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【絶対読みたくなるので閲覧注意】ヒューマンドラマの金字塔、ハイキュー!!



負けは弱さの証明ではない。

敗者は弱者ではなく、
明日、何者かになる挑戦者であるーーー。



そんな力強いメッセージを残し、日本の、そして世界のTwitterトレンドをかっさらって、今日7月20日、「ハイキュー!! (集英社 古舘春一作)」の連載が終了しました。


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※あとで追記する予定です。取り急ぎ最終回と同日に公開したかったので...


何度も何度も、願っていました。

誰か、ハイキュー!!担当編集さんから「次回センターカラー大増」「クライマックス」の語彙を奪ってくれ....!

しかし、忘れもしない7月6日、ついに恐れていたアオリがきてしまった。

次号、2号連続カラー&大増第一弾!!表紙&巻頭カラー&大増26P&付録(ポスター)も!!

つまり2週間後の7月20日が最終回.....2週間の猶予が与えられただけでも奇跡だと思います。ファンの心が逝去しないための配慮、ありがとうございます。

そして本日7月20日...。

最終回を告げるアオリの次のページにエンドロールが聞こえてくるような、素敵な見開き。そして最終に配置されたタイトル。

だれもが納得する最高の形で、ハイキュー!!は8年間の連載に幕をおろしました。完璧でした。最高。本誌リアタイ勢完全勝利宣言!!



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どんなに終わり方が最高でも、やっぱり喪失感はある。苦しい。人間にも漫画にも、必ず終わりがくるとわかっていながら、それでもやっぱり苦しい。

私の人生はまだ終わらないのに、ハイキュー!!が先に終わってしまうのが心から苦しい。でも前に進まなければいけないわけで...。


コロナの自粛期間をきっかけに読み始めたにもかかわらず、8年半並走してきた気分にさせてくれる神漫画「ハイキュー!!」を一人でも多くの人に知ってもらいたい・楽しんでもらいたいそして、自分の心を整理するために自己満足noteを書きました。


-----------ここからが本文です----------

目次
1.とりあえず、これだけは読んでください。
~ハイキューを読んだことない人向け~

2.ここが見所なんじゃ!!
〜一巡したけどハマらなかった人向け〜

3.ありったけの小ネタ+α集めました!
〜ハイキューを読んではまった人向け〜



1.とりあえず、これだけは読んでください。
~ハイキューを読んだことない人向け~


ハイキュー!!はこんな魅力があるんだぞ!ということを大声で書きます。(若干ネタバレを含むので気をつけてください.....!!)


>>> リアリティ

ハイキュー!! は8年半という連載期間を経てクランクアップしました。
ほぼ、現実と同じ時間を追っています。主人公は中学生から高校生になり、大人になりました。

この漫画はドキュメンタリーだと思ってみてください。

ハイキューのキャラクター達は、急にうまくならないし、急に血統書付きにならないです。球が人を殺すこともないし、火を噴くことも消えることもありません。

ただひたすら、練習して試合してを繰り返します。(ここが離脱の第一歩~最後最高だから最後まで見て~)

でも、主人公も、チームメイトも、敵も、脇役も、登場しているすべての人が、誰かからのアドバイスや、練習中の仲間とのやりとりや、試合中の様々なプレーから、気づきを得て、自分で考えて行動して、力を蓄えていく。一つずつ「できる」を増やしていく。

「できた」の理由が明確なんです。必然性を納得感を持って教えてくれるんですよ。「あぁなるほど。今ここで、このキャラクタがこんなプレーをしたのは、偶然じゃなくて必然なんだな。」って納得できる。結果に理由がちゃんとある。

誰かの意志が、誰かの言葉が、誰かの行動につながってバレーを中心にたくさんの人の人生が交錯します。なんて「立体的」な骨太ストーリ.....!!


>>>ハイキューはバレー漫画というより人生賛歌漫画

ハイキュー!!はバレーボールを題材にしたヒューマンドラマであり人生賛歌漫画

3部構成で成り立っています。

春高編(熱い)
ブラジル編(ぐっとくる)
プロ編(盛り上がる)


春高戦の長くて熱い戦いの中では、どちらかというと、「敗けた側の気持ち」、「凡人のもがき」が取り上げられていましたが、プロ編では今まで見せられてこなかったメインキャラの葛藤や思い、思想を、余すところなく魅せてくれます。伏線をことごとく回収してくれます。

だからすべてのキャラクターに感情移入してしまう。嫌いなキャラクターが皆無な漫画に初めて出会って震えました。いや、もう魅せ方がうますぎませんか...

正直なところ、春高までで終わっていたら「ハイキュー!!は熱いバレー漫画です!泣けるよ!!面白いよ!」というおすすめの仕方で終わっていました。(十分すぎるほど面白いです)

でもプロ編を見て、最終回を見て、「あれ....私は何を読んでいるんだ....これは何の漫画だ...?(号泣)」「とりあえず全人類はハイキューを読んでください」って気分になります。

ハイキューが人生賛歌漫画だと思う理由は、【全員】が敗者であり挑戦者になるから。天才にも脇役にも人生(ストーリー)があると知ることができるから。

たいていの漫画って熱くて面白いんですけど、自分がプレイヤーだったら絶対読めないんだろうなって感じの【若さ】と【苦しさ】があるんですよね...( そもそも私が読む大半の漫画は少年向けだから若さがあるのは正しい )
もちろんハイキューにもあるけど、ハイキューは【肯定】と【救い】もセットであるんや!

この漫画ではいろいろな人の人生の選択が丁寧に丁寧に描かれます。そして誰の人生も否定しません。

プロとして最前線でバレーを続けている人も、社会人バレーをしながらバレーファンを続けている人も、バレーをやめて自分の夢を追っている人も、誰の未来も一様に尊く、輝いている

誰の努力も誰の人生の選択も否定していない。天才も秀才も凡人も主人公も脇役も等しくストーリーがある。一人の人間として大切に描かれている。

排球(ハイキュー!!)という【バレーそのものを背負ったバレー漫画】でありながら、それでもって【バレーがすべてではないと伝えている】そんな漫画です。

誰もが号泣しながら、それでもちゃんと最後まで読める、読んだ後は前向きになれる。きっとこの漫画で救われた人、たくさんいると思う。だから読んでほしい。一緒に楽になりましょう!!



