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弱視として生まれたわたし

わたしは、三人兄弟の末っ子として生まれた。上の二人とは4歳と5歳年が離れていて、待望の女の子だったそうで、誕生の時は、電話を早くとった祖父が祖母に「わたしが先に知りたかったのに~」と言われたそう。元気いっぱいの赤ちゃんで、家族の後をいつも追いかけていたそうだ。                             

そんなわたしが弱視だとわかったのは、わたしが3歳の時。テレビの真ん前でへばりつくように子ども番組を見るわたしを見て、「こどもはみんなテレビに近づくけれど…近すぎるし、後ろに下がればみようとしない。おかしい?」と母たちは気づいた。

病院で検査してわかったのは、原因不明の視神経委縮の弱視であるということ。〈大人になってから、原因不明ではなくなり、オーディトリー・ニューロパシーという障がいだとわかる〉

母は帰りの車の中で涙が出てきたと言っていた。でも、ぽかんとした顔で母を見つめるわたしを見て、母はハッとしたそうだ。

「わたしはなんで泣いてるんだろう?この子がかわいそうだから?それともわたしがかわいそうだから?

かわいそうじゃない。

この子がかわいそうだと自分が思うとしたら、それはわたしの決めつけになる。

わたしがかわいそうだとしたら、それは目が見える人を基準に考えているからだ。目が見えにくくても、この子はこんなに元気だ。目が見える人が世の中に多いとしても、目が見えにくい人もたくさんいる。

それなら、目が見える世界でも、見えにくい世界でも、どちらでも強く生きていけるようにすればいいんだ。

母はそう思ったら、もう泣かないと思ったそうだ。

そして、兄たちと同じように、のびのびと育てよう。そう心に決めて、わたしを愛情たっぷりに育ててくれた。

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