マガジン

  • 小説『慧子/Keiko』

    小説『慧子/Keiko』の各エピソードを時系列で収載しています。一人の女性の成長の物語を、脳科学の最新の知見を交え、スパイスリラーの要素を織り込みながら描きます。日本で生まれ育った17歳の少女・慧子はロボット工学の研究者である母に連れられ渡米する。異文化適応、母との確執、両親の離婚に苦しみながらも脳科学の道を志した慧子は独自の仮説を打ち立てるが、不幸な事件のためアメリカを追われる。日本に帰国した慧子は、無意識レベルで自らと他者の脳活動をシンクロさせる能力を備えた日本人少女アオイとの運命的な出会いを果たす。それが慧子とアオイの大冒険の始まりだった。

  • 《手作りアナログ×スマホ撮影》抽象画集

    手描きで造形・彩色した和紙・洋紙と手作りの立体オブジェをスマホカメラで撮影し画像化した抽象画集です。絵画の制作技法やテーマごとに分けてけ投稿していきます。手作りの素朴さと独特の質感のある画像を、是非お楽しみください。

  • ,映画狂時代

    「映画に関することなら、何でもあり」のマガジンです。official trailerとofficial photoが満載の「見て楽しい雑誌」を目指します。よろしくお願いいたします。

最近の記事

小説『慧子』18/嬉しい発見/Keiko 18/Joyful discovery

前回はこちら:  宝生がマグカップをデスクに置き、引き出しを開け、中からノートパソコンを取り出した。 「これは、研究所からの貸与品です。研究所の保安部門が作成したセキュリティ・ソフトを搭載済みです。ご自身の使い慣れたパソコンを使っていただいても構いませんが、その場合は、研究所の保安部でセキュリティ・ソフトをロードしてもらってください」 「このパソコンを自宅に持ち帰ってもよいものですか?」 「もちろん。そのためのセキュリティ・ソフトです」 自宅でも使えるのであれば、パソコンの

    • 小説『慧子』17/宝生グループリーダー/Keiko 17/Group Leader Hosho

      前回はこちら:  いったんはこの職場は今の自分に相応しいと思った慧子だったが、人けの絶えたオフィスですることもなくひとり坐っているうちに、また違った思いが湧いてきた。  アメリカを離れた時は明るく希望に満ちた展開など期待できる状況ではなかったし、期待もしなかった。しかし、小田所長との面談、芦川の言葉、そして、無人のオフィスの索漠とした感じから、慧子の心の中に、展開が悪すぎるのではないかという警戒心のような、不安のようなものが湧き始めていた。アメリカを離れたい一心で、軽率な選

      • 小説『慧子』16/ハグレ者の吹き溜まり/Keiko 16/The hang‐out for deported researchers

        前回はこちら:  所長の秘書に案内された脳機能計測技術研究グループのオフィスは、日本のドラマでよくみる、部屋の中央に向かい合わせにデスクを並べ島を作ったような構造をしていた。  10人分のデスクのうち、人がいるのはひとつだけだった。そこにいた三十前後に見える男性が慧子と秘書に近づいてきた。 「宝生リーダーはどちらですか?」 秘書が尋ねると、若い男性が 「さっき、所長室に行くって連絡があったけど」 と、ぶっきらぼうに答えた。 Keiko was shown to by

        • 抽象画:Color talks to us

        小説『慧子』18/嬉しい発見/Keiko 18/Joyful discovery

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        • 小説『慧子/Keiko』
          18本
        • 《手作りアナログ×スマホ撮影》抽象画集
          10本
        • ,映画狂時代
          2本

        記事

          抽象画:「秩序なき秩序(Disorderly order)

          抽象画:「秩序なき秩序(Disorderly order)

          小説『慧子』15/歓迎されざる客/Keiko 15/Unwelcome guest

          前回はこちら/Previous episode:  日本に着いた翌日、慧子は、新しい勤務先である帝都大学脳科学研究所に出向いた。受付で所長の小田 健斗 博士の秘書が慧子を出迎え、彼女の案内で、慧子は小田を所長室に訪ねた。 The day after arriving at Japan, Keiko went to her new workplace, Teito University's Brain Science Institute. At the receptio

          小説『慧子』15/歓迎されざる客/Keiko 15/Unwelcome guest

          秋色 Autumn color

          秋色 Autumn color

          Something that can be anything

          Something that can be anything

          魂の色 Soul to cplor, color to soul

          魂の色 Soul to cplor, color to soul

          秋色 Autumn colors

          秋色 Autumn colors

          秋色 Autumn colors

          秋色 Autumn colors

          秋色に染まる

          秋色に染まる

          秋色、花盛り Blooming autumn

          秋色、花盛り Blooming autumn

          第10回 クレヨン+水彩絵の具+色鉛筆

          私の素人絵画を描き方の技法ごとに紹介させていただいているこのシリーズですが、前回の投稿から、ずいぶん間があいてしまいました。その間も、ほぼ毎日、何かしら描いていたのですが、諸般の事情で3ヶ月近く新しい投稿がないまま、きてしまいました。 再開します......と申し上げたいところなのですが、3ヶ月の間に技法も色々変わり作品もたくさん出来たので、それを時系列で整理するのはちょっとシンドイというのが正直なところです。 そこで、技法別に紹介させていただくのは、10回という節目の回

          第10回 クレヨン+水彩絵の具+色鉛筆

          小説『慧子』14/不毛の恋の結末と日本行き Keiko14/The disastrousend of a barren love and going to Japan

          前回はこちら/Previous episode  慧子は、博士課程以来の恋人フィリップ・カウフマンにとって、今の慧子は性欲と独占欲の対象でしかないのではないかと疑っていた。それでもフィリップとの関係を断てずにいるのは、自分が父と同じ異性関係での脆弱さを抱えているからに違いない。そう思った慧子は、父のように人生をしくじらないために、今度こそフィリップとの関係を断つ決意をした。 Keiko suspected that Philip Kaufmann, who had b

          小説『慧子』14/不毛の恋の結末と日本行き Keiko14/The disastrousend of a barren love and going to Japan

          第9回 8月24日 直近作(技法色々)

          今回は、特に描き方の技法にこだわらずに、8月24日時点での直近の作品をご紹介します。  まず、前回は制作途中だった立体滴下描法の作品が完成しました。  ふと黒を使ってみたらどうだろうと思いつき、いや、花っぽく見えている絵に黒はないだろうと止めかけたところを、せっかく思いついたののだからと入れてみました。結果的に、画面が引き締まる効果があったように思っています。  次の2作品は、画用紙の上で、水彩絵の具で思い付きで描きつけておいて、後から色鉛筆で仕上げたものです。  ひ

          第9回 8月24日 直近作(技法色々)