成長のためにシリーズ⑤:「継続」について

成長するために大切なことをお伝えすることを目的としてスタートした「成長のためにシリーズ」ですが、過去4回の中で下記について触れてきました。

・成長の起点は「選択する」ことであること
・そのため「選択する力」が重要であること
・「選択する力」は経験を通してしか得ることができず、人生において「選択する」経験をたくさん持った方が良いということ
・そして、その選択する内容として「挑戦」を伴うものであることが大切であること
・さらには「挑戦」とは自らがやったことがない要素を含んでいる試みであること
・「挑戦」を阻む「不安」や「恐怖」を乗り越えるには結果に固執しすぎず「楽しむ」ことが重要であること
・「挑戦」を効果的に成長に繋げるためには「目標」が大事であること
・多様な現代社会において「目標」を適宜変えていく柔軟な生き方も必要ということ

これまでのキーワード並べると「選択」「挑戦」「目標」になると思いますが、成長のために大切なこととして最後にお伝えしたいこと、それが今回のテーマ「継続」です。

成長サイクル

過去4回の「成長のためにシリーズ」の中で所々で触れていたことですが成長のためには次の成長のサイクルをできるだけたくさん回すことが重要だとお伝えしてきました。

「選択」→「挑戦」→「成功・失敗(不安・恐怖の克服)」→「学び」→「選択」→「挑戦」・・・

例えば、サッカーをしている子供の話を例にすると以下のようになると思います。
①選択
サッカーをやる。でも、上手い子がたくさんいるチームとそうでないチームとどちらに行こうかな。。。
②挑戦
自信はないけどサッカー上手くなりたいから上手い子がたくさんいるチームに行って上手い子から学ぼう!
③失敗
入団してすぐの練習で味方のパスをうまくトラップできず、ボールを取られてしまった。。。それからパスが来なくなった。。。
④(不安・恐怖の克服)
前回の練習でうまくできなかったな。。。次の練習行きたくないな、、、でもサッカーが好きだから行こう!
⑤学び
前回なぜうまくトラップできなかったのかコーチに聞いてみよう。トラップの上手い子のプレイを観察しよう。
(その日の練習後)
⑥選択
トラップのやり方がなんとなくわかったぞ!次回の練習ではこれを試してみよう。

上記の形で「選択」→「挑戦」→「成功・失敗」→「学び」→「選択」→「挑戦」、、、を繰り返していく中でこの子は何も考えずに毎日サッカーしている子に比べれば成長のスピードが早いと思います。

さらにこの時点でのこの子の「目標」はサッカーが上手くなりたい、ということですが成長していくにつれ、ただ上手くなりたいから「チームとして勝ちたい」「リーグ戦で優勝したい」「もっと上手くなるためもっと強いチームでサッカーがしたい」と目標が変わっていくのだと思いますし、その手段として「選択」「挑戦」の中身が変わってくるのだと思います。

そして、大事なことは人の人生は有限であること、誰しも一日24時間しかないことであり、だからこそこの成長サイクルをできる限り早く回すことが重要になってくるのだと思います。
別な言い方をすればそのサイクルをたくさん回したもの勝ちということです。

「継続」の必要性

では、成長サイクルをたくさん回すにはどうすれば良いか。
実はそれが今回のキーワードである「継続」なんだと思います。

成長サイクルは一回で終わっては成長もそこで止まってしまいます。
また一回成長サイクルを回し、しばらく経ってからまた成長サイクルを回すのはどうでしょうか。
個人的にはそれも一回で終わっているケースと変わらないと思います。なぜなら人は忘れる生き物であり、1回目と2回目の成長サイクルの間に時間が空けば開くほど1回目の成長サイクルで学んだことは忘れている確率が高くなり、2回目において出戻りが発生してしまうと思います。

先ほどの少年サッカーのケースに当てはめてみましょう。

①1回目の成長サイクルでトラップの仕方を学び、トライしてみた結果上手く行った!

で終わってしまったとしましょう。
この子はトラップができたことで満足してしまったのです。
しかし、サッカーにはトラップだけではなく、パスもあればシュートもあればその他にもたくさんの要素がありますがそこへ挑戦することを選択することをやめてしまっています。
さらにトラップひとつ取っても一回できたからといって全てのケースでできるとは限りません。強い球のトラップ、高い球のトラップなど色々な技術が求められますがそこに挑戦する選択もしていません。

その状態で特に何の意識もせず1ヶ月が経ったとしましょう。
そんなある日その子は試合中に高いパスが来ましたが上手くトラップできませんでした。そして、どうすれば良いだろうと考えているとふと普通のトラップの仕方も忘れてしまっていることに気づきます。

