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Versus Covid-19 20200408 緊急事態宣言はマネジメントを変えるか

2020/4/7 安倍総理が緊急事態宣言を発令した。日本で初のことだ。世界各国で見られるロックダウンとは異なり、罰則のある外出規制ではない。

緊急事態宣言、正式には、新型インフルエンザ等緊急事態宣言とは、国民に周知を行うためのツールであり、個別に措置を行うためのトリガーであると定義されている。

1 新型インフルエンザ等緊急事態措置(※)を講じなければ、医療提供の限界を超えて しまい、国民の生命・健康を保護できず、社会混乱を招いてしまうおそれが生じるよう な事態であることを、国民に分かりやすく周知するためのツール。

2 個別の緊急事態措置を行うための第一のトリガー(新型インフルエンザ等緊急事態 措置は、緊急事態宣言の対象期間・区域において、それぞれ個別の根拠条文に従い 運用を判断。)。

(※)新型インフルエンザ等緊急事態措置
1 外出自粛要請、興行場、催物等の制限等の要請・指示(潜伏期間、治癒するまでの期間等を考慮)
2 住民に対する予防接種の実施(国による必要な財政負担) 3 医療提供体制の確保(臨時の医療施設等) 4 緊急物資の運送の要請・指示 5 政令で定める特定物資の売渡しの要請・収用
6 埋葬・火葬の特例 7 生活関連物資等の価格の安定(国民生活安定緊急措置法等の的確な運用)
8 行政上の申請期限の延長等 9 政府関係金融機関等による融資 等

緊急事態宣言は発令が遅かったのか

宣言が遅かったのではないか、と騒がれているが、ほぼこの宣言によって事業者と国民に要望された内容は段階を追って国民に呼びかけたものである。

感染を防ぐために、3密(密閉、密集、密接)を避けること、テレワーク・オフピーク通勤を奨励すること、生活必需品等の買い占めを行わないことなどは、今まで通り意識して継続的に対応する必要がある。

今回の主目的は医療崩壊を防ぐための措置を、法的に設備等の所有者の合意なく行うことが可能となったということだ。感染者の増加傾向から医療機関の設備稼働状況を判断されての発令であった。

専門家との協議は密に行われていたようなので、早かったか遅かったかを素人が一見して判断することは難しいだろう。発令タイミングの是非に関しては、医療崩壊が起きなかったことを持って結果を知ることになる。

また、専門家の見解では、人と人の接触を最低7割、極力8割を減らすことができれば、感染者の拡大を2週間で減少に転じさせることができるという見通しである。

あくまで、2週間後も感染防止を維持しなければならないため、5月の連休までとそれ以降も生活においては注意を継続することが肝要だ。

IT業界における身近な対応事案

日本の企業活動における影響も甚大であり、この宣言によって各種プロジェクトの判断による方針変更が行われている。私が身を置くIT業界SIerも影響が大きく、納期の延伸や作業方法の変更がやむ無くされている。

しかし、設備としてどうしても3密を避けられないような業務が依然残留しており、それらに対する対処は現場から声を上げねば回避ができない。サーバ接続のための高セキュリティルームが広い間取りを確保していないため、作業が立て込んだ場合は多くの作業員が詰め込まれる事態となる。

また、ネットワーク的にリモート接続ができない環境へのアクセスは、通勤した上で操作が必要となる。我々の業界では2人1組での作業がルール化されており、その2名の間隔を開けるなど、限られた環境の中での工夫をする必要がある。

マネジメントに声を届けよう

これらは一例だが、現場で経験した者でないと至らない発想というのは他業種でもおそらく多いものと考えられるので、どんどん現場から声を上げてマネジメントに届けよう。

自身のリスクは自身で回避することは、社会人として当然の務めだ。マネジメントのせいにする前に、自分の身は自分で守ろう。

これは新型コロナウイルス感染症が終息した後にも大きく影響する行いだ。マネジメントへの現場からのアプローチが敬遠されるようなプロジェクトはうまくいかない。マネジメントは現場の声を謙虚に聞き、現場はマネジメントの判断を遵守する。

作業現場における問題は作業員によってもたらされるものではなく、マネジメントの不備による問題がほとんどだ。作業がシステム化されていないために、人的ミスが発生し、問題が引き起こされる。今こそマネジメントを見直す良い機会だ。

感染症対策は、マネジメントの在り方を見直す機会を与えてくれている。今大きく社会が変容を迎えるこの時、現場の声を届けるには絶好の機会だ。臆せず真摯にマネジメントへアプローチすることだ。

Newpicksでは世界各国のロックダウンの状況は紹介されている。見通しは日本に比べてかなり過酷な状況だ。今こそ家族と社会を守るための行動をとろう。



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