>>>ハイキュー!!は名言の宝庫

そんな人生賛歌の漫画ハイキュー!!をさらに際立たせているのが、セリフです。

「ハイキュー!! 言葉の結晶展」が開催されるほど、ハイキューはセリフが魅力的。http://haikyu.world/

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ネタバレに接触しない程度に(?)好きなセリフを選びました。
これで終わりか 早かったな まだ6月だぞ
あのとき もう少し もう少しだけ頑張っていたら
もう少しバレーをやれていたんだろうか
多分 こんな風にあっけなく”部活”を終わる奴が
全国に何万人といるんだろう
それでも 俺たちもやったよ バレーボール やってたよ

※負けるモブ&負ける女バレ主将

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脇役の回想なのに、贅沢に8ページ使われている。そして号泣する私。
弱くても強くても、バレーをやっていたことには変わりなく、自分の人生は無や空白じゃなかた、無意味なことなんてなかったって思える大切なシーン。ありがとう、古舘先生。
「逃げる方が絶対後からしんどいって事は もう知ってる」(縁下力)
「"負け"は弱さの証明ですか?君達にとって"負け"は試練なんじゃないですか?地に這いつくばった後 また立って歩けるのかという 君達がそこに這いつくばったままならば それこそが弱さの証明です」(武田一鉄)
「ところで平凡な俺よ下を向いている暇はあるのか」(田中龍之介)

震える。

ハイキューの名言をExcelにまとめているのですが、名言が多すぎて多すぎて、そろそろExcelの最後に立ち会えそうな雰囲気になってきました。


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最終回が終わって改めて読み返してみたのだけど、何巻読んでも、何回読んでも泣ける漫画だなぁと。ハイキューを課題図書にしとけば世界は平和になると思う。

やる気が出ないときに、ハイキュー!!読んだら、「私もランニングしなきゃ!!!」って気分になる。(そんなこと言ってるキャラが最終回にいたね!わかる!)

広告の仕事をしていて、態度変容って言葉を何度も何度も考えました。そして、広告業界に入って一番態度変容を自分に感じたのはまさしく「ハイキュー!!」に出会ったときでした。コンテンツの力とは恐れ入る。

土日にバレーを始めたり、漫画を読むようになったり、Vリーグを追いかけるようになったり。ハイキュー!!わたしをハッピーにしてくれて本当にありがとう!!!


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2.ここが見所なんじゃ!!
 〜一巡したけどハマらなかった人向け〜

※がっつりネタバレ

▶作者、古館先生について

私の主観なのですが、その作品を描いている人がどんな思いで描いているのかを考えると作品愛が急速に強まったりする。生い立ちとか、何を大切にして何に怒りを感じるのか、とか。だから過去のインタビュー記事とかは絶対読み漁るって決めてます。

そこで見てほしいのがこの動画です。※ジャンプ公式 ジャンプ流

この動画の【37:25〜】をみてください。

https://www.youtube.com/watch?v=6g7OhcEfrpw

”先生って人がどういう風にうごいているのかとか(略)人間をずっとみている。”

ハイキューがなぜこんなに魅力的なのか、なぜこんなにも多くの人の心を打つのか、その源泉がここに詰まっていると思うのです。私から言いたいことは以上です。


▶最後に見えた「頂きの景色」と「繋ぐ」


この作品は、こんな始まり方をします。

「バレーボール(排球)」

コートの中央のネットを挟んで2チームでボールを打ち合う

ボールを落としてはいけない
持ってもいけない

3度のボレーで攻撃へとつなぐ球技である

目の前に立ちはだかる 高い 高い 壁。
その向こうはどんな眺めだろうか。
どんな風に見えるのだろうか。

”頂きの景色"
おれ独りでは決して見ることのできない景色。

でも独りではないのなら、
見えるかもしれない景色ーー。

そして、こんな終わり方をします。


「バレーボール(排球)」

コートの中央のネットを挟んで2チームでボールを打ち合う

ボールを落としてはいけない
持ってもいけない

3度のボレーで攻撃へとつなぐ球技である

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影山に飛ばせてもらう日向。
そして日向の目にはネットの向こう側が映るーーー。


始まりは「独り」だった日向。でもバレーを続けていく過程で相棒を見つけて、仲間をみつけて、ネットの向こう側を「頂きの景色」を目に焼き付ける。

始まりから、終わりまで、ずどんっと大きな大きなバレーにかける欲望が通っていて、すごくかっこいい終わり方でした。
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そして、日向が小さな巨人に憧れた時のように、日向に憧れ日向のプレーを見つめる小さな子供の描写があります。「繋ぐ」のはボールだけではなく、バレーへの敬意、憧れ、愛、楽しさ、すべてなのだと、この1コマが語っていました。最高です。

ハイキュー!!は尊い表現は随所にちりばめられているので、独りで全てを解釈しきることは不可能です。ただ、独りでないのなら、頂きの景色(納得できる解釈)が得られる作品でもあります

友人と何度ハイキューに救われた点を語り合ったことか....。
※TOMOKO氏本当にありがとう!!解釈満足最高!


