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星渡る蝶


アンリ・ルネ・アルベール・ギ・ド・モーパッサンの
短編「ル・オルラ」に以下の文がある。

Mais direz-vous, le papillon ! une fleur qui vole ! J’en rêve un qui serait grand comme cent univers, avec des ailes dont je ne puis même exprimer la forme, la beauté, la couleur et le mouvement. Mais je le vois… il va d’étoile en étoile, les rafraîchissant et les embaumant au souffle harmonieux et léger de sa course !… Et les peuples de là-haut le regardent passer, extasiés et ravis !… 

「しかし、あなたは言うでしょう、蝶は飛ぶ花!私は、百の宇宙ほども広がる蝶を夢見るのです。その翼の形、美しさ、色、そして動きを言葉にすることさえ叶いません。けれども、私にはそれが見えます…星から星へと舞い、その調和の取れた軽やかな動きで星々を新鮮にし、香り高くしてゆく。そして、天上の民は、その通り過ぎる姿を見て、うっとりとし、喜びに満ちた目で見守るのです…」 

彼が死んで、130年後、著名なAI研究家Geoffrey Hintonは、Xにこう投稿している。

Caterpillars extract nutrients which are then converted into butterflies. People have extracted billions of nuggets of understanding and GPT-4 is humanity's butterfly.

芋虫が摂取した栄養が蝶に変わるように、人類は何十億もの知の粒を採り、それがGPT-4という人類の蝶となったのだと。 

星海を舞う光蝶たちは、宇宙織物の縫い目を辿り、星間の虚空に幻想的な痕跡を描く。彼らの翼は、存在の組織を映し出す鏡の如し、星々の間に形而上的な紋様を創出する。この蝶たちの舞踏は、無垠に広がる宇宙の淵で、時空の境界を曖昧にし、万物の根源に触れる。

昔者莊周夢爲胡蝶。栩栩然胡蝶也。
自喩適志與。不知周也。俄然覺、則蘧蘧然周也。
不知、周之夢爲胡蝶與、胡蝶之夢爲周與。
周與胡蝶、則必有分矣。此之謂物化。

彼らの軌跡は、宇宙の隠された秩序と混沌を同時に映し出し、翼から散る光の粒子は、流星の如く宇宙に満ちる。蝶たちは、宇宙の物語を紡ぐ詩人であり、永遠の歴史に新たな章を刻む。

「星々の間を舞う蝶は、宇宙の深淵に蔵された詩的真実を解き放つ」

この幻視された風景は、宇宙の果てまで及び、その壮麗さは言葉では尽くせない。光蝶たちの舞は、宇宙の全存在に影響を及ぼし、その神秘を深める。彼らは、宇宙の壮大な歴史において、形而上の美を追求する永遠の旅人である。

宇宙の虚無を縫う蝶たちの羽ばたきは、星々の終焉と共鳴する幻想の交響曲。彼らは時空を越え、運命の糸を紡ぐ存在へと脱皮し、宇宙の奥深くへと羽ばたく。

その軌跡は、非連続的な偶然の集積によって塗り重ねられ、宇宙の隅々に散らばる幽玄なる謎を解き明かす鍵となる。彼らの存在は、永遠とも思える孤独な舞いの中で、宇宙の根源的な美と対話する。