なぜこんなことが起きるかといえば私個人の考えでは多くのケースで「学び」には連続性、繋がりがあるということだからだとです。

つまり普通のトラップと強い球のトラップ、高い球のトラップには技術的な繋がりがあり、積み上げていくものということです。

それは学校の勉強にも当てはまると思います。
漢字を学ぶ前にひらがな、カタカナを学びます。数学を学ぶ前に足し算、引き算を学びます。

そのため成長サイクルを回し続ける「継続」が非常に重要になってくるということです。

「継続」とは習慣

では、成長サイクルを「継続」させるとはどういうことか。
それは習慣化するということに尽きると思います。

朝起きて顔洗い、歯を磨き、トイレに行き、ご飯を食べて学校にいく、と同じようにサッカーが上手くなるという目標・目的のためにどんな挑戦をしなければならないか練習の度、試合の度に考え、その挑戦を練習や試合で実践する。そして、結果を受け止め、学びを得て、次の挑戦に繋げていくことを毎日の生活の中で習慣化するということです。

逆にいえば習慣になるまで継続することが重要だということであり、習慣にできた人が人より秀でていくということです。

「習慣」は人生最強のツール

習慣になっていないことは忘れがちですし、忘れてしまった時の自己嫌悪感はかなり嫌なものです。そして、その自己嫌悪感を感じたくないので成長サイクル自体をやめてしまう人もいると思います。

ですが逆に習慣化に成功した人は実はそれら全てから解放されます。
生活の一部になっているため義務感もなく、実は忘れることもなくなり、自己嫌悪感を感じることもなくなります。それどころはその良い習慣のおかげで自分自身の成長を日々実感し、とても楽しい毎日になると思います。

私は以前にも書きましたが人の能力は生まれた時点では大きく変わらないと思います。仮に体格・骨格・筋力・集中力などにおいて多少の差異があったとしても自分を理解した上で自分に合った後天的な努力により十分カバーできる範囲だと思います。
さらにいえば個々人個別に弱みがありますので弱みがない完全な人などいませんのでそれぞれが自分の強みを活かしたり、弱みに対して後天的な努力が必要であることは変わりがないのです。

また、その後天的な努力自体を習慣化することが重要ということです。

子育てに唯一無二で重要なことは良い習慣づくり

以前少し触れたかもしれませんが私自身小学生と中学生の子供がいる子育て真っ最中の親です。
その子育て生活の中でたくさん自分の子供と向き合い、子供の友達などを見る機会もありますが成長における差は明らかに良い「習慣」づくりをしているかどうかだと感じます。もちろん良い習慣をしているからといってすぐに目に見える結果に繋がらないのも事実ですが、うさぎとかめの話ではないですが中長期的には必ず差がつくのも事実です。

基本的な生活習慣である、顔を洗う・歯を磨く・ご飯を食べる・早寝早起きをするなどに加えて、遊びは宿題などすべきことが終わってからする、学んだことはきちんと自分なりにノートにまとめる、やると決めたことは最後までやり通すなど成長サイクルを習慣化することもそうですし、さらには意識の習慣として人のせいにしない、人に聞く前に自分で考える、できることは自主的に自分でやる、などなどこれらのこと全てが習慣化になるうる要素だと思います。

そして、その習慣化が何よりパワフルなことは親元を離れた後もその良い習慣は続き、一生その子の人生を支え続け、その子が人生の中でどんなことに挑戦しようとも必ず成功に導く最強のツールになると思います。

一方で上記のような良い習慣に反して、あまりよくない習慣をつけてしまった場合はどうだろうか。
朝起きても顔も洗わない、歯も磨かない、ご飯もきちんと食べない、さらに早寝早起きもしない、学校から帰ってきたらとりあえずゲーム、そして、その後ずっとゲームをしている。
何か悪いことが起きれば親のせい、友達のせいにし、学校の支度から自分の身の回りの片付けなど全てを親にやってもらっている、そのような生活をしている子供は学校の勉強にも集中できないのでみるみる学力が低下するでしょう。さらに虫歯がたくさんでき、咀嚼能力も低下し、その影響で脳の成長にも影響が出るかもしれません。なんでも人頼りなのに人のせいにしていると友達から嫌われる可能性も高いでしょう。
このようになる原因は親の過干渉も関係していると思いますが、話すと長くなるためその話はまた別の機会にしたいと思います。

つまり親の子育てにおける唯一の仕事はこの「習慣づくり」なのだと最近強く感じています。

子育てにおける習慣づくり

では子供に良い習慣を身につけてもらうために親にできることはなんでしょうか。私なりの考えを以下にまとめてみました。

①率先垂範
子供は親が思っている以上に親を見ています。それも上っ面だけではなく意外と本質を見ているので上っ面だけ取り繕ってもバレています。
言うより示す。まず何より親が良い習慣を持って生活をすることが大事です。
早寝早起きなど基本的な生活習慣だけではなく、絶えず何かに挑戦している姿勢を示すこと、人のせいにしないなど正しい思考を示すことが何より重要だと思います。


