話し言葉の書き方(Udemy用粗稿)⑳
「です・ます」調と「だ・である」調
UT05_04
話し言葉の基本は「です・ます」調です。
ナレーションとして考えても、「だ・である」調なのは、カッコつけた感じに聞こえます。
ドラマのドクターXのナレーションとか、「プロフェッショナル仕事の流儀」などのドキュメンタリーのナレーションが思い浮かびます。
どちらも、ちょっとカッコつけたナレーションじゃないですか。
私も、こうしたカッコつけたナレーションを狙って書いたことがあります。
でも9割9分は「です・ます調」で書いています。
「だ・である」調だと、語り手が偉そうにしていると思われるからですね。
「です・ます」調のほうが柔らかく聞こえますから。
文章の途中で調子を変えたい時
ただ、文章の途中で調子を変えたい時があります。
たとえば他の人が言っている内容を、文章の中に入れ込みたい時です。
【元文】
地の文章も、引用された文章も「です・ます」調になっています。
書き言葉でみるとそんなに問題はなさそうに見えます。
でも声にして聞いてみると「彼」が言っていることと、話し手である「私」の言っていることが区別しにくく聞こえます。
【改良例】
引用された文章を「だ・である」調にしてみました。
地の文章と引用されたセリフの調子が異なっているのが、おわかりでしょうか。
こうすると、「彼」の主張が立って聞こえます。
引用する時などは「だ・である」調を使うと、そこだけ調子が変わって、理解しやすくなります。
文章のテンポを上げる時
「です・ます」調はていねいに聞こえる分、テンポが遅く聞こえます。
文章の一部に「だ・である」調を入れ込むことによって、テンポアップすることができます。
すると、ちょっとリズムが変わってきます。
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