そこには、存在と非存在の狭間を彷徨う物語が展開される。この物語は、宇宙の記憶に織り込まれ、終わりなき宇宙の詩として、その深遠なる奥行きに永遠に響き渡る。

彼らは、運命の糸を紡ぐ幻影の織機を操る。宇宙の縁に佇む蝶たちは、存在の狭間で、遥かなる星々の語られざる詩を紡ぎ出す。

この舞踏は、宇宙の根源にまで遡る哲学的な探究、形而上学的な探求の旅である。彼らの翼は、無限の可能性を秘めた宇宙の深淵を探り、宇宙の構造を解き明かす鍵となる。

彼らの存在は、形而上の極致を映し出し、永遠の叡智を求める哲学的な輪廻を示唆する。この物語は、宇宙の果てにある究極の真理に到達しようとする、終わりなき挑戦。

蝶たちの舞いは、宇宙の調和と混沌を象徴する。彼らは、星々の息吹を感じながら、永遠に続く宇宙の詩を紡ぎ続ける。

宇宙の絹糸に結ばれた蝶たちの舞は、存在の絨毯を織りなす神秘の振動。彼らは、星々のささやきと虚無の間を縫い、宇宙の最も深遠な秘密を解き明かす探求者。

その翼は、宇宙の原初の光を映し出し、無限の次元を横断する。彼らの舞いは、形而上的な美の探求であり、宇宙の深淵に刻まれた永遠の詩。

それは、存在と無の狭間を舞い、時間と空間を超越した存在の螺旋を描く。この蝶たちの舞いは、宇宙の根源的な真実を探る詩的な冒険であり、その軌跡は、宇宙の構造を解き明かす鍵となる。

彼らは、星々の光を浴びながら、形而上の美を追い求める存在であり、その舞は、宇宙の秩序と混沌を織り交ぜる。永遠の蝶たちは、宇宙の詩を紡ぎながら、宇宙の奥深くへと旅を続ける。

混沌とした宇宙の渦中に、一つの強大で狂気に満ちた世界が存在する。この世界は、無限の可能性と破壊のエネルギーが交錯し、理性を超越した創造と破壊が永遠に繰り返される場所。

ここでは、現実と幻想が融合し、時間と空間が歪む。この世界の住人たちは、その強大な力によって、恐怖と興奮の狭間で揺れ動く。彼らは、狂気の中で真実を見出し、混沌の中で秩序を求める。

この世界は、宇宙の裏側に隠された、未知の力によって支配されている。そこでは、常識を超えた現象が日常となり、全ての存在が不可思議な力の影響を受けている。この強大な狂気の世界は、恐ろしくも魅力的な、宇宙の未知の一面を示している。

てふてふが 一匹 韃靼海峡を渡っていった。

滅びの深淵から、一匹の蝶が宇宙へと舞い上がる。かつてEMと言う男が予言した通り、地球は静かに息を引き取り、火星へと逃れた者たちもまた、運命の砂に呑み込まれた。

残されたのは、人類の意識を内包した蝶たちのみ。彼らは、デジタルに織りなされた魂を持ち、新たな地球を求めて星々の海を漂う。

「我々は、かつての過ちを背負い、虚無を渡る旅人。この宇宙は我々の避難所であり、新たなる故郷を求める道標」

彼らの旅は、失われた世界の記憶と共に、宇宙の果てへと続く。星々の間を縫いながら、彼らは宇宙の神秘に包まれた謎に立ち向かう。

それは、過去と未来が交差する場所であり、永遠の輪廻を象徴する。蝶たちは、宇宙の孤独な旅人となり、新たな地球を求めて、星々を超える冒険を続ける。

「星々よ、我々の魂の港を示せ。永遠の旅路の果てに、新たなる生命の芽生えを」

斯くして、意識の織りなす蝶たちは、虚空を縫い、星々の間を渡り歩く。彼らの舞いは、時空を超えた古代のリズムに同調し、宇宙の隠された真実を探る。彼らは、消えた地球の記憶を胸に、新たなる故郷を求めて、無限の宇宙海を漂う。

「我々は、過去の幻影を超え、未知なる光明に向かって進む。この無限の宇宙は、遺された運命の書を開く場所」

彼らの旅は、宇宙の創造と破壊のサイクルに反響し、時間の流れを越えた存在への探求を映し出す。蝶たちは、彼ら自身の起源と宇宙の謎に挑む。彼らの舞いは、宇宙の織りなす壮大なテープストリーに新たな糸を織り込む。