キャラクターの設定に関して


キャラクター設定と関係の書き方が上手(成長と葛藤をいろんな角度からしっかり見せられるのすごい)なので、その辺りを書き散らします。解釈違いで怒らない人だけみてください....。


●圧倒的主人公 日向翔陽

ファイアパンチ(藤本タツキ著)のキャラクター、トガタさんがこんなことを言っていました。

主人公の条件は、そいつがどうなるか知りたくなること

日向は私にとって一番その条件に当てはまるキャラクター。私だけじゃなくて作中のキャラクターたちにとってもそう。敵チームの監督に、「俺以上にあいつに期待する人間はいない」と言わしめるほど。

日向は憧れからバレーをスタートしています。

「小さな巨人」あんな風になりたいって思っちゃったんだよ。だから不利とか不向きとか関係ないんだ。この身体で戦って 勝って勝って もっといっぱいコートにいたい。

自分のことを理解しつつ、それでも自分の意志に逆らえない。純粋な思いに胸を打たれる。

日向、太陽系ペイン持ちって私はカテゴライズしているのですけど(初期のナルトとかそんなイメージ)このジャンルは年上との絡みも魅せやすそうだし、人気もありそうだし、主人公像として良いな〜と思いました。

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日向のことがすごく好きになったのは間違いなくブラジル編。

修行編ですが、がむしゃらなスポコン練習はしません!!「瞑想」「睡眠学」「栄養学」。そして自身に足りていなかった防御力の強化のための「ビーチバレー」を行います。

言葉も通じない土地で、時に落ち込みながらも、いつか大好きなバレーで1秒でもコートに長く君臨するためにもくもくと適切な努力を続ける日向。推せる。

ブラジル編は(賛否両論聞きますが)私は絶対必要な編だと思いました。本当に!この漫画は!必然でコートに立っている人ばかりなんや!!最高!


●王様 影山飛雄

もう一人の主人公(だと私は認識している)天才セッター影山。容赦なくチームメイトにぶちぎれまくる影山飛雄。横暴なふるまいで自己中の蔑称の意を込めた「王様」と名付けられていました。

バレーに対する愛が尋常じゃなくて、コミュニケーションが下手で空回りしてしまう系です。

コミュ障は、天性のものではなく怠慢だと私は思っているタイプなので、
影山みたいなキャラは苦手だったのですが、過去が明るみになるにつれて、影山もギリギリに追い込まれていたんだなぁと...感情移入しました。

一与さんのおかげですありがとう。一与さんの出身高校が白鳥沢っていう設定も良い...。

そして401話....試合を見に来ていた国見と金田一に「一緒にバレーしよう」っていうシーン、号泣しました。8年を経て....あああ....。ここ泣かない人いる?いたら理由教えて??ここは本当に泣いた。中学校の頃の確執を、プロ編で払拭するとか誰が思う??

このシーン、書いてくれて本当にありがとうございます。少年ジャンプで!!!このシーンをしっかり描いて下さって!!本当にありがとうございます!!!

このシーンが救いになっている少年少女、絶対いると思う。
そして、このシーンで過去の確執を未だに引っ張り続ける自分の矮小さに嘆く大人も絶対いると思う。


●同質なライバル 日向と影山

次に2人の関係性について語ります。

公式に「宿縁(前世からの深い因縁)」とアオリを付けられる、ライバルかつ最高の相棒関係の二人。ライバルは異質関係が多いと思っているのですが、この二人に関してはかなり同質だと感じたので要素をまとめてみました。
①五感で愛でる、バレーボール

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日向「エアーサロンパスのにおい!!」

・初めての試合にでるため体育館に入るシーンと(1巻)
・初めてのIHで体育館に入るシーン(5巻)
・ブラジルから帰国後、試合にでるため体育館に入るシーン(43巻)

どちらともでこのセリフが出てきています。「におい」が日向のバレーに対するわくわく感、「ソワァ」を掻き立てるシーンです。

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実は、影山にも似たようなシーンがあります。それは、5歳児影山がバレーの試合をみるために体育館に行きたいと一与さん(祖父)に言うシーン。

一与さん(祖父)「飛雄は体育館のどこがすき?」
影山(5歳)「色とにおい」

と答えます。バレーができる場所である体育館とその中にある空気へ好意を示す2人。それがどちらも、「におい」が軸なのいいなぁと。

本能でバレーを愛している動物みがあって良い。
二人の同質さがあふれてる描き方だなぁと私は思いました...。


②圧倒的執着
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ことあるごとに何かしらを競いあっている二人。

5巻の37話で「30勝31敗」と影山が言って「30勝32敗」と日向が訂正します。ということは、二人は【何かと競い合うこと】をお互いの暗黙の了解下で延々と続けており、両者共が、その勝敗を逐一認識&記憶しているということ。

45巻401話では、「俺の1096勝 1100敗」と日向が言い、影山が笑います。
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いやお前らどんだけ二人の世界で戦ってるんや....。7年間やってたの?大丈夫?

ちなみに、
日向「お前を倒すのは絶対おれ!!」
影山「ってことはこの先お前は俺と同じ舞台にいるってことだよな?」
  「それが日本のテッペンでも、世界でも」
日向「当たり前だ!」

という高1時に交わした約束によって勝負が継続されている模様。



③評価はあくまで「バレー」軸
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影山は作中で一度も日向のことを「ちび」とは言っていません。(これめちゃくちゃ重要なファクト。)
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及川さんがブラジル編で、日向のことをおちびから「しょうよう」に、黒尾さんがプロ編で、日向のことチビちゃんから「日向選手」と呼び改めています。
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つまり、ハイキュー!!内では、日向を「チビ」と呼ぶ=日向を(まだ)認めていない表現として使用されていると考えられます。
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ということは、最初から最後まで一度も「チビ」といわなかった影山は最初から日向のことを認めている。
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「こいつはへたくそだけど弱くはない」の言葉の真意がわかります。影山は「個人の力によって変化しうること」にしか言及しない。日向もこのことをわかっていて、横暴な王様時代も付き合っていたのだろうな~と。


④「飛べ」をいつまでも背負い続ける2人
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海外リーグ移籍後の日向と影山のチーム名の発表をします。

影山:Ali Roma
日向:Asas Sao Paulo


意味は....