②情報の提供
子供はどんな習慣が自分にとって良いか最初はわからないものですのでどんな習慣が大事かをその理由を含めてきちんと説明することが重要だと思います。
単純に早寝早起きしなさい!ではなく早寝早起きをすることの利点、規則正しい生活を作る土台であり、自分の体調が良くなること、成長ホルモンがたくさん分泌され、その結果体が大きく・強くなること、疲労回復することなどなど、そのような情報をきちんと伝えることが重要だと思います。
そのためには親もきちんとそれらを理解していなければならないですし、だからこそ親が実践する「率先垂範」が重要と言うことだと思います。


③子供に選択させる
成長サイクルの起点として「選択」の重要性について触れましたが習慣作りにおいても子供が自分自身で選択する形を取ることが重要だと思います。②でお伝えした基本的な情報を踏まえ、子供がどうするか選ばせることが重要だと思います。


④「しなさい」ではなく結果
子供が選んだことについて実践しなかったからといって「XXXしなさい!」と怒鳴り散らしても意味がありません。
それより選択しようが選択しなかろうが、選択したことを実践しようとしなかろうが、その時点では親は何も言うべきではないと思います。
それよりその良い習慣を選択しなかった、選択したが途中でやめてしまったことによって起きる結果に着目すべきだと私は思います。
得てして良い習慣で日々過ごさないと健康を害するものですし、何かに挑戦していてもなかなか上達しないと言う結果、つまり失敗につながることが多いです。
そして、そのタイミングで子供は必ず学ぼうとしますので、その時こそ親はが手を差し伸べるチャンスなのだと思います。


これまでお伝えしてきた成長サイクルそのものなのですが、
選択:子供が良い習慣を選択しなかった(選択したが途中でやめた)
失敗:その結果体調を崩した
学び:体調を崩さないようにするためにどうすればいいんだろうか?
←ここです!

このタイミングでどうすれば体調を崩さずに済むかの情報を提供するのが親の仕事だと私は考えます。
これは俗に言う「転ばぬ前の杖」を出さない、あえて転ばせて学ばせると言うことだと私は思います。

つまり、このタイミングまで口を出さず、ぐっと我慢すること、そしてタイミングがきた時に情報提供だけに徹して、親が決めないこと、それが重要なのだと思います。

とはいえそれがとてつもなく難しいのですが。。。。笑

まとめ

成長のためシリーズとしてこれまで全5回に分けて私なりの考えをまとめてきました。

・選択が成長の起点であること
・だから選択する力を身につけることが大切と言うこと
・選択する内容に「挑戦」の要素が含めれていることが大切と言うこと
・「挑戦」を効果的に成長に繋げるために「目標」が大切であること
・「選択」→「挑戦」→「結果(成功・失敗)」→「学び」の成長サイクルが成長に必須であること
・成長サイクルをたくさん回せた人ほど成長すると言うこと
・成長サイクルをたくさん回すには成長サイクルを習慣化しなければならないと言うこと
・子育てで親が最も注力すべきは成長サイクルを含めて良い習慣を作ること
・良い習慣づくりのために親ができることは情報の提供のみで子供に選択させることが重要であること

上記はあくまでも私自身の子供の頃や大人になってからの経験もしくは試行錯誤しながら自分の子供を育てた経験からですので必ずしも合っているかどうかわかりません。

また、実際に上記を意識しながら生きている自分自身から見ても実際に実践することは容易ではないと感じています。
所謂「言うのは易し」の典型だと思います。

ですが、これこそ挑戦であり、失敗してもそこから学び、日々少しでも成長できるように取り組むことが大事なんだと思います。
斯くいう私もこれまで良い習慣を身につけようと何十年も努力してきましたが未だに習慣レベルに定着できていないものも多数あります。

人の人生は死ぬまで終わりはなく、人生の形に完成形はないと思いますし、完成したと思った時点で成長が止まり、成功の果実を味わうことができなくなるんだと思います。

私もまだまだ本当の意味での成功の果実を味わったことがありませんのでこれからもいろいろな方面で自分が貢献できることをきっちりしていきたいと思っていますし、そのための成長サイクルを回し続けたいと思っています。(成長のためにシリーズをまとめ出した理由もこの辺りにあります。)

以上、成長のためシリーズを一旦ここで終わりたいと思いますがこのシリーズの中で別途触れるとお約束した、「不安」や「恐怖」への私なりの対処方法、親の子供に対する過干渉、についての私なりの考えはいつかお伝えできればと思っております。

以上、ここまで読んでくださりありがとうございます。
あなたの人生がより豊かになることに少しでも貢献できればと思います。

終わり



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