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おもてなしとUX

イントロダクション

気づけば今年も12月になっていました。一年が本当に早くて少し驚いています。今年は色々あり、全然noteの更新まで手が回っておりませんでした。書きたいことは沢山ありますが、まさにネタの積読状態になっています…。

ちなみに、ネタを上げると「補聴器ユーザーになり、ユーザの視点で補聴器について考えてみた」「行動変容のためのデザイン」そして、今年初頭に宣言したネタ「脳の観点から見た先端デバイスと人間中心設計」「ShapesXRを使ってみた」「私の流行語大賞2022」この辺が輪郭づいてきているので今年のネタは今年の内にかければいいなぁと思っております。

いや、出来る範囲で書きます。。。(僕の1年をセンチメンタルジャーニーマップに落とす、みたいなこともやりたいですけどね。)

本題です。

実はnoteを始めたばかりの頃、おもてなしについては書いたことがありました。

あれから約2年ほど経ったわけなんですが、先日同い年のデザイナーの人と久しぶりに1on1をやった時のこと。

僕「いやー、久しぶりですね~。だけどAさんと話すときは沈黙があっても別に苦痛じゃないんですよね。むしろ言葉で沈黙を埋めなきゃいけない時の方がしんどいというか…」
Aさん「そうですね~、あれ、なんなんでしょうね」
僕「僕たちの間が合うんじゃないですかね~」
Aさん「ほほう、間ですか。」

とある日の1on1

こういう会話をしたのですが、「間」ってある種、人が持つ「おのおののタイミング」ではないかと思っています。漫才を見ていると普通に話しているだけなのに、めちゃくちゃ面白いコンビが居たりしますが、「間」の取り方が絶妙なんだろうと思うんですよね。

これって相手を見て、ボケや突っ込みを入れるタイミング、これがオーディエンスとコンビの「間」ですし、コンビ同士の「間」でもあるわけです。そんなことを話していますと…

Aさん「そうですよね、確かに高級なお店に行くと自分が頼みたいタイミングに合わせて、すっと店員さんがやってきますもんね。だけどこれが居酒屋とかだと大きな声出さないと来てくれない。もしかするとその辺りが高級店やチェーン店などの一つの目安になっているのかもしれないですね」
僕「おもてなしレベルの差ってことですかね?そういえば昔おもてなしとUXをテーマにコラムを書いた事あったんですよ」
Aさん「へぇ~面白そうですね」

とある日の1on1

そこから久しぶりのテーマ「おもてなしの心とUX」の話になっていきました。

今思う「おもてなしとUX」について

そもそもおもてなしって何でしょうか?言葉が持つ意味を捉えるとこのような記載がありました。

広辞苑によると、おもてなしの語源は、とりなし、つくろい、たしなみ、ふるまい、挙動、態度、待遇 馳走、饗応とあります。平安、室町時代に発祥した茶の湯から始まったと言われ、客や大切な人への気遣いや心配りをする心が築かれた世界に誇れる日本の文化といえます。
「おもてなし」は、「もてなし」に丁寧語「お」を付けた言葉であり、その語源は「モノを持って成し遂げる」という意味です。また、「おもてなし」のもう一つの語源は「表裏なし」、つまり、表裏のない「心」でお客様をお迎えすることです。

株式会社おもてなし道HPより

意味としては、上記の通りだと思います。

おもてなしがUXを破壊する?

人間中心設計の中に「利用状況」と言う言葉があります。大前提であり、最も重要な言葉だと捉えていますが、要はどの状況で、誰に対しておもてなしを発動するのか?ここをもう少し深く考えなければ、おもてなしはある意味UXを逆に破壊してしまうのではないか?と思うようになりました。

究極を言いますと「人は欲しい時に、欲しいものを、欲しいタイミングで、労力をかけずに欲しい」のだと思います。そこで人それぞれが持つ「間」もモノを言うなと思います。つまりは、欲しくない時におもてなしを受けても困っちゃうというわけです。

最近あまり遭遇しないですが、街角で信号待ちをしていると知らない人が寄ってきて「あなたの幸せを祈らせてください」と言われることがありました。あれもある種のおもてなしなんです。ですが、こちらとしては別に祈ってほしいと思っていないわけで、むしろ「ちょっとめんどくさい」とか「変な勧誘を受けるのでは」とむしろ邪推してしまう結果になります。

あなたのためを思ってやったのに!みたいなケースあると思いますが…

つまり相手の利用状況に入った時(行先が決まった時)に初めておもてなしというのは効力を発揮するのです。そこからはユーザーをもてなすことでよいUXを目指していけるという風に思います。そこで相手の「間」に沿ったタイミングでサーブすることがより良いおもてなしにつながっていきます。

飲食店であったりホテルであったり、接客を要する場合は、相手の様子を直接見ることができますが、デジタルプロダクトやデジタルサービスである場合は多数を相手にするので猶更ユーザーを見る、ユーザーに聞く事が大切です。

それは事前にユーザーモデル(ペルソナ)を組み、ペルソナの「間」を鑑みたおもてなし設計をするにせよ、仮説に基づきおもてなしをしてみて評価をもらうにせよやり方や順番は色々ありますが、要は「相手の利用状況にマッチした時どうおもてなしする?」という事がおもてなしを良いUXにつなげていく事になると思います。

Aさん「デザインすることはおもてなしなんじゃないかと、私も常々思う事があります。プレゼントをあげるときに、何が欲しいですか?と聞いてしまっては野暮だし、好きな物でも既に持っているモノでは意味がないので、相手を良く知って喜びそうなものを考えるのに似ているなと。」

スマホアプリやLINEでも、やたらめったら通知がなる、配信が来る…となるとやはりうざいなと思ってしまうのが人の心だと思います。相手の「間」を加味しないおもてなしはやはりUXを壊してしまう。カレーが食べたいのに、お茶漬けが出てくると「ん~…」となってしまいますよね。

さいごに

気づけば2022年も後1か月を切りました。ご多分に漏れず毎年年末はあわただしくなりますが、納得いく形でnoteも発信して行きたいです。去年はWEBディレクターズガイドの終盤を書いていたと記憶しています。1年の巡りは早いなぁ~と本当に思いますね。

今後もあなたの利用状況に合わせて読んでいただき、これまでエントリーした記事があなたにとってのおもてなしになればこの上なくHappyです!

久しぶりの更新になりましたが、ありがとうございました!


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