スクリーンショット 2020-07-20 16.30.31

スクリーンショット 2020-07-20 16.30.16

いや二人ともいつまでもどこまでも飛ぶじゃん〜!

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宿世の縁すぎだろほんとなんなんだおまえら...
と茶化しつつ、人生の中でこんな相棒に出会えて羨ましいとも思いました。

来世でも幸せになってください!


●烏野の嫌なジャンフロ、山口忠

烏野の嫌なジャンフロ として宮治に覚えられていたシーン、成仏したのは私だけじゃないはず...!本当によかった....!

「山口忠の忠は忠犬のイメージ」※これは公式の情報です。

当初は月島の腰ぎんちゃくの役割として登場しました。でも、この山口、人気キャラになります。私も山口大好き。

最初から1年生3人が試合に出る中、山口は控え。決して下手ではないし、体格にも恵まれている。ただ、ほかの3人が規格外だったので、山口だけがスタメンになれませんでした。

そんな山口ですが、腐らず、自分が試合に出られる方法を、チームに足りない穴を探すのです。(ここで腐らないのえらい。高校1年生で自分からどうすればいいか考えて行動できるのもえらい!!)

そして、練習試合をした近所のバレー経験者のお兄さんにサーブを伝授してもらえるように特訓します。
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「自分も戦えるって 証明しろ!!!」(by山口)
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山口が特訓の成果を発揮したサーブを決めたときは号泣しました。怖い...と震えながらも「サーブポジションに立った時は誰だろうとその試合の主役」
という言葉を見事体現して見せます。

コートにずっといられる人は、自分のタイミングで戦える。見せ場も必然的に増えるけど、ピンチヒッターは本当に一瞬。そこで主役として成果を発揮しなければいけない。存在価値はない。(読んでて胃が痛い)

忠犬の山口忠はそこを決めて見せた。泣きました。山口感動をありがとう!!誰がなんといおうとジャンフロが決まった瞬間はヒーローだった!!!

あと、月島くんに「プライド」をもてとブちぎれる名シーン、100回みても泣ける。(月島についても書きたい!後で追記する)


●「阿吽」岩泉一と及川徹について

まず、不動の人気キャラ「及川徹」とその幼馴染「岩泉一」
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及川徹は、女にもてて、no.1セッターの称号を持っていて、イケメンで、サーブがうまい、ちょっときざなうざいやつとして登場する。ですが、この「及川徹」さん、完全にルサンチマンこじらせていて、実は一番共感できるキャラクターだったりします。
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天才ではない、秀才だと評され、
自分でもその評を受け入れる。

それでも天才たちに一矢報いたいと立ち向かい続ける。
生き様が異様に泥臭くて、かっこいい。

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ただ、勝ちにこだわりすぎて、追い詰められることもしばしば。幼馴染の岩泉はそれをわかっていて、随所で救いの言葉をなげかける。岩泉一の名言、「相手が天才1年だろうが牛島だろうが ”6人”で強い方が強いんだろうがボゲが!!!」とかもそうだよね...
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「阿吽の呼吸」ってプレーにおける二人の関係性を表したの名称なんですけど、幼馴染として過ごした長い年月によって培われた代物で、日々の生活含めて発揮されているんだなぁ...と。メンタルケアも含めて。必要な時に、必要なことばを投げかける。
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敵チームの関係性をこんな風に描ける作者様すごい。


ーーーー春高以降ーーーー

及川徹はアルゼンチンへ岩泉一は大学に進学しつつも、スポーツトレーナーになるべくアメリカへ行ったりする。(牛若のお父さんに師事するというファン得すぎる展開)

及川さん、アルゼンチンで日向とビーチバレーをプレイし、「忘れては、バレーの楽しさを思い出す」のです。
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「天才ではない。だけど天才を倒したい」そう願って願って、茨の道を自ら歩むことに決めた及川さんに対して、一読者の我々は「楽に生きろ」とは言えない。けど、自身の発した言葉の呪いに無限に苦しんでいるようなイメージがあったので、少しでも楽になっている描写が心に沁みました...。

ーーーー最終話ーーーーー

及川さん「全員倒す」の伏線を盛大に回収します。
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アルゼンチンでバレーをしていた及川さん、日本代表として招集されるであろう、牛島さん、影山を倒すために、アルゼンチンに帰化。そしてアルゼンチン代表として登場します。
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「帰化」という2文字に込められた【決意】や【苦難】をもろに食らってしまい、最終話読んだあとは放心しました。やってくれたな...及川ぁ...(アルゼンチンのTwitterでoikawaがトレンド入りした模様)
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「高校の3年間で勝てなかった」ただそれだけの事実が及川さんのすべてだったのかと。そのあとの何十年をも動かすのかと。バレーの熱って恐ろしい。取るに足らないプライドでここまで到達してしまった及川徹27歳。
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そして、このアルゼンチンVS日本戦で特に語りたいのは、青葉城西のメンバーがアルゼンチンのフェイスペイントをしていたというところ。

青葉城西のメンバー、きっと及川さんの努力もプライドもバレーに対する姿勢もバレーへの愛も全部全部認めていて、及川さんが報われる日を待っていたと思うんです。

でも、高校3年間を通してその日は訪れなかった。その事実に対して、岩ちゃんも、ほかのメンバーもきっと少なからず負い目は感じていると思う。だからこそ、アルゼンチン戦でのフェイスペイントがあるし、岩ちゃんの笑顔もある。

及川さんが自分のプライドを保つために境地にたどり着いた、という事実に救われているのは、及川さんだけじゃなくて、岩ちゃん、そして青葉城西の3年生たちなのかもしれない。そう思いました。


(※友達の解釈を引用)
数多く登場する秀才キャラの中で唯一バレーを続けていて、最後まで天才たちを追い抜こうと倒そうとする、茨の道を突き進むキャラ。それが及川。ハイキューの影の主人公だと思って読んでる。
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最後にこれは言いたい。