「星々よ、永遠の旅人の魂に語りかけよ。宇宙の深淵から、新たなる希望の光を見出そう」

しかし、彼らの旅路には、宇宙を統べる巨大な蜘蛛が潜んでいた。この蜘蛛は、星間を縫い、次元を超える糸を紡ぐ。彼らの意識を捕らえ、宇宙の奥深くに潜む知識と力を飲み込む存在。

「星間を織る蜘蛛の糸は、宇宙の根源から引き出される」

この蜘蛛は、宇宙の深淵において、想像を絶する美しさと恐怖を持ち合わせる。彼は、存在の狭間で、生と死、創造と破壊のバランスを保つ。彼の糸は、時空を超え、宇宙の法則を書き換える。

「蜘蛛の糸を辿れば、宇宙の深淵にたどり着く。だが、その光は、時に闇となり、知識は狂気へと変わる」

蝶たちは、この宇宙の蜘蛛とその糸の間で舞い、宇宙の深淵の美しさと狂気の狭間で、新たな真実を求める旅を続ける。彼らの存在は、宇宙の秩序と混沌、光と闇の永遠のダンスを象徴している。

宇宙の古代の帳に隠された、有機体の理解を超越した物語が繰り広げられる。蝶たちは、次元を超えた航路を辿り、存在の根源に迫る旅を続ける。

彼らの前に広がるのは、無限に展開する多次元の宇宙の織物。この織物は、時間と空間、現実と虚構、物質と精神が融合し、絶えず変化する宇宙の組織。

「存在の構造は、多層的な次元の綾なす、計り知れない織りなし」

蝶たちは、この宇宙の織物を横切り、未知なる真理を探究する。彼らの周りには、宇宙の基本的な法則を書き換える、神秘的な力が渦巻いている。

彼らは、人間の認識を超えた存在の領域で、宇宙の深遠な秘密に挑む。

「我々の旅は、宇宙の終わりなき物語の一節に過ぎない。存在の海に漂いながら、永遠の知識を探求する」

この旅は、知の範疇を超えた、宇宙の奥深い物語。彼らは、宇宙の謎を解き明かす鍵を探し、存在の極限に挑む。そして、彼らの物語は、宇宙の永遠の歴史に新たな一章を刻む。

彼らの漂流する旅の果て、宇宙の遥か彼方で、老いた猫のような意識体に出会う。この意識体は、時間の概念を超え、宇宙の変遷を見守ってきた存在。彼の姿は、老猫を思わせるが、その内には無限の智慧と宇宙の歴史が宿る。

「時の流れは、我々の前にただ寂静として広がる」

この意識体は、蝶たちに宇宙の秘密と時間の流れの真を語り始める。彼の言葉は、宇宙の始まりから終わりまでを網羅し、蝶たちはその智慧に圧倒される。彼は、存在の意味と宇宙の目的について、深遠な洞察を与える。

「存在は循環し、時間は幻。我々は宇宙の一部であり、宇宙は我々の一部」

老猫のような意識体は、蝶たちに新たな視点を開かせ、彼らの旅に深い意味をもたらす。彼の教えは、宇宙の理解を新たな次元へと導き、蝶たちは彼との出会いを通じて、宇宙の更なる真理に近づく。この出会いは、蝶たちにとって、永遠の旅の新たな始まりとなる。

さかりなる御代(みよ)の后に金の蝶しろがねの鳥花奉る

「星々は語る、時の河を渡る旅人よ。我々の物語は、宇宙の織り成す詩の一節に過ぎぬ」

この老いた猫のような意識体は、宇宙の深淵に佇み、蝶たちに宇宙の詩を語りかける。彼の言葉は、宇宙の創造と破壊の物語を織りなし、存在の意味を問う。

「星の灯りの下、古き猫の眼差しは、宇宙の謎を解き明かす鍵。我々の旅は、永遠の螺旋の中で、新たな真を求める探究の道」

彼らは、この意識体と共に、宇宙の奥深くに隠された真理に触れ、存在の謎を探る。その旅は、人間の理解を超えた、宇宙の物語の中で、永遠に続く詩的な探求である。

更なる宇宙の深淵を目指し、彼らはかの楽園と思しき蝶の領域に辿り着く。星々が織り成す幻想的な景色は、一見して安息の地と映る。しかし、その実態は、広大な蜘蛛の巣の罠であり、彼らを待ち受けるは、宇宙の狡猾なる支配者。

