Short story◇涼やかに◇
涼やかに鳴る風鈴の舞姿
***
「暑いねぇ」と独り言。
合わせるように汗をかいたコップの氷が
溶けてカラン、と音をたてる。
古いクーラーの音と一緒に、首振り扇風機がまわる。
「クーラー買い替えなきゃいけないなぁ」
夕方になって、少し涼しくなってきたので
お疲れ様のクーラーを止めて窓を開けてみる。
ちりりん、と紫陽花柄の風鈴を風が鳴らす。
風と軽やかに舞うような音に夏を想う。
『月の欠片をパッチワークにして』つきの より
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