及川さんから学んだことは、こじらせたルサンチマンは自分の力でどうにかするしかないということ。はぁ....。



●音駒高校

烏野の因縁の相手とされる高校。音駒は「高校自体」がストーリーの中で超重要な位置付けです。

このチーム、「繋ぐ」の横断幕を掲げていて、「超人みたいなエースがいなくても、地道に丁寧に一点一点を積み重ねていけば勝てる」との言葉が印象的。派手さはなくとも「落とさなければ負けない」バレーをしていて、チーム全体の力を信じ切っているスタイル本当に推せるって思いました。
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そして特筆すべきはキャプテン黒尾さん。
黒尾さんが「繋ぐ」の横断幕を【バレーの選手として、一人の主将としてコートの中で背負っていた】だけでなく、【その後の人生でも背負い続ける決意をしていた】ことが発覚。この展開はあつすぎて、あつすぎて。もう感情が崩壊した。
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作者天才なのでしょうか??黒尾さんなかなか出てこんから、音駒のコーチになって最終回で子供に教えたりしてるんかな~とはうっすら思っていたけど、まさかのバレーボール協会...?!
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すごいな。「繋ぐ」を背負う男すごいな....。(そして地味に選手の妹の山本ちゃんが記者になってて、それも繋ぐの一端を担っているのすごい)

ーーーーー
烏野が「気づき・成長する」のシンボルであれば(対象は私とか個人とか
音駒は「伝え・還元する」のシンボルだなって思ってました。(対象は他人とか社会とか

2校いてこそ成立するストーリー。烏野をみて成長した読者を音駒が導く、そんなW主人公ならぬ【W主人校】だよね
ってことを大声で言いたい。


●牛島若利

東北の強豪校白鳥沢学園の唯一エースにて、日本の3本指に入るスパイカー。春高編までは「怖い壁」というイメージしかなかったのですが、プロ編をみて一気に好きになりました.... 。
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この最強クラスの男、「(バレーをやれている)おれは運が良かった」というセリフを言うのです。(言わせる古舘先生どえらい...!)
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最近よく思うのですが、いい大学に入れたり、いい環境でプレーしたり、いい会社で働けているのって、本当に【生まれながらの運】であることが大きい。どの国で生まれるのか、どんな地域で生まれるのか、誰の下に生まれるのか。様々な要因によって運命なんて簡単に左右される。
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牛島は「すべての偶然が重なって、今ここに自分は立っている」
と、「自分は運がいいからここでバレーができている」と口にするのです。日本最強クラスの男が!明言するのです!このセリフ、ほかの誰でもない牛島さんが言うことに意味があると思いました。
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このシーンもジャンプで描いてくださって本当にありがとうございます。
この漫画救いしかない。
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そんな牛島選手が高校の時に背負っていた「強者であれ」と言う横断幕は、作中に登場する横断幕の中で唯一結果を求められている横断幕。
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またとんでもないものを背負わされたキャラクター....「強者であるために」変化を厭わない、培ったものも何度でも壊そうと断言するところ、しびれました。最強であっても挑戦者。ハイキューって作品はほんと...。(泣)
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圧倒的白鳥沢のエースを最後まで余すところなく見せてくれてありがとう!!
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オリンピック時はポーランドのリーグに移籍してますが、チーム名が
orzel Warszawa (意味:ワルシャワの鷲)
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どこまでも鷲....(天童君は今日も可愛かった。)


●天才ツインズ 宮兄弟の人生の選択

バレー界最強双子と言われている宮治(おさむ)、宮侑(あつむ)。
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治の方は11番
侑の方は7番
どちらもスタメンです。
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作中初登場シーンが影山も参加しているユース合宿。しかしここでは双子「治」の存在は伏せられたまま「侑」だけ登場します。
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【双子の片割れだけ、ユース合宿に招集される】

これかなりきついよな...この事実の裏にどんなストーリーがあったのか、試合中の選手たちの回想によって明るみになってきます。
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今、高校ナンバー1セッターと称されているのは侑。しかし、昔は治の方が上手で、なんでも器用にこなし、侑がそれに挑む関係性出会ったことが明示されています。

成長するにつれ、狂気のバレー愛によってメキメキ上達する侑。そして、セッターの座を獲得し、ついにユース合宿に招集される侑。
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侑「悔しがれ治(サム)!」
治「悔しいわアホ。……あんま悔しいと思てへん事が、悔しい。……侑(ツム)はがんばっとるからな」

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いつも喧嘩ばかりの双子にこんな言葉を素直にかけられる治強い。そして、極め付けの、私の涙腺が死んだこの一言。

「侑の方が俺より、ちょびっとだけバレーボール愛しとるからな」

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いやいやいや、高校生の時にそんなこと考えて、割り切れるのすごくないですか?理解できてても気づかないフリする。治に感情移入したら無限号泣再起不能になる。相手の方がバレー好きってわかってて、相手が選ばれることを素直に認められる。悟り開いてる高校2年生....
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私この立場だったら無理だ。わかっててもしんどくて言葉にできない。自分もバレー好きだし、バレー頑張ってるし、相対評価では侑だったかもしれないけど...くそ!!って思う。普通にグレる。

って初見では思ってたんですけど、もしかしたら治は遠の昔に侑のためにバレーやってたのかもしれないですね....。最近は平常心で読めるようになりました。
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理屈抜きに好きなキャラは日向と木兎さんなのですが、
理屈有りで好きで報われてほしいキャラは治。

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そしてそして、最大級の治の見せ場がプロ編であるんです!!!

