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高山唯
2023年2月12日 19:38
この街でたった一人私のことを呼び捨てにする人が死んだ。その人は、入社当初のピチピチの私に開口一番、「ガタイがええなぁ!」と笑いかけた。目の前に黒焦げになったクッキーがある。作ったのは私である。一つつまむと、食べなくてもわかる焦げの味だった。顔をしかめてもう一つ食べる。おいしくはないが、不味いわけでもない、ノーマルな焦げの味。私には製造者としての責任があるんや、ともっとも