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かと
2023年3月2日 04:59
初めから持ってなどいなかったものをある日ふと「無くした」だなんて言ってみる私達は、その重たい前髪から覗かせた小さな目が、光の機微でたまたま誰かがそちらに頷いた錯覚を捉えようものなら、次は心做しか先程より大きな声で、それはそれは嬉しそうに「奪われた」などと言い出すのでしょうね。あなたが例え花に生まれていたとしても、その花弁は本来もう少し鮮やかに色づくべきもので、あなたが例え木に生まれていたとして