正しいもの
神は言われた
「わたしはこの世界を滅ぼすこととした」
人は言った「正しきものが50人いたとしてもこの世界を滅ぼすのですか?」
神「正しきものとはどんなものだ」
人は少し戸惑って答えた「律法を守るものです」
神は言われた「ならばこの世界にはそのようなものはいない」
人は言った「ならばなぜ!律法があるのですか!」
神は言われた「律法は人のためにある」
人は問うた「誰も守れない律法が必要なのですか!」
神は言われた「必要だ、例え子どもが罪を犯すとしても何が正しくて何が間違いか理解しなければならない」
人は叫んだ「ならば正しきものとはこの世界にはいないのですか?」
神は言われた「いる」
人は問うた「いったいそれはどのようなものなのですか?」
神は言われた「おまえには見えないのか」
人は言った「わかりません」
神は答えられた「ならばやはり世界は滅ぼされる」
人叫んだ「神は正しきものがこの世界にいると仰る、ならば正しきものが10人いたとしてもこの世界を滅ぼすのですか?」
神は言った「その10人のために滅ぼすのをやめよう」
人は神の言う正しき人がわからなかった
「どうか教えてください、正しきものとはいったいどのような人なのですか?」
主は言われた「おまえはこの世界のために正しくあろうとした、自分自身が決して正しくない人間である事を知っているおまえが」
「人は獣である、しかしある瞬間獣でなくなる時がある」
「それは自分以外のもののために何かをする時だ」
「それは獣にもあるが人はそれがとても大きい、だから私はおまえを試した」
「人が人を滅ぼす時もあろうが私はあなたのために世界を滅ぼさない」
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