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教員採用試験突破法おまけ~指導案の作り方②~

 みなさん、こんばんは。KOHです。前回に引き続き指導案作成の仕方。前回は「生徒観、教材観、指導観とは何ぞや?」という話をしましたが、今回は実際に1コマ分の指導案を作るには、どうするか?という話を書いていきます。

▢「指導と評価」の一体化

 学習指導案を作成する際に、一番のポイントはこれです。つまり、本時(その授業)の目標は何で、生徒がその目標を達成したかを授業のどの段階で、どのように評価するのか?という「目標と評価」がしっかりかみ合っていることが重要です。

 目標と評価項目がズレているの、自分も含めて…けっこう、あるあるですね!笑。

 指導案を見ていると、導入の部分の評価に、「生徒が本時の内容を理解し、授業に臨む姿勢が作れたか?」みたいな評価基準を設定するものを見かけます。しかし、これを書いてしまうと、本時の目標とも関係がないし、授業の中でどうやって生徒のやる気を評価するのか?という話になり、論点がズレてしまいます。

 だから、目標に対して、授業後半のまとめの段階で1つか2つの評価基準を設定するというのがセオリーです。

 そして、本時の目標に対し、生徒の理解度をどうやって評価するか?生徒一人ひとりに発表させるのか?それとも、ノートにまとめさせるのか?レポートを書かせるのか?そして、その際の、どの程度まで発表したり、ノートにまとめることができたら理解したとみなすのか?という評価方法と規準を考えておくことも重要です。

▢記入の仕方

 具体的に添付した様式に沿って書き方を説明します。様式の細かい言い回しや表現は各自治体によって違うようですが、大まかに書いていきたいと思います。

〇「本時のねらい」
 これは教員が考える「その授業での目標」です。生徒に~~を理解させたい。考えさせたいという内容です

〇「生徒に示す本時のねらい」
 これは授業の中で、「本時のねらい」を考えさせるために生徒に対して提示する課題です。

〇「学習内容・活動」の項目
 学習活動の主語は「生徒」です。だから、「生徒が~~する。」という視点でまとめます。

〇「指導上の留意点」の項目
 指導上の留意点の項目の主語は、「教員」です。だから、「教員が~~する。生徒に~~させる。」という書き方でまとめます。

〇評価基準
 指導上の留意点のところに評価基準を記入します。具体的に生徒の何を見て、目標に対する理解度をチェックするか?を付け加えましょう。

例えば、「日本が第一次世界大戦に参戦した理由を理解している。」【知識・理解】(ノートの記述)のような書き方です。この授業では、日本は、なぜ、第一次世界大戦に参加したのか?という冒頭に提示した課題を史・資料を考察させながら考えさせ、最後に、課題に対する答えを生徒一人ひとりに自分のノートにまとめさせました。だから、その「ノートの記述」をチェックして理解度をはかるということです。

▢授業の構成は「導入→学習活動→まとめ」

次に授業の構成について、簡単に見ていきたいと思います。

〇本時の目標の設定
 まず、「本時の目標」を設定します。これは、単元の目標の中に位置づけられます。単元とは「教員が教えたい、考えさせたいという学習内容をまとめたもの」です。教採対策としてオーソドックスな話をすると、その際に、何を教えるべきなのか?ということは、学習指導要領に記載されている通りです。学習内容について、教科書の目次のページを見てみると、各時代や出来事によって項目分けされていますが、必ずしもこれに従う必要はありません。教員が独自に設定していくものです。

(ただ、教科書は教えやすいように内容がまとまっていることも事実ですが…)

 そして、本時の目標はその単元での最終的な目標のために、この授業では何を理解させるか?考えさせるか?を表したものになります。

 小論文を書くときに、最終的な結論を導くために、それを補足説明したり、自分の考えを証明するための補論を2つ、3つ入れるじゃないですか?それと一緒ですね。最終的な大結論が単元の目標。それを導いていくために、それぞれの授業があって、その授業が補論となっているみたいなイメージです。

〇導入
 ここは「この時間はこれをやりますよ!」という本時の目標を明確に提示するということがポイントです。現在はアクティブラーニングを使って、「主体的・対話的で深い学び」を作っていく流れになっています。そのため、授業の課題を設定し、それに取り組ませていく課題解決型学習が求められています。生徒が取り組みたいと思うような課題を設定しましょう。(だけど、これはすさまじく難しいですよね…。)

 問いを作る際には、「なぜ、○○なのに、~~なのか?」という方向で考えると、良いと思います。生徒が考えたいと思わせるために、「揺さぶり」をかけるというヤツですね。例えば、「なぜ、アフリカは資源が豊富なのに、貧しいのか?」みたいな問いを立てて、アフリカ諸国と先進国の貿易について調べさせる、とか、「なぜ、選挙権は今では誰もが持っているのに、明治新政府は選挙権を与えることに消極的だったのか?」みたいな問いです。

 問いの作り方についてはは沢井陽介さん本が勉強になりました。


〇学習活動
 アクティブラーニングは手段であって、「目的」ではありません。「主体的・対話的で深い学び」とは、僕なりの解釈で言えば…

「主体的」とは、生徒が積極的に取り組み、学んだことを活用しようという学ぶ意識、姿勢を重視しているということです。

「対話的」というのは、教師が一方的に話す講義ということではなくて、教員と生徒、生徒と生徒が関わり合いながら学びを作っていくことを重視しているということです。

「深い学び」というのは授業を受ける前と受けた後で生徒の知識、思考、認識、行動が変化していく、また、振り返りを通して生徒自身もその変化を実感していくということを重視しているということです。

 その辺を踏まえた展開が必要です。協働作業として、グループワークをすれば、生徒の学びは深まるかと言えば、そうではありません。それなりの「仕掛け」が必要です。

 以下はアクティブラーニングの具体的な例です。

・グループワーク

・授業内容のプレゼンテーション

・「問い」から「問い」を作る授業構成

・授業の始まりと終わりで、同じ内容をまとめさせ、理解度を可視化する

・導入として、隣の席の生徒同士で前時の復習をさせる などなど

この辺は、この本が勉強になりました。

〇まとめ
 ここは本時の目標に対する評価です。教員が生徒の理解度をチェックし、まとめをして、次の授業に繋げます。

 少し長くなってしまいましたが、今回は指導案の作成と授業の構成について書きました。
 それでは!

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