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続・季節労働のまち

2022年11月。
丸一日予定のない日があり、ふと思い立って親戚が営む柑橘農園で収穫作業のお手伝いをしました。

この農園は、愛媛県西予市三瓶町にあります。
日当たりが良くて海風もあたる、綺麗に石垣の組まれた段々畑。
甘くて味の濃い、とても美味しいみかんができます。
しかし「三瓶」という地域は高級ブランド産地として名が通っている隣町・八幡浜と比べて価格交渉力が弱く、市場での販売価格がさほど高くならないこともあり、農協を介さず個人で販路を開拓して経営されています。
また、ご高齢により営農を続けられなくなった近隣の農家さんからも園地の活用を引き受け(※)、なかなかな広さの園地を経営されています。

(※ 活用せず耕作放棄地になると、病害虫の発生源になったりイノシシ等の害獣となる野生動物が棲みついたりと、様々な問題に繋がります。)

1日だけのお手伝いはお邪魔にならないかと心配しつつ頼んでみたのですが、思いのほか歓迎していただきました。
園地が広大な事もあって収穫期の労働力の確保に困っており、1日だけ、不定期でもぜひ手伝ってもらいたいという状況だったそうです。

この地域を管轄する農協では、行政と共に長期宿泊施設も用意して全国からアルバイターさんを募集し、各農家さんの需要に応じて派遣するという仕組みもありますが、農協を離れて経営する農家さんは対象外。
それでもハローワーク等で高い時給を提示してアルバイターさんを確保する農家さんもいらっしゃいますが、多くの農家さんは、親戚関係や交友関係を頼りに地域内で労働力確保に奔走されています。
しかし過疎高齢化の激しい地域。
地域内で収穫アルバイトを引き受けられる方の多くは老齢年金を受給されている方々であり、その方々も年々ご高齢により引退されていっています。

地域の特色を活かした産業の、収益の安定性と労働力の確保。
“地域活性化”における課題点を改めて認識した一日でした。

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