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再開後のリーグ戦の展望 :: WSL Watch #031

ウィンター・ブレイクが終わって今週末からWSLのリーグ戦が再開されるんで、基本的には"WSL Watch #026"でまとめた中断前までの総括をベースにしつつ、中断期間に起こったことを加味しながら、気になるトピックを挙げながら11節以降のリーグ戦を展望してみようかな、と。'リーグ後半戦'って書かないのは、一応、中断明けの初戦が11節、つまりリーグ前半戦の最終戦なんで。

サム・カーの長期離脱

中断期間に起こった出来事でもインパクトが大きくてショッキングだったのはやっぱりチェルシーのエース・ストライカーのサム・カー(Sam Kerr)の負傷ってことになるかな。もちろん、残念なニュースなんだけど。シーズン再開に向けたモロッコでのキャンプ中の負傷でいわゆるACL、前十字靭帯の負傷なんで、詳細はわかんないけど一般的には復帰まで1年弱くらいはかかるから、今シーズン絶望ってことになるし、オリンピック予選を控えてるオーストラリア代表にとっても相当な痛手になるのは間違いない。ACLの負傷の頻発に関しては、アーセナルのベス・ミード(Beth Mead)とフィフィアネ・ミデマー(Vivianne Miedema)の復帰までを追ったドキュメンタリーを"WSL Watch #025"で紹介したけど、やっぱりすごく深刻な問題だってことを改めて痛感させられた感じ。"WSL Watch #009"で触れた通り、今シーズン限りでチェルシーの監督を退任してアメリカ代表監督に就任することが決まってるエマ・ヘイズ(Emma Carol Hayes OBE)の下でプレイすることがもうできないって事実も含めて、WSLファンにとってはただただ残念としか言いようがないかな。

ちなみに、サム・カーのチェルシーとの契約はもともと今シーズン終了までで、サム・カーを獲得したエマ・ヘイズが退任することもあって、サム・カーの去就にも注目が集まってたけど、負傷後の報道だとすぐに契約延長の方向らしいって記事が出てたりしてる。あと、この事態を受けてチェルシーが1月中に誰かを補強するのかも注目かな。選手層の厚さを考えれば、そのままでも十分闘えそうにも思えるけど、エマ・ヘイズ最後のシーズンで、リーグの5連覇はもちろん悲願のUEFAウィメンズ・チャンピオンズリーグ(UWCL)優勝を果たすためにも、大きな補強があっても不思議じゃないし。この辺の動きは浜野まいかの出場機会の増減にも影響がありそう。

1月の移籍マーケットで加入した新戦力の動向をチェック

1月の移籍マーケットで新たにWSLのチームに加入した選手については"WSL Watch #021"でまとめてるけど、リーグ再開に先立って1月13日〜15日に行われたFAカップのラウンド4でけっこう多くの新戦力がさっそく新チームでプレイしてるんで、現段階で確定済みの選手の動向と印象を。

ちなみに、FAカップの試合もリーグ戦と同じようにThe FA Playerでフルマッチもハイライトも観れる(詳しくは"WSL Watch #001"を参照)。

  • チェルシー: ナタリー・ビョルン / ニッキー・エヴラール
    エヴァートンから加入したスウェーデン代表DFのナタリー・ビョルン(Nathalie Björn)はFAカップのウェスト・ハム・ユナイテッド戦で59分から延長戦終了まで出場。WSLでの経験も代表での実績も十分な選手なんで、新チームでの初戦とは思えないようなプレイで逆転勝ちに貢献したって感じだったかな。ブライトン&ホーヴ・アルビオンへのローンを切り上げて戻ったニッキー・エヴラール(Nicky Evrard)は負傷中なんでもちろんメンバー外だったけど。

  • アーセナル: エミリー・フォックス
    NWSLのノース・カロライナ・カレッジでプレイしてたアメリカ代表DFのエミリー・フォックス(Emily Fox)もFAカップのワトフォード戦でさっそく先発フル出場。右SBで出場したんだけど、基本的には押し込んだ展開の中で攻撃的にプレイして、大外レーンからの鋭いクロスとか積極的なボックスへの侵入とか、即戦力って感じの働きを存分に見せてた印象かな。

