色々あって離婚しました。 で、離婚するにあたり、決めた事をきちんと公正証書にして残すことにしたんです。 離婚届を出すのは、公正証書を作ったあと。 何度も行政書士さんとやり取りをして内容を決め、公証人さんのスケジュールを抑えて準備を整えました。 公正証書を作ったあと、その足で離婚届を出しにいきます。 いざ当日。 行政書士さんと、公証役場の入ったビルで待ち合わせ。 ビルの1階はいい匂いを漂わせたパン屋さんが入っていました。 わたし入籍します パン屋さんの名前です。 パン
京都に向かう特急電車の二人掛けシートがきっかけだった。 二人掛けシートの窓側に、パンツスーツにポニーテール、リュックを前に抱えて寝ている女の子がいた。 私はその隣の通路側に座る。 車内は静かで、電車の走る音を聞きながら、流れる景色を見て過ごす。 アナウンスがあり、次の駅に停車。 大型ショッピングモールや映画館がある駅だなと窓の外を眺めていると、首を垂れて寝ていた隣りの女の子が、ガバッと顔を上げて駅を確認、大慌てで私の前すれすれを通り降りていった。 すごい勢い。 まぁ、間に合
つらいことがあるとこの曲を思い出す。 できれば始めから聴いてほしい。 KAB.さんの「生活」。 「皮肉だけれど 何があっても 何一つ 無駄な物はない」 という歌詞がある。 この歌詞に何度も励まされ、何度も自分を納得させてきた。 今のこの状況は、無駄じゃない。 どんなことも無駄じゃないと。 あの日、化粧をしている最中に、鼻の穴の奥の方から白く突き出している毛、白い鼻毛を見つけた。 鏡に近づき、あごを上げ、鼻の穴を大きく広げ、確認する。 見間違いじゃない、確か
レジカゴバッグを買いました。 スーパーで一番もたもたする作業、 「カゴから袋に詰め替える」 から解放されるために。 できるだけパッと行ってパッと帰ったほうがいいこのご時世。 あのもたもた作業がなければもっとスーパーにいる時間は短縮できる。 時間帯によってはサッカー台渋滞も起こるし、何気にぷちイラッとが発令される。 スーパーのレジってだいたい ①商品を右の赤いカゴから取り出して ②真ん中でバーコードを読んで ③左の黄色いカゴに移す、をくり返して ④お金払っ
実家の食卓に小さいテレビがあって、その横には父がいる。庭の花を挿した花瓶とビールのミニ缶を脇に置いてもらい、いつも笑っている。 . 朝の通勤電車。 降りるまであとふた駅というところで、膝に置いた鞄からスマホの震えが短く伝わってきた。 あれ?おかしいな。 見ると母からの着信が残されている。 改札を抜け、地上に出てから折り返す。 着信のみでメールは入っていないけど、嫌な感じがする。 数回のコールで母に繋がる。 落ち着いて聞こう、落ち着いて話そう、何の電話やった?
"人生の軌道修正ができるのは上半期まで" "上半期の注意点は目標や目的を決めずなんとなく過ごしてしまうこと" ゲッターズ飯田さんの占いにこう書かれているし、しいたけ.さんの占いにも、 "あなたにとっての2021年上半期は、大きな変革に向き合っていくことになる" "2021年の上半期は、「自分が向き合うもの」に対して、根本的な組み立て直しが始まっていきます" と書かれている。 何なになんなん、わたし今年の上半期が勝負っぽいけども。 人生の軌道修正。目標を決める。変
私が短大に入学するとき、説明会の予定表を見た母が、「あんたんとこの学校は踊りも教えるの?」と聞いてきた。 すこし特殊な科目のある学校とはいえ、踊る授業はない。 「ガイダンスってどんなダンスやの。初めて聞いたわ」 そう、母は説明会のオープニングアクトに授業のひとつである「ガイダンス」という踊りが披露されると思ったらしい。 ないから。そんなダンス。 「かものはしってどんなはし」と聞かれたこともある。 「どっかの川に架かってる有名な橋?」 違います。 生き物だと知っ
「朝から水はってるからお日さんで温もってるかな」 玄関を出て右、一段高くなったところに水のはられた金だらいがある。 「ここで遊んでて。じょうろいるか。ほら、じゃー、じゃー。ママあっちにおるからな」 ちゃぷんと少し冷たいたらいの水の中に座らせ、ブリキの金魚のじょうろを渡し去っていく。 夏のお昼まえ。いいお天気。玄関横の庭先にひとり置いていかれた。たらいの前にはおじいちゃんの上木鉢がいくつも並んでる。ほうり出した足の間に赤い金魚のじょうろ。 お風呂じゃないのにすっぽんぽ