おにぎり屋さんの店主になっている....まさかのプロ選手になった双子侑のエネルギー源になっている...激アツ.....今でも二人で世界と戦ってますってか....激アツ....
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その選択を決めた過去回想シーンも丁寧に丁寧に描かれています。
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「“飯”に関わる仕事」に就くからバレーを辞めると決めた治。治のバレーの実力を認めていてこれからも自分と切磋琢磨していくと思っていたので怒る侑。

そこで治から伝説の一言。
「何でバレー続けてる方が“成功者”みたいな認識なん?」

(バレー漫画でこのど正論)

続けて侑の襟元に掴みかかりながら、「80歳なった時俺より幸せやって自信もって言えたんなら そん時もっかい俺をバカにせえや」
(そして乱闘)
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このやりとり作中で一番好きかもしれない。
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治には治の人生があって、目指したいものがある。「バレーがうまい」は「バレーを続ける理由」にはならない。バレーを辞めることは「妥協」じゃなくて、「もったいない」でもなくて。

ただ自分の選択で自分の人生を生きるという純粋な尊さだけがそこにありました。

気づきが多すぎた。これもよくぞ週刊少年ジャンプで言ってくれたなぁ
素晴らしすぎる。。。と言う気持ち。。。

古館先生!!こんな素敵な選択の分岐を!!!こんなにハートフルに描いてくださって本当にありがとうございました!!!!成仏した!!!

ちなみに
治とは、おさめる/おさまる/管理する/鎮めるなどの意味をもつ漢字
侑とは、たすける/すすめる/飲食をすすめるなどの意味をもつ漢字

ちなみにちなみに、侑がオリンピックで背負っていた背番号は11。そうです。治の背番号です。一緒に戦ってるってことか...おにぎりは侑の筋肉になっているもんね....演出が激アツどころの騒ぎじゃない。
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双子だけで物語完結しそうな勢い...


●控えの主将「
北信介」

いや、【控えの主将】って....この時点で「感情爆発号泣ドデカストーリーきますよ!」って警告でしかない!警告でしかないのに、まんまとハマって号泣....。

「ちゃんとやるんや」と言う言葉の下、黙々と日々のルーティーンをこなし、特別な日と日常の境目をなくす北さん。

「あいつは緊張せぇへん」「機械みたいや」みたいなメンタルつよつよ無感情キャラクターとして紹介されるのですが、稲荷崎が負けたら素直に悔しがるし、過去回ではユニフォームもらって泣いちゃうし...
.
北さんが信じている「神さまが見ている」実は私もすごく思っています。毎日、自分の決めたルーティーンをなぞる。この世界の誰かは認めてくれなくても、もしかしたら神様は見ててくれるんじゃないかって思うこともある。

北さんのこと100%理解してるなんて烏滸がましくて言えないけど、わかる気がします。試合でいつもどおりが出せるように、いつものレベルを極限まであげる。抜かりなく仕上げる。ほかでもない、自分を納得させるためにやる。
.
最終回、北さんの顔が仏でこっちまで仏になりました。言えてよかったね、「どや、俺の仲間すごいやろ」って。北さんと稲荷崎のメンバーの関係性、すごい良いと思いました。(アラン君も!!!)

ところで北さん、人生何周目なん?

●星海光来と鴎台

星海光来くんは、低身長ながらも有能なスパイカーとして知名度のある選手。そして、日向が欲しい異名【小さな巨人】を背負う選手です。春高戦ではラスボス(?)でした。

そんな彼、身長を絶対言い訳にしないんですよね...。
.
私は競技ダンスっていう【スタイル命!デブスさよなら!土に還れ!】的なスポーツをやっていて、もちろん自分は低身長デブス枠だったわけで、勝てないことを見た目のせいにして、憂鬱モブの極み学生時代を過ごしてきたのですが、

星海くんが「身長は(バレーにとって)不利な要因でっても、不能な要因ではない」ってハイキュー!!内で断言していて、号泣しました。

ここ好きで、漫画で何回も見て、アニメでも見て、LINEスタンプかって毎日音声再生して聞いてる。高校生でもこんなことに気づいて頑張れるのに、
大学生のころの私、なにしてたんやバカかと。

そして、この名言も忘れられません。
「俺は俺が弱いことをとうの昔に知っている」

一体どんな努力をしたのか。どんな苦汁をなめ続けたのか。自分の力ではどうにもできに自分の弱点を、どうしても他人と比べしまう「身長が低い」という弱点を、飲み込みバネにしたのか。考えるだけできつい。

今、オリンピック代表に星海くんが選ばれていることが、私は本当にうれしいです。そして最高到達点がチーム1位なのも最高に嬉しいです。
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あとね、鴎台の横断幕も最高なんです!
「習慣は第二の天性」って言葉。


マジで最高。

小さな巨人として活躍しまくってる星海くんだけど、スパイク以外でも目立つプレーを称賛されてましたよね。作中で。

この鴎台戦は才能のぶつかり合いというより、「才能」なんていくらでも後付けできる。「習慣」によって芽がでたものを人が勝手に「才能」って言ってるんだってことがわかります。
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そうです。
誰かが成功しても、「あ~どうせあの人才能あるもんな~」って流しちゃう、見てみるふりをする、そんなすべての人間の心をえぐる横断幕を鴎台は背負っている。

私が人生で背負いたいハイキューの横断幕は鴎台のこれですね。

ちなみにこんなに鴎台について熱く語っていますが、
推し高校は梟谷です。
どこかの高校のLINEグループに入れるのであれば、稲荷崎です。


●昼神幸郎 環境と才能ゆえの苦悩

ハイキュー好きの友人Tと飲みにいった時の話です。

Tが「昼神幸郎くんの過去回想シーンで心を持っていかれた」と語ってくれました。正直、私はそのシーンがとりわけ刺さらなかったので、どういった解釈だったのか、興味をもって彼女の話を深堀しました。

彼女の話を聞いて、「置かれた立場が違えば刺さるシーンも変わる。ハイキューは誰もの救いである。」そう確信したので、本人の許可を得てそのストーリーをnoteに書くことにしました。