  • トッテナム・ホットスパー: シャーロット・グラント / マチルダ・ヴィンバーグ / ワン・シュアン
    オーストラリア代表のシャーロット・グラント(Charlotte Grant)とスウェーデン代表のマチルダ・ヴィンバーグ(Matilda Vinberg)と中国代表のワン・シュアン(Wang Shuang / 王霜)の3人を補強したトッテナム・ホットスパーは、FAカップのシェフィールド・ユナイテッド戦でシャーロット・グラントをスタメンで、マチルダ・ヴィンバーグを68分から起用。ワン・シュアンはメンバー外だったけど。左SBでプレイしたシャーロット・グラントは持ち前の運動量を活かして攻守に奮闘してたんで、これまでは左SB起用が多かったアシュリー・ネヴィル(Ashleigh Neville)を右SB起用できるって意味でもけっこう大きそう。マチルダ・ヴィンバーグは前線の左サイドにいた時間が長かったかな? 積極的な仕掛けで攻撃を活性化させて逆転勝ちに貢献したって感じ。試合自体は先に2失点する難しい展開だったんだけど、それでも延長になる前に逆転できたんで、ハイ・リスク / ハイ・リターンな今シーズンのトッテナム・ホットスパーらしい試合だったって言えるのかも。ただ、内容自体は別に悪かったわけじゃなくて、SofaScoreのスタッツによるとゴール期待値は4.94だったりするんで、決めるところをちゃんと決めておけばもっと楽な試合だったはず。今シーズンを通してやりたいことはできてる印象なんで、新戦力の加入でどのくらいパワーアップするのか、シンプルにすごく楽しみ。

  • エヴァートン: キャサリン・モーラー・キュール / リッケ・マドセン
    FAカップのマッチデイに発表されてすぐにその日のアストン・ヴィラ戦に出場したのがキャサリン・モーラー・キュール(Kathrine Møller Kühl)とリッケ・マドセン(Rikke Madsen)の2人のデンマーク代表選手。2人とも71分からの出場でチームの勝利に貢献。"WSL Watch #021"でも書いた通り、エヴァートンは監督もデンマーク人のブライアン・ソレンセン(Brian Sørensen)で、デンマーク代表のニコリン・ソレンセン(Nicoline Sørensen)、カレン・ホルムガード(Karen Holmgaard)、カトリーヌ・ヴェジェ(Katrine Veje)、リッケ・セベッケ(Rikke Sevecke)がすでに所属してたりもするんで、チームにはすぐに馴染みそう。もともと実力がある選手だし、エヴァートンをパワーアップさせる原動力になってくれそう。

  • レスター・シティ: 宝田沙織 / 籾木結花
    日本人選手の2人を獲得したことで日本でも注目を集めそうなレスター・シティもさっそく宝田沙織と籾木結花をFAカップのダービー・カウンティ戦で起用。宝田沙織は先発で66分まで、画角がわかりにくかったけど4-2-3-1のCMFに見えたかな。最初に目を引いたポイントは身体のサイズで、JFAのサイトのプロフィールには170cmって載ってるんだけど、さすがにWSLにピッチ上にいても小さくて目立つってことはまったくなくて、WSLでプレイしてる日本人選手では異彩を放ってる印象。対戦相手のダービー・カウンティが3部のチームだからその分は差し引いて考える必要があるとは思うけど、プレイ自体も余裕すら感じさせる落ちつきで、適切なポジショニングと両足を使ったパスで保持の質と安定感を高めながら、チームメイトがシュートを決めてくれればアシストってシーンも作ったり、先発起用の期待に十分応えた感じだったんじゃないかな。籾木結花はもっとわかりやすくて、後半頭からの起用でアシストを含めて3得点に関与する活躍で、後半だけの出場なのにプレイヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれてた。基本的には4-2-3-1の右WGで入って、選手交代でメンバーがけっこう代わった終盤は真ん中でプレイしてたように見えたけど、CKとFKの左足のキッカーを任されてたことを含めて、攻撃面での貢献でかなり大きなインパクトを残した感じ。2人とも中断明けのレスター・シティでのプレイがすごく楽しみだし、チーム自体の躍進も期待できそう。ちなみに、この試合のハイライト動画はなぜかレスター・シティのYouTubeアカウントにはアップされてないっぽいんで、対戦相手のダービー・カウンティのモノを。あと、『超ワールドサッカー』にこの試合に関する記事が2つ載ってたんで、そのリンクも貼っておこうかな。

  • アストン・ヴィラ: ノエル・マリッツ
    アーセナルから加入したスイス代表DFのノエル・マリッツ(Noelle Maritz)はFAカップのエヴァートン戦にさっそく左SBで先発フル出場。アーセナルでも普通に試合に出てた実力者なんで特に驚きはないけど、即戦力としてバリバリ活躍してくれそう。

  • ウェスト・ハム・ユナイテッド: クリスティ・ミュイス / シェリナ・ザドルスキー / カトリーナ・ゴリー
    残留争いに巻き込まれてるウェスト・ハム・ユナイテッドは1月の移籍マーケットでアメリカ代表MFのクリスティ・ミュイス(Kristie Mewis)とカナダ代表DFのシェリナ・ザドルスキー(Shelina Zadorsky)とオーストラリア代表MFのカトリーナ・ゴリー(Katrina Gorry)っていうベテランの即戦力を3人補強したけど、延長戦までもつれこんだFAカップのチェルシー戦でさっそくシェリナ・ザドルスキーとカトリーナ・ゴリーの2人をスタメン起用。クリスティ・ミュイスはメンバー外だったけど。シェリナ・ザドルスキーは3-5-2の左CBでフル出場、カトリーナ・ゴリーはCMFとして75分までプレイしたんだけど、王者のチェルシー相手に押し込まれる時間が長い試合だったけどかなりしぶとく守りながら闘えてて、延長戦までもつれこむ健闘に大きく貢献したんじゃないかな。あと、この2人の加入の影響もあってか、清水梨沙が久しぶりに右WBで起用されてたのもポイントかも。試合途中からはCMFになったり右CBになってたけど。ちなみに、林穂之香と植木理子もスタメンで、植木理子が80分まで、清水梨沙と林穂之香は延長までフル出場だったんで、大きな補強をした中でも序列には大きな変化はなさそうな感じっぽい。

