◆エッセイ◆垢抜けないわたしと、でもだから、わたし
*垢抜けないわたし*
なんていうか、昔から華がなかった。
地味、パッとしない、垢抜けない……言い方は違えど、要するにそういう泥臭いタイプ。
できるだけ、目立たず平穏無事に生きていきたいから、それはそれでいいはずなんだけど、華やかでなくても、スッキリとスタイリッシュに生きている人には、やっぱり憧れる。
無いものねだり、というヤツ。
詩とかエッセイや物語にしても、わたしの書くものは”キラリと光る感性”からは、悲しいかな程遠い。自分の経験してきたものとか、思うこととかしか書けない。
でも元々、そんな心弱い自分に向けて、語りかけたくなったのが、書くことをはじめたキッカケだった。
表現されている言葉の世界は、わたしにとって、どれも眩しすぎた。挫折や哀しみを描いているものさえ、自身がどうしようもなく苦しい時、それはやっぱり、よそいきの顔をしていて、ちゃんと整って美しく見えた。
何か、何かが違う……。
ありふれたどこにでもある、そんなヘタレの声……頑張れなかったり、要領悪かったり、苦痛に滅法弱くて、情けないくらいにオタオタしてて、見苦しいけど、何とか生きてる。
わたしは、そんなわたしに語りかけたかったんだと思う。
エゴイストなんだ。
共感して欲しかったのは自分自身で、共感したかったのも自分自身だった。
*でも、だから、わたし*
結局、わたしの書くものは、とても個人的で。やっぱりありふれているし、パッとしない。
でも、だから、わたしらしいと、最近そう思うようになった。
スタイリッシュな部屋には憧れるけど、実際に住んだら、わたしはくつろげない気がする。
好きな雑貨で溢れ、本に囲まれたこの部屋を何よりも愛しているように、憧れと、そうなりたいか、は違うものなのだろう。
これでいい、というよりも、わたしはわたしでしかいられない。
そしてこれは、いつもの如く、ちょっとばかり長いつぶやき。独り言。
「いつかこんな冬の終わりに─心象風景の欠片たち─」つきの より
この記事が参加している募集
言の葉を受け取ってくださってありがとうございます。 いただいたサポートは創作の糧とする為の書籍購入に使わせていただきたいと思います。 心からの感謝と共に……。☪︎Tukino