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昼神幸郎は、家族みんながバレーに精通してるバレーボールエリート一家に生まれました。もちろんバレーを幼少期から始め競合校でも力を発揮します。
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その特殊な環境故に、「自分はバレーをプレイするのが当たり前」だと暗示をかけ続け、がむしゃらにバレーをします。仲間がスランプに陥った際は「努力が足りないからだ」と断言します。バレーが生活のすべてである昼神くんは、徐々に自分の言葉で自分を追い詰めていくのです。
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限界が近づき、無意識な自傷行為をしてしまう昼神くんを止めるのが、同じ中学校だった星海くんでした。

「実はバレーが好きじゃないかもしれない」
昼神くんが発したこの言葉、今までの自分の人生の否定にも繋がりかねない。

そこで星海くんがは放った一言が、その表現がすごかった。
「腹いっぱいなのかもな」

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友人Tは、水泳を幼少期から大学まで(超競合校で)続けていたバリバリのスポーツマンでした。オリンピック選手と一緒に泳いでいたガチ勢です。

そんなTは大学卒業後、水泳を一切やりたくならないことに気が付きます。そして思うのです。「もしかして私水泳好きじゃなかったのかも」

そういえば、始まりは「誰かより速く泳げたから」だった。タイムがどんどん早くなるから続けた。しかし、一生懸命やっているつもりでも結果がついてこなくなる。それでもまだ続けているのは「水泳が好きだから、なのか?」と自問自答する。だけどすぐに「そうだ」と自信を持って言えない。結果もついてこないから、自分の「一生懸命やっている」にも自信が持てない。

意地とプライドで大学までずっと続けてきたけど、大学を卒業して、一切水泳を求めていない自分に気が付いた。「私、水泳好きじゃない」

今まで「好き」で水泳を続けてきたわけじゃなかった。昼神くんの過去回想シーンにかつての自分を重ねた。

そして、星海くんの「腹いっぱいなのかもな」という、こんがらがった感情、苦しい感情を、包み込んでくれるような表現に感銘をうけた。今の私が過去の私に何か声をかけてあげられるなら、この言葉をかけてあげたい。

そう友人Tは語った。
(その話を聞いた私は居酒屋で号泣する)

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人には人の地獄があって、悩みがあって、苦しさがあって、解釈がある。そんなことわかりきっているはずなのに、意外とわからない。

ハイキューは、読む人が違えば刺さるシーンが違うほど奥行きがある立体的な作品。いろんな人の解釈を通して改めて読みなおすハイキューはまた一味違って面白い。


友人に言われて、気づいたのですが、ハイキューって本当に否定しない。「バレーという競技を嫌いになった」という表現を決して使わず「おなか一杯」という表現を使う。

そういえば作中に強い否定の言葉が一切出てこない。強い言葉はたくさんでてくるけど。この辺りも含めて、私はハイキューが大好きです。


●木兎光太郎というスターと赤葦京治

※強めの幻覚が多々含まれています※

日向の師匠として書かれている主要キャラクターの一人。(私の最推しは日向と木兎さんです。)

見てると元気がでるバカっぽい(のに本質をとらえていて自分の欲望に真っすぐな)太陽系キャラ、一家に一台普及させてほしい。定額給付金と一緒に各家庭に配布してほしい。

月バレに載ってた日本代表インタビュー、めちゃくちゃバカっぽくて最高に可愛かった。理屈抜きで推しキャラ。

そして作中で唯一、誰よりも自分のことを信じて疑わない清々しいキャラクター。私と正反対なので、見ていて元気になれる。

スーパープレイを「ものすごくふつう」と形容する。つまり、すごい状態は自分にとって普通なのだと。これまでの調子ムラムラが異常事態だったのだと。自分はできるのだと。世界が俺に加勢しているのだと言ってのけるスーパースター。

木兎さんを楽しむ?上で一番重要なのが梟谷の正セッター赤葦くんを理解すること。なぜなら、木兎さんは心理描写が極端に少なく、主に赤葦京治の視点(赤葦のフィルター)での木兎さんが描かれているからです。
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そんな赤葦くんですが、個人的に「ハイキュー!!」内で最もとちくるっているキャラクターだと私は思いました。
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一言でいうと、「強火のオタク」。
初めてハイキューを読んだときに、「やべぇ時の私みたいな思考回路だなこいつ....」という感想を持ちました。(と同時に作中で一番羨ましいキャラクター)
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ちなみに私の中での「強火のオタク」の定義を下記にて共有します。

TOP OF オタク(※個人の見解です)
1、推しに近づく
2、推しを支える
3、推しを永久保存する


この定義にそって赤葦京治を見ていきます。

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1.推しに近づく
梟谷学園という強豪バレーボール部で2年でありながら正セッターを務める赤葦京治。ポーカーフェイスキャラで完全無欠です、みたいな威圧感を漂わせています。

中学時代に梟谷学園の練習試合をみて、木兎さんにあこがれを抱き、梟谷学園入学を決意誰がなんと言おうと自分の中の「スター」として木兎さんを位置付けます。

2、推しを支える
1年のころから木兎さんにボールを供給しつつ、木兎さんのテンションのムラを調整して勝利に貢献してきた策士。他のチームメイトからも絶大な信頼を得ており、外堀を埋めることも完璧。

「道は作りますので」自分にとってのスター木兎を世界のスターに押し上げようとします。

そして、自分の推しに「120%をちょうだい(お前ならできる)」とまで言わせるレベルに到達します。まじですごい。圧倒的信頼を獲得しないとこんなこと言われないよね。すごい。

有事の際(木兎さんがバク転で失敗して動かなくなったとき)は
・監督 ・赤葦 ・救急車
の順で連絡が入ります。真っ先に救急車よべ。

<ここまでが春高編>


3、推しを永久保存する
で、そこから赤葦くんは編集者になります。(公式情報だと大手出版社だけど、集英社かな?週刊少年ヴァーイの担当編集。)※二次創作じゃなくて公式。

しかも担当作家が!!小さな巨人の宇内天満!!2人で、MSBYBJとアドラーズの試合観戦に訪れます。

そして、終わった後、木兎さんにインタビューをする赤葦くん。(友達と、「木兎さんが日本代表になって、赤葦がインタビューする世界線あるんじゃない?!!(強めの幻覚)」と盛り上がっていたら、まさかの公式でそのシーンが描かれてしまい、めちゃくちゃびっくりしました。ありがとう古館先生!!供給がすごい!!!)