  • ブリストル・シティ: シェイ・ヤネズ
    NWSLのサン・ディエゴ・ウェーブから加入したシェイ・ヤネズ(Shae Yanez)はさっそくFAカップのリヴァプール戦でさっそく先発フル出場。この試合は観れてないんでプレイに関しては何とも言えないけど。ちなみに、試合は0-1でブリストル・シティの敗戦だったらしい。

パッと見て'大型補強'って言っていいくらいの積極的な動きを見せてるのはトッテナム・ホットスパーとウェスト・ハム・ユナイテッドって言っていいのかな。どちらも方針はすごくわかりやすくて、残留に必要な勝点は中断前にある程度稼げてるトッテナム・ホットスパーは、今シーズンから指揮を取ってるロバート・ヴィラハム(Robert Vilahamn)監督の下で植えつけようとしてるプレイモデルの質と練度を上げるための今後を見据えた補強、降格だけは避けたいウェスト・ハム・ユナイテッドは即効性のありそうなテコ入れっていうか、実績十分のベテランを守備的なポジションに補充して守備を安定させるのが狙いって感じで。

ちなみに、上記は現在の順位に沿って並べたんだけど、見てわかる通り2位のマンチェスター・シティ、4位のマンチェスター・ユナイテッド、5位のリヴァプール、10位のブライトン&ホーヴ・アルビオンは今のところ特に補強はしてない感じ。『90MIN』の記事によるとWSLの次の移籍期間は1月1日〜31日なんで、これからも動きがあってもおかしくはないけど、普通に考えればリーグ再開直後から即戦力として使いたい選手は早めに獲ってチームに馴染ませたいだろうから、もう主な動きは一通り落ちついたって言っていいのかも。もちろん、ケガとかの緊急事態があれば動くんだろうけど。

FAカップの結果と今後の日程

厳密に言えばWSLのリーグ戦とは違うコンペティションなんだけど、当然チームは重なってるしスケジュールも入ってくるんで、WSLが参加したラウンド4の結果とラウンド5の組み合わせとスケジュールにも触れとこうかな。ラウンド4の結果は以下の通り。WSLのチームで敗退したのはアストン・ヴィラとウェスト・ハム・ユナイテッドとブリストル・シティ。ただ、それぞれ相手がWSLのチームだったんで、いわゆる'ジャイアント・キリング'ではなかったんだけど。コレでベスト16が出揃ったことになる。

で、すぐに行われたドローの結果は以下の通りなんだけど、2月11日に行われるラウンド5で目を引くのはやっぱりアーセナル対マンチェスター・シティ。こんなラウンドで当たっちゃうのがもったいない組み合わせで、文字通り注目の一戦になるはず。

注目の優勝争いとUWCL出場権争い

ここからは中断明け以降の展望を上記の新戦力とかスケジュールとかも見ながら考えてみようかな、と。とりあえず、2月末まで代表ウィークはないんで、そこまでで一区切りって感じになると思うけど。以下が中断前時点の順位表で、UWCL出場権が得られるのは上位3チームってことになってるはず。

上位に関しては、予想通りチェルシーとマンチェスター・シティとアーセナルとマンチェスター・ユナイテッドがトップ4なんだけど、実は4位のマンチェスター・ユナイテッドは上の3チームとちょっと勝点が離れてて5位のリヴァプールと同勝点だったりするんで、マンチェスター・ユナイテッドとリヴァプールの動向次第では3強になったり5強になったりする可能性もあるのかも。

そういう意味では、どっちも再開初戦=リーグ前半戦の最終戦がけっこう大事になりそう。マンチェスター・ユナイテッドはアウェイでのチェルシー戦なんだけど、マンチェスター・ユナイテッドは前半戦のトップ4との直接対決では1分1敗で勝ててないし、実はチェルシーもトップ4との直接対決はここまで1分1敗だったりするんで、マンチェスター・ユナイテッドとしては上に離されないためにも勝ちたいし、逆にチェルシーとしても前半戦のトップ4直接対決で勝ちなしは避けたいはずなんで、いきなり大一番だな、と。ちなみに、マンチェスター・ユナイテッドの宮澤ひなたはケガのためにおそらく欠場、チェルシーの浜野まいかもFAカップでメンバー外だったんでメンバー入りは微妙な感じなのかな。

リヴァプールの再開初戦はアウェイでのマンチェスター・シティ戦。リヴァプールの躍進の要因として、チェルシーには負けたけどアーセナルとマンチェスター・