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湖晴 とまり木
2024年1月23日 17:25
彼女と出会ったときのファーストインプレッションは、毛先パープルやん!かわよ〜!!!だった。仕事場で早々見ることのない個性的なスタイル。しびれた。転職初日の朝会でのことである。仮にここではパープルの髪色なので彼女のことを紫ちゃんと呼ぶことにする。彼女とは10歳年が離れていて、転職した当初はそんな紫ちゃんのことを遠目から見ていた。同じチームではありつつも、関わっていたプロジェクトが
2023年12月18日 10:39
恋をしていた。そしてずっと恋をしている。芽吹くことがなくても、それはわたしの中で褪せることなく根付いている。土の中で根を伸ばし、水分を取り込み、枯れることなくそこにある。もう15年以上前にわたしのもとにやってきて根を張ったそれについて、うまく形容することは難しい。近づきすぎれば棘はお互いを傷つけ距離を置けば過去の美しい情景として切なく輝く。そんなようなもの。人生でたった一つ、
2023年12月18日 10:57
12年も前のこと。夜行バスでたどり着いた大阪。実家にはもどらずその足で彼女のうちへ。布団乾燥機でほかほかになった布団にもぐりこみ、団地の小さな部屋の片隅でわたしはうとうとしていた。彼女はわたしの傍らで辰年の年賀状を描いている。龍とおぼしき、細長く蛇行したなにかを器用にスタンプで象っていく。青みがかったグリーンのインクがいまでも鮮明に思い出せる。作業の音を聞きながら、カーテン越しに
2023年12月6日 08:58
ここしばらく、私は異国に滞在しそこでスキルの習得に励んでいる。得られるものは多く、技術レベルの高い人たちの中で学ぶことは楽しかった。同時に、自分の中の大切な価値観との乖離も感じていた。そんなとき、彼女と出会った。彼女はその世界に片足突っ込んだばかりのわたしには、とても遠い存在に見えた。けれど少しずつ会話を重ねるごとに、彼女の魂の美しさにわたしは惹かれるようになった。こうやって好
2023年12月8日 09:07
わたしはあなたをあいしてる。なんだかロマンチックな響きである。私を知っている人からは、キャラじゃない。と思われるかもしれない。でも、この言葉をつかうとき、わたしはこれ以外にしっくりくる表現を持ち合わせていない。36年の人生の中で、どうやら一般的ではないらしい。と理解したことのなかに、他者に対する親しみや情愛へのありかたがある。大切な人はすべて同列、とでもいうのだろうか。あ