また、「漫画の編集として登場するからには、打ち切り決定後の担当漫画家宇内さんに世界のエースが登場するバレー漫画を描かせるんですよね....わかりますわかります!!(強めの幻覚)」と一人盛り上がっていると、

最終回で宇内さんが、「メテオアタック」というバレー漫画を描いているシーンが登場...!しかも若干ビジュアル木兎さんに似てないか...?

公式のサポートにより赤葦くん本気オタ方程式回答完了しました...。

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おさらいです。

TOP OF オタク(※個人の見解です)
1、推しに近づく
2、推しを支える
3、推しを永久保存する


そのすべてを完璧に網羅しつつある、オタクの中のオタク...!師匠って呼びたい!私もBOKUTOさん推しなので、赤葦京治くんが心から羨ましい...いいなぁ...生まれ変わったら赤葦くんになりたい。

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ちょっと気持ち悪い見方をしているので訂正しておくと、赤葦くんが日本を代表する少年誌の編集者になって、日本を代表するバレーボール界のスターの木兎さんを少年誌で取り上げることで、バレーボール界に新たな新芽を芽吹かせ、【バレー界の隆盛に貢献する】と言う素晴らしい話でした。
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「繋ぐ」がテーマのハイキューらしさがよくでてるシーンです。


3.ありったけの小ネタ+α集めました!
 〜ハイキューを読んではまった人向け〜


作品に関するどんな小ネタでもありがたく摂取したい人向けです。(2次創作とかは含んでません。あくまで公式軸です)これ押さえておくともっと楽しいよ~!って感じです。

●普通に手に入る読み切り

月島蛍が2年生で田中と同級生、
影山飛雄が高1で高校入学前から練習に参加し仕切りまくる様子が見れます。

日向は運動神経めっちゃいい小さい子。そのままですが、
バレーをやりたい動機がそんなに強くないです。

キャラクターファンブック買えば巻末に載ってます!
(古館先生のコメントが泣けるからこれも読んでほしい!!)


●幻の読み切り

なんと「高身長の日向」が登場する「影山が主人公」の公式読み切りがあるらしい!!

ソースはここ

ただ、ネットでは落ちておらず...公式からの供給もない...
ジャンプラにも格納されていないし....どこ探してもない....
多分過去のジャンプさかのぼるしかない....
持ってる人教えてくださいませ...


●月バレ2020年8月号

公式でも情報出回ってますが(これから読む人に向けての小ネタ)月バレ2020年8月号にハイキュー界のオリンピック日本招集メンバー一覧が掲載されております。

公式 tweetはこちら

月バレTweetはこちら

ハイキューコラボの裏話が聞ける情報はこちら



●岩手県軽米市

作品の本当の舞台はここ、岩手県軽米市。
烏野高校は軽米高校らしいです。白鳥沢は東北学園高校がモデルらしいです。

黒研の河原や坂ノ下商店もあるのだとか。ネットにめちゃくちゃ情報転がっているので、「ハイキュー 聖地巡礼」とかで調べてください。コロナ落ち着いたら聖地巡礼したい。


●古舘製麺

古舘先生のご実家のお蕎麦屋さん。

岩手物産展が東京の高島屋とかで時々開かれているので、ここのお蕎麦は東京でも入手できます!購入させて頂きましたがとっても美味しいお蕎麦でした!!そうめんもあるよ!!そば茶もあるよ!!通販でも買えるよ!!

店主さん、ハイキューの話もしてくださいます!!最高~!!お店のSNSで出店情報をリリースされているので、お蕎麦が好き、古館先生が好きな人はチェックしてください!(非公開情報ではないはず...?)


●マルト

作中で縁下くんの好物として紹介されている「ホヤ」の本家本元。(ホヤは実は古舘先生の大好物らしいです。)

こちらも岩手物産展によく出店されているので、情報追ってみてください!
ちなみに縁下くんのサイン色紙が店の前に飾られてます!



●MIKASA公式アカウント

>https://twitter.com/mikasaindustry

中の人がハイキューの本気ファンでめちゃくちゃ推せる。月曜日になるたびに、あふれるハイキューとバレーボールへの愛をつぶやかれているので、全部いいねするのが私の月曜のルーティーンです

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最後に。

一つのコンテンツにはまっている、いわゆる「オタク」のことをキモイっていう人多いけど、正直、他者にマウントをとることでしか自分の機嫌を保てない、いきり野郎の方がキモイでしょ???

オタクは自給自足ですぐハッピーになるし、尊い作品と共生できてる事実かみしめて粛々と誠実に暮らしてるし、世界(作者と作品と編集さんと流通さんと本屋さんと印刷屋さんとその他もろもろ)に対して毎日ありがとうって言えるし、推しのために経済ぶんまわせるし、すごくないですか?

私は漫画全般が好きで、アニメのハイキュー!!とかハイステとかは見てないニワカなのですが【自信をもってハイキュー!!が心から好きだと叫びたい!】


ここで、漫画好きの友人から授かった格言を一つ紹介します。

「摂取していないコンテンツについて語るな!」

つまり、見てないのにわかったふりしてしゃべるな!
イメージでdisるな!ってことです!

ハイキューは女子人気があまりにも高いので、多数のイケメンがキラキラスポーツしている漫画、腐女子受けを狙っただけの漫画だと思われがちですが、バレーに関わる人の人生を緻密に紡ぎあげた人間賛歌漫画です。
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こんなに好きだと思える作品に出会えてよかった!古舘先生ありがとうございました!歴代編集の皆様もありがとうございました!

最高of最高でした!!
関係者の方々は一生幸せになってほしいです!!!






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