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鉄工の町の親父に教えられたこと

結婚のご挨拶に新潟県の相手の両親宅へ伺った時のことだ。

お父さんからの質問を今でも鮮明に覚えていて、「趣味は何かあるか?」「他に趣味はあるか?」と数回質問されたのだ。歌やギター、園芸など答えが尽きるまで質問された。

長岡市の鉄工場

義父は新潟県長岡市で鉄工場を経営しており、一代で財を築き上げた。それまで貧しかった一家の生活をその手で安定した水準まで引き上げ、今では工場を畳んでしまったが、大きな屋敷に暮らし、8人の孫に恵まれている。

昭和中期に長岡市の一帯は産業地帯として区画整理され、その際、義父とその友人達の世代は次々に鉄工業を立ち上げ、工作機械部品や鋳物製造の事業を営んだそうだ。

第一次世界大戦以降、長岡市は鉄工の町として栄えたが、昭和初期の満州事変で軍需産業化し大きく発展した。第二次世界大戦で長岡市に大規模な空襲があったが、工場の多くは残存し、その後の民間企業の設備投資時代に需要が飛躍的に伸び、鉄工業は発展したらしい。

工場の生産受注は地元の企業に依存していたからか、経営が苦しい工場もあったそうで、時には夜逃げ同然で閉場する経営者もいたという話を聞いた。

その人の趣味を聞け

義父は多くの人を雇って来た過程で、人を見る判断基準に趣味の多様さを重視したと言う。

仕事だけではなく、可処分時間をどれだけ多様なものにあてているかで人間性が分かると言うのだ。そして、ひとつのことではなく、数多く趣味を持った人材は考え方も豊かになるという考えから、人を雇う際に面接で必ずヒアリングしていたそうだ。

その説明を聞いて質問の意図に得心し、長年経営を成してきた年長者の深みある言葉に考えさせられた。

多く趣味を持つ者は、この世界に興味を示す前向きな性格であることがわかるし、未知の領域に踏み入る挑戦の数が多いだろう。行動力があり、物やコミュニティを大切にできる人物だと言える。また、一定の楽しみをそこに見出す事が出来る能力があり、仕事の中に楽しみを見つけ、自発的に働く能力も持ち合わせるだろう。
すなわち普段の生活の中でも、よく気づきを得られる視野を持ち得る人物だろうし、確かに娘の配偶者を見る視点として良い基準だなぁと。

それ以来、その選択された者として、1年に1つ、趣味を増やしていく事にしている。今年はコーヒーを豆から淹れ始めた。

何か新しい事を始める度に、自分の中の何かが刺激され、新しい考えが浮かんでくるし、古い何かに固執していたくなる誘惑が振り払われるようだ。義父の教えは未だに私自身を変え続けてくれている。

始めた趣味系のアクティビティ

ここ数年始めた趣味をご紹介。必要に駆られて始めたものもある。長く続かないものも。特に子供達がいる事で、沢山の始めるきっかけが与えられている。

また別の投稿でそれぞれ語ってみたい。

2014年 

#一眼レフカメラ (nikon D3300購入)

2015年 

#車 (honda Nbox)

2016年 

#デッサン (ステッドラーの鉛筆をしこたま購入)

2017年 

#アクアリウム (稼働水槽4、ビバリウム1、ビオトープ2)

2018年 

#キャンプ (テント、キャンプギア一式購入)

2019年 

#コーヒー (手挽きコーヒーミルを購入)

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