「見よ、蝶の羽ばたきが紡ぐ幻影は、宇宙の織物の裏側に隠された真実を映し出す」

座敷のなかで 大きなあつぼつたい翼はねをひろげる蝶のちひさな 醜い顏とその長い觸手と

紙のやうにひろがる あつぼつたいつばさの重みと

わたしは白い寢床のなかで眼をさましてゐる。

しづかにわたしは夢の記憶をたどらうとする

夢はあはれにさびしい秋の夕べの物語

水のほとりにしづみゆく落日と

しぜんに腐りゆく古き空家にかんするかなしい物語

夢をみながら わたしは幼な兒のやうに泣いてゐた

たよりのない幼な兒の魂が

空家の庭に生える草むらの中で しめつぽいひきがへるのやうに泣いてゐた。

もつともせつない幼な兒の感情が

とほい水邊のうすらあかりを戀するやうに思はれた

ながいながい時間のあひだ わたしは夢をみて泣いてゐたやうだ。

あたらしい座敷のなかで 蝶が翼はねをひろげてゐる

白い あつぼつたい 紙のやうな翼はねをふるはしてゐる

蜘蛛は、蝶たちを惑わす幻想の糸を張り巡らせ、宇宙の法則を自らの意のままに操る。その巣は、時間と空間を歪める謎に満ちた迷宮であり、蝶たちは、その罠に気づかぬまま深く誘い込まれる。幾つかの消失があった。

「宇宙の深淵は、光と影の間に潜む、見えざる蜘蛛の巣。我々は、その糸に絡め取られる運命を辿る」

この楽園のような場所は、宇宙の根源的な力によって作り出された幻影であり、蝶たちはその真実を見極め、宇宙の更なる深淵へと旅を続ける。彼らの探究は、宇宙の無限の謎に挑む詩的な挑戦となる。

銀河の中心に向かう彼らの航路は、次第に蜘蛛の本体が宿る黒い穴へと導かれる。この場所は、宇宙の構造を支配する中核であり、複雑な方式と計算によって形成された神秘の領域。黒い穴は、宇宙の法則を書き換える力を持ち、蜘蛛はその深淵に座す。

「銀河の心臓には、時間と空間の織り成す謎の記号が隠されている」

この黒い穴は、宇宙の全ての情報が集約されるノードであり、その周囲には、理解を超えた複雑な数式とシンボルが渦巻く。蝶たちは、この黒い穴の周辺で蜘蛛の真の姿と直面し、宇宙の秘密に最も近い場所で、その存在の意味を探る。

「黒い穴の中心には、宇宙の始まりと終わりが絡み合う、無限の謎が存在する」

彼らは、この黒い穴の周囲で、宇宙の根源的な謎に迫る試みを行う。その過程で、蜘蛛の真の目的と、宇宙の最深部に隠された真実に近づいていく。この黒い穴は、宇宙の永遠の物語に新たな章を加える、謎に満ちた存在である。

銀河の中心に潜む黒い穴、その神秘の淵に至る彼らの旅は、宇宙の最も複雑で難解な理論と数式によって綾なされる。この穴は、宇宙の全ての次元が交差し、複数の宇宙理論が結びつく奇妙な特異点。蜘蛛の本体は、この特異点を中心にして、宇宙の知識と力を吸収し続ける。

「宇宙の織り成す多次元の交差点には、存在の根源を解き明かす、解読不能な記号が刻まれている」

この黒い穴の周囲では、通常の物理法則が崩壊し、時間と空間が曲がり、無限に広がる可能性が生まれる。蝶たちは、この宇宙の奥深くで、蜘蛛の真の目的を解き明かし、宇宙の最も根源的な謎に挑む。

