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怒りと智恵、恐れと和みの組み合わせ

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フランシス・コッポラ監督の『地獄の黙示録』は、ベトナム戦争を題材にした鬼気迫る映画でした。

映画自体も強いインパクトを持っていましたが、わたしは、パンフレットに載っていた黒澤明さんの言葉が忘れられません。

曰く
『戦場は地獄だから恐ろしいのではない。
 時に、地獄が天国に見えるから恐ろしいのだ』


実際、地獄が本当に恐ろしい場所だったら、すべての人がそこから逃げ出すはずです。
が、そうならずに、地獄のような場所ができてしまうのは何故でしょう?

地獄を天国のように感じる人がいるからです。


実は、地獄の最初の階層は、現実世界とよく似ています。
『等活地獄』と呼ばれるところで、殺生をしたものや争いを好んだものが落とされる場所なんですね。

要するに、争いを好む人がいる場所=戦場=地獄ということです。


そして、残念なことに、ビジネス活動では軍事用語が多用されます。
戦略、戦術、勝ち組、負け組、ターゲット、包囲網……

平川克美さんは、「軍事用語を使わないで、ビジネスを語る」大切さを提唱されました。


『戦場=地獄』は、怒りと恐れに支配された場所であり、あの世だけでなく、実社会にも存在します。

端的に言えば、ブラック企業ですね。


一方、その対局にあるのが『天国』です。
敵対することの怒りをしりぞけ、智恵によってつくられる安心・安全の場。
お釈迦さまは『智恵あるものに怒りなし』と言われましたが、まさにその具現化です。

まぁ、『天国』って言っちゃうと、それはそれで現実離れした感じもしますが、要するに『気持ちの善い場』の比喩ですね 😊


しかし、地獄を好む人には、天国のヴィジョンが浮かびません。
自分の嗜好を、全否定することになるからでしょう。

そうした人たちが、わかりやすく目のかたきにするのは『馴れ合い』です。

確かに、馴れ合いはあまり善い状態ではありません。
本来、心の中に起こった怒りを和やかさでごまかすことだからです。


とはいえ、そこから天国的な喜びに移行できればいいのですが、地獄好きな人はちは『恐れ』を手放そうとしないんですよね。

『馴れ合い』への叱咤として持ち出されるのが『もっと危機感を持て!』という指摘です。
程度の差や細かい意味の違いはありますが、具体的な展開は『リスク管理』になります。

智恵を使おうとする点では、地獄からは一歩抜き出せていますが、不安によって人を動かそうとする点には警戒が必要です。

『これをしておくと善いよ』ではなく、『これをしておかないとダメだよ』という語調になっていたら要注意 😊


では、地獄ではなく、気持ちの善い天国的な場所をつくるにはどうしたらいいのでしょう?


端的に言えば、怒りと恐れを手放すことです。


自分と他者との違いにフォーカスして、孤独な状況を引き寄せていると、地獄の釜のフタは開きやすくなります。

まわりへの不信感が、怒りと恐れの原因だからです。


早く行きたいなら一人で行け
遠くへ行きたいならみんなで行け

みんなで行くには進め方が大切です 😊



最後までお読みいただき、ありがとうございました。
 
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自分と相手との違いにフォーカスすることを『相違点凝視』と言い、似ているところに注目することを『共通点凝視』と言います。
相違点凝視は悪いところを見つける欠点凝視になりやすく、共通点凝視は善いところを探す美点凝視になりやすいものです。

集団へのまなざしについては、こちらの記事もどうぞ ▼▼▼


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