想い出の一輪挿し
割引あり
目の前に一本の桜の花が、立派な一輪挿しに据えられている。近所のお婆さんが教えてくれた。ヨセギザイクというらしい。誰が置いて行ったのかわからないが、気づいた時にはそこにあった。いつも通る交差点の一角。陳腐な菓子や花束、手紙をよそに、堂々と佇んでいる。少女はふと思った。この花を手に取ったらどうなるだろう。
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