し好きだったりします。 話し言葉だったら普通に内容を伝えることができるのに、文章は書きにくい。 その理由はなぜでしょうか? 私には3つばかり思いつきます。 「内容が思いつかない」 「語彙、ボキャブラリーが少ない」 「いい文章が作れない」 この3つなんですが、これは全部その人の思い込みです。 なぜな

話し言葉の書き方(Udemy用粗稿)㉑

話し言葉は、わかりやすい書き言葉UT05_01 ここまでお話してきたことを理解していただいた方は、もうわかっておられるでしょう。 話し言葉は書き言葉にも応用ができる、ということを。 書き言葉と話し言葉は、どちらも同じ日本語なんです。 決して別の言葉ではありません。 ここまでお話してきたのは「話し言葉」を「書く」ということです。 それは、極めてわかりやすい書き言葉についての説明でもあります。 最近は、書き言葉で話し言葉のように表現する機会が多いです。 たとえば、

話し言葉の書き方(Udemy用粗稿)⑳

「です・ます」調と「だ・である」調UT05_04 話し言葉の基本は「です・ます」調です。 ナレーションとして考えても、「だ・である」調なのは、カッコつけた感じに聞こえます。 ドラマのドクターXのナレーションとか、「プロフェッショナル仕事の流儀」などのドキュメンタリーのナレーションが思い浮かびます。 どちらも、ちょっとカッコつけたナレーションじゃないですか。 私も、こうしたカッコつけたナレーションを狙って書いたことがあります。 でも9割9分は「です・ます調」で書いて

話し言葉の書き方(Udemy用粗稿)⑲

理解の順番を整理しようUT05_03 書き方のセクションで、文章の分割のしかたに触れました。 複文になってしまっている文章は「で」とか「が」など、接続詞の出てくる部分で単文に分割するとよい、と言いました。 複文は、いくつもの事柄を束にしてどかっと渡して来るイメージです。 受け取った人はそれを解いて、それぞれを理解しないといけないわけです。 それに対して、いくつかの単文に分解された場合は、ひとつひとつ手渡しするイメージです。 受け取った人は、渡された順番にひとつひと

話し言葉の書き方(Udemy用粗稿)⑱

やまと言葉を使おうUT05_02 日本語って複雑です。 というのは、日本語というものは、三重構造になっています。 まあ、外来語というものは、わかりますよね。 近代になって欧米から入ってきた言葉です。 欧米とはそもそも言語がちがいますから、だいたいカタカナで書かれます。 こうした欧米由来の外来語はわかりやすいです。 これに対してもうひとつの外来語ともいえるのが、漢語です。 漢語、漢というのは昔の中国大陸にあった国の名前です。 つまり、中国から伝わってきた言葉で

話し言葉の書き方(Udemy用粗稿)⑰

日常語を使おうUT05_02 じゃあ、話し言葉風に文章を書くには、何に注意をしたらいいのでしょう? 一番気にしたいことは、単語の選び方です。 できるだけ、日常語を使うようにしましょう。 日常語というのは、ふだんご家族と話をするような時に使っている言葉、と思えばいいでしょう。 すごいキャリアをお持ちの専門家であっても、ご家族とは専門用語を使って話をされているわけではない、と思います。 たぶんご家族と話をする時に使う言葉と、仕事の時の言葉は分けて使っているはずです。

話し言葉の書き方(Udemy用粗稿)⑯

書き方⑤ 形容詞は直前に置くUT04_06 形容詞というのは、おわかりですね。 後にくる言葉の状態をあらわす言葉です。 この文章の中では「美しい」という言葉が形容詞です。 ですが、この場合美しいのは「沖縄」なのか「海」なのか、どちらだと思いましたか? 解釈が二通りありえます。 「美しい沖縄」にある海、という解釈。 「沖縄の海」が美しい、という解釈。 日本人なら誰でも、沖縄の海が美しいことは知っていますから、見過ごしてしまいそうです。 でも、たとえば次の文章だ

話し言葉の書き方(Udemy用粗稿)⑮

書き方④ 文章の分割UT04_05 シンプルの原則を思い出してください。 話し言葉は「一文一意」 つまり一つの文章で一つのことだけを言うのが原則です。 書き言葉の文章がすでにあり、それを話し言葉に書き直す時の話をします。 その文章が、ひとつの文章の中で複数の事柄を言っている、つまり複文だったとします。 その時は、複数の文章に分割しましょう。 どこで分割するかというと、接続詞に着目です。 文章の途中に接続詞があった場合は、そこで文章を切り分けるといいでしょう。

話し言葉の書き方(Udemy用粗稿)⑭

書き方③ かな書きとルビUT04_04 書き言葉の場合もそうですが、漢字とかなの配分を工夫すると、読みやすい原稿になります。 この読みやすいということは、話し言葉の原稿では大事です。 ですから、書き言葉の場合より、かなの配分を多くします。 かっこよさより読みやすさ重視です。 書き言葉では漢字で書くような言葉も、開いてかなにすることがあります。 読みやすくするためでもあります。 しかし柔らかさを出すためのことが多いです。 字面で柔らかさを感じれば、読み手は柔らか

話し言葉の書き方(Udemy用粗稿)⑬

書き方② 句読点UT04_03 句読点というのは、句点、つまり文章を途中で区切るテンと、読点、つまり文章の最後につけるマルのことです。 前のレクチャーでお話したように、改行で息継ぎの箇所を指示します。 そうすると、句読点にはそんなに大きな意味はなくなります。 句点つまりテンは、息継ぎをするほどではないけど、ちょっとだけ間をおいてほしい区切りに入れます。 書き言葉の文章で入れる句点と、そんなにちがいはないと思います。 いっぽう読点。マルのほうは、読み方的にそんなに意

話し言葉の書き方(Udemy用粗稿)⑫

書き方① 改行UT04_02 声に出して読んでもらうための原稿は、ちょっと特殊な形をしています。 書き言葉と一番違うのは、改行の入れ方ですね。 書き言葉の原稿は、左右幅いっぱいまで書いてそこで自然改行が基本ですね。 文が終わるところでは行をあらためます。 話し言葉の原稿は、原則として読み方の区切りで改行します。 ブレスという言葉がわかりますか、息継ぎのことです。 文章が長くなったときは、どこで息継ぎをしてもらうか、改行によって指示をする。 息継ぎをするのには、