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きうり天王祭

今年、3年ぶり?に須賀川の風物詩の一つである「きうり天王祭」が開催されました。
他の須賀川の祭りと異なり、これは毎年7月14日に宵祭りが開かれることになっています。
近年はコロナの影響で中止が続いていたのですが(疫病退散のお祭りなのですが^^;)、今年は久しぶりに開催されました。

1年に1度だけの晴れ舞台の、デカキュウリ(笑)。

由来

さて、この「きうり天王祭」は、祭神が石背の國17代國造、豊足彦と言われています。
生前の徳により、旭ヶ岡(現在の須賀川一中の側にある公園)に祀られ、岩瀬天王と称されたとのこと。
生前広いキュウリ畑を持っていたことから、「きうり天王」ともいわれるようになったそうです。

この地方に疫病が流行ったことがあり、人々は尊の祟りであろうと考えて、旭ヶ岡から尊の霊を迎えて祭事を来ない、キュウリをお供えしました。その後は疫病にかかる者はいなくなったとのこと。

以後、毎年7月14日に広場に御仮屋を建て、きゅうり2本を奉納し、供えられた胡瓜1本と交換。それを食べると、病気にかからないと言われています。

そんなわけで、このお祭りに久しぶりに足を運んできたのでした。
何せ、小学校はこの祭りのために(平日であれば)短縮授業になるのが、デフォ。
秋の松明あかしと並んで、由緒ある祭りです。

余談ですが、拙作「泪橋」で主人公の図書亮と忍びの明沢の合言葉に使った「木瓜もっこう」「牛頭ごず」は、このきうり天王の故事に基づいて設定しました。
伝説通りであれば、図書亮の頃(室町時代中期)にはすでにこの故事が伝えれられていたはずで、胡瓜を供えるのは牛頭天王に対して、とも言われています。

現代のきうり天王

まあ、この故事があるからかどうかわかりませんが、当地が全国的なきゅうりの生産地であるのは確かで、農家が近くにあれば、毎年数十本単位の胡瓜攻めに遭います^^;

今年も既にきゅうりがチラホラ我が家に回ってきていますので、また今年もきゅうり責めに遭うことでしょう(笑)。
ところで、御仮屋にキュウリを奉納しにいった途中で見つけたのが、こちら。
御岳山神社の御祭神として、猿田彦命も少し離れたところに祀られていました。
今まで気づきませんでしたが、これだけ立派な祭神であれば、気になります。

そこで側にいらっしゃった禰宜の方にきうり天王との関係を伺ったところ、猿田彦命は、あらゆる祭りで神様の先導役を努めるのだそうです。
その故事に倣い、きうり天王祭でも岩背尊(もしくは牛頭天王)の先導役ということなのでしょう。
猿田彦単独でも、開運の神様という意味もあるようですよ。

楽しみは屋台

さて、祭りのもう一つの楽しみと言えば、屋台ではないでしょうか。
これも約3年ぶりに見かけて、嬉しい限りです(*^^*)
もっともお財布は豊かでないので、ほとんど「見るだけ」ですが……。
久しぶりに回ってみて、屋台の商品の品物の値上がりには、驚きました。

そんな中私がチョイスしたのは、「バルタン焼き」。名前からして、須賀川っぽいです(笑)。

2本のキュウリと引き換えに頂いててきたお供えのキュウリ、団扇。

須賀川でほぼ毎月開催されているRojimaでも時々販賣しているのを見かけますが、要は大判焼きの「ウルトラシリーズ」です。
バルタン焼きは中身がカスタードクリームで、あんこだと「ウルトラマン焼き」。

この他にも、私の中で「ド定番」の「とんちん」のソース焼きそばも、購入したのでした。
(写真は取りそこねましたが……)

そんなこんなで、3年ぶりのきうり天王は、これから賑わいを迎えることと思います。
何よりうれしいのは、また多くの人が楽しんでいる様子が見れたこと。一地方のお祭りかもしれませんが、地元の人にとっては大切な伝統行事です。
これからも、後世にぜひ伝えてほしいものです。

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