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おいでよ、舞台の森

#わたしの舞台裏

明日は休みだし久々にじっくりnoteを読もうかなと思い、アプリを開いて最初に目に入った言葉。
ハッシュタグをタップした先に広がるのはたくさんの舞台裏たちだった。恥ずかしながらさっきこのイベントを知り、私は今、目をギラギラさせながらスマホと睨めっこしている。
なぜ、そこまで強い思いを持ってこのnoteを創るのか。


私は、舞台に立っている演劇人だ。


「#わたしの舞台裏」という今回のタイトルにぴったりの活動を続けて4年。役者、時に演出として作品に関わらせてもらっているが、皆さんが舞台上の世界に集中している間、舞台裏では本当に色んなことが起きている。

今回は私がこれまで経験した舞台裏のあれこれを紹介したいと思う。これを機に、あなたも舞台の楽しさを少しでも感じてもらえたら嬉しい限りである。


小道具紛失事件


これは次のシーンまでに用意しなければならない小道具が突如行方不明になった事件。普通なら電気をつければ探しやすくなるが、公演中は妨げになるため全ての電気を消している。よって暗闇の中、無音で探すことになる。
これは私だけかもしれないが、何故か普段絶対置かない所で発見される。


上手と下手、泥棒移動


舞台には左右を区別する上手(かみて)、下手(しもて)と呼ばれる立ち位置がある。
客席からみて左側が下手、右側が上手なのだが、舞台裏ではこの2つを繋ぐ渡り廊下のような通路がある。

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10分クオリティの画像でお伝えすると水色の線が通路だ。舞台は「舞台」という決められた空間で物語の世界観を魅せなければならないため、例えば上手を「玄関」と設定した時、下手から「ごめんくださーい!!」と言って入るわけにはいかない。
なので、シーンが変わる数分の間に着替えて反対の立ち位置にいなければならないということも多々ある。私の場合、そういう時は靴を手に持って抜き足差し足忍び足で通路を歩く。その姿は正しく泥棒と言えるだろう。


待機中は人それぞれ

物語には必ず登場人物がいる。主役などセリフが多い上にほぼ出ずっぱりな人もいれば、一言で出番が終わってしまう人もいる。最初と最後だけの人とか。
何時間も続く中、舞台裏ではそれぞれのスタイルで出番を待っている。台本を見つめている人や目を瞑っている人、ずっと一点だけを見ている人など様々でこれが結構面白い。
でも共通しているのは、みんなめちゃくちゃ集中しているということ。


わたしたちの舞台裏

ここまで#わたしの舞台裏を読んでくれた"あなた"に感謝を伝えたい。面白いとか、へぇ〜とか何かを感じてもらえたら私もこうして深夜に書いた甲斐がある。


演劇は、このコロナ禍で大きなダメージを受けた娯楽の1つである。


私は今年の夏、1年半ぶりに舞台に立った。
いや、立つことができた。


でも。私の劇団は舞台に立てたけど、そうじゃない人、団体もたくさんある。話し合いを重ねて断念した団体や直前で中止になった舞台をたくさん知っている。
潰れてしまったり、舞台から離れた人も。


私は「#わたしの舞台裏」というイベント、このnoteを通して舞台に立ったことがない人、舞台を観たことがない人に舞台の楽しさを伝えたい。

観るのも、やるのも。
これがあなたのきっかけになれたら。

あなたもおいでよ、舞台の森。

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