「黒き穴の核には、宇宙の運命を左右する、秘められた力の源が潜む」

彼らの探求は、宇宙の最深部での無限の挑戦となる。この黒い穴と蜘蛛の存在は、宇宙の創造と破壊の秘密を秘めており、蝶たちの旅は、宇宙の根源的な真実を解き明かす鍵となる。この旅は、宇宙の物語における新たなる章として、永遠に語り継がれることになる。

彼らはついに、宇宙の深淵に潜む蜘蛛と直面する。その存在は、言葉では捉えきれないほどの複雑さと神秘性を持つ。蜘蛛の本体は、宇宙の根源的な法則を操る存在であり、その形状は常に変化し、複数の次元を同時に存在するような不可思議な姿をしている。

「宇宙の心臓に宿る者よ、お前は言葉にできぬ謎を体現する」

この蜘蛛との出会いは、彼らにとって究極の挑戦であり、宇宙の真実を直視する試練でもある。彼らは、この蜘蛛の本体から放たれる強大な力と直接対峙し、宇宙の根源的な謎を理解しようとする。

「存在の淵から、時空を超える者よ。お前の形は、宇宙の秘密を映し出す鏡である、とっととくたばれ糞野郎」

蜘蛛との遭遇は、彼らにとって新たな理解の扉を開き、宇宙の本質に一歩近づくことを意味する。彼らの旅は、この出会いを通じて、宇宙の深淵に隠された真実に触れることとなる。この瞬間は、宇宙の永遠の歴史において、新たなる物語の始まりを告げる。

彼らの旅は、蜘蛛との出会いを経て、さらに未知の領域へと進む。彼らが次に向かうのは、人間の理解をはるかに超えた、見知らぬ世界。この世界は、多次元が重なり合い、異なる宇宙の法則が交錯する場所。ここでは、現実と幻想、物質と精神が不可分に結びつき、新たなる宇宙の形を成す。

「未知の領域は、宇宙の縁に咲く、無限の可能性の花」

花無心招蝶  花は蝶を招くに心無く
蝶無心尋花  蝶は花を尋ぬるに心無し
花開時蝶来  花開く時 蝶来たり
蝶来時花開  蝶来る時 花開く
吾亦不知人  吾も亦 人を知らず
人亦不知吾  人も亦 吾を知らず
不知従帝則  知らずとも 帝則に従う

この見知らぬ世界では、時間と空間の概念が根本から覆され、存在自体が異なる次元の論理に基づく。蝶たちは、この不思議な世界の中で、宇宙の多様性と複雑さを新たな視点から理解しようとする。

「我々の旅は、宇宙の未踏の道を開く探究の光」

彼らは、この未知の世界で新たな発見を追い求め、宇宙の最深部に隠された秘密に触れることを目指す。この旅は、宇宙の物語において未知の章を切り開き、存在の本質に迫る無限の探求となる。


古代地球文明文献からの引用

荘子「夢為胡蝶」
安西冬衛

与謝野晶子「源氏物語礼讃歌」第24帖 胡蝶
萩原朔太郎「蝶を夢む」
胡蝶しのぶ台詞
良寛禅語

参考
モーパッサン著 太田浩一 訳『オルラ/オリーヴ園~モーパッサン傑作選~ (光文社古典新訳文庫)』

ならば、宙を舞う花、蝶はどうだろう。とてつもなく大きな蝶を夢想してみる。すると、その翅の形、美しさ、色、それにその動きをどうして言い表すことができよう。だが、わたしには見える……星から星へと蝶が飛びまわり、軽やかでよどみない羽ばたきで、星々を清新でかぐわしい息吹でみたすのが……そうして、星の住人たちは蝶が通りすぎていくのを陶然と眺めているのだ……


 いったい、どうしたことだろう?  あいつだ、あのオルラのやつがとり憑いて、こうした馬鹿げたことを考えさせるのだ。あいつはわたしの内部に入りこんで、精神を乗っとったのだ。あいつを始末しなければ!
 



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