カタログ通販のコールセンターでの出来事。 その日は、何分か置きに「長い長靴ですか」と言うオペレーターの声が聞こえてきた。あっちの人が電話を切ったあと、今度はこっちの人が「長い長靴ですか」と応えている。 どうやら同じおじさんがかけてきて、女性用の長靴を探しているらしい。ショート丈ではなく、ロング丈を探している。 あったっけ?という目配せが飛び交い、手の空いてる人がそこここでカタログをめくる。 やはりショート丈しか扱いがない。 丁重にお詫びし、電話を切る。 長い長靴は
半世紀生きています。 いいね、このシーラカンス感のでる世紀表記。生きてるだけで大切に扱ってもらえそう。 子が3人、孫が2人おります。 おー。一気に年寄り感でちゃった。えへ。おばぁちゃんです。 2代目の夫がおります。 そんなこともあるよねー。ねー。 1年半前に、5年半勤めた製薬会社コールセンターのパートを退職しました。 低音障害型感音難聴になっちゃって。いろんな業種のコールセンターで勤めて天職と思ってたから残念。ストレスはやっかいだね。 ライブに行くのが好きです
あれはあのMさんだったんだろうか。 冬の名古屋駅のホーム。大好きなピアノジャズトリオのライブ帰りの夜のこと。 20メートルほど先で、次の新幹線を待つ人が何人か、こちらを先頭に、柵に平行して並んでいる。私が乗るのはその1本あと。この列を通り過ごしたあたりでベンチを探して待とう。そんなことをぼんやり考えながら、お土産の入った袋をぷらんぷらん揺らしてゆっくり歩いていた。 ふと、気配を感じて、ん?と右前方に視線を動かすと、その列に並んでいる中の一人の男性が明らかにこちらを見てい
「ゆたかさって何だろう」 今回の自粛生活ではっきりわかった。 私にとって「ゆたか」なのはライブに行くことだ。 2月末から待ちに待ったライブツアーが始まり、5月までに6公演参加する予定だった。椅子に着席する会場ではなく、久し振りにライブハウスでのスタンディングライブ。 京都、岡山、滋賀、奈良、愛知、東京。 会場までのルートを確認し、電車の時間を調べ、周辺のお店を口コミサイトで調べる。 ライブ開催の情報が上がった去年11月から、私のライブ活動はグーグルマップの上で始ま
2000年5月20日「Realize!?」でデビューしたKAB.が20周年を迎えた。 20周年おめでとう。メジャーデビューの賑やかな頃も、つらい日々を乗り越えた今も、歌っていてくれてありがとう。 KAB.を知ったのはテレビ番組のソングライトショー。3組のシンガーソングライターにお題を与え、1週間で曲を完成させて出来栄えを競うものだった。初めて聴いた時の衝撃は忘れられない。美しい歌声、少し切ないメロディー、景色の見える歌詞。 モヒカン頭に油断していた。 そこには誰にも似
夏になると毎年、冷蔵庫に牛を飼いたかった。 また牛か。 アンパンマンと母の腹筋壊しにきたあの息子の上に、とんでもなく牛乳を飲む兄がいる。1リットル飲んでしまう日もある。水よりも麦茶よりもジュースよりも牛乳を飲む。特に夏場は牛乳を飲む量が増えた。なんでやねん。麦茶飲めや。 夏、冷えた牛乳はおいしい。これはわかる。ただ、外で走り回って大汗かいて、「のど渇いたー!」って冷蔵庫開けてがぶ飲みするのは牛乳じゃない。麦茶やろ。 なにも牛乳飲むなとは言わん。むしろ牛乳好きでよかった
ひらがなを覚え始めたころの息子のお話しです。 息子は床にアンパンマンあいうえお教室を置いてことばのお勉強をしていました。 アンパンマンあいうえお教室は、あいうえお表が並んでいて「あ」を押せば「あ」と音声でよみかたを教えてくれる、とても頼りになる知育玩具です。もちろん声はアンパンマン。録音、再生機能もあるし、問題も出してくれる。この日は一生懸命アンパンマンからの問題に答えていました。 アンパンマン「すきないろはなあに」 息子「あ… か」 (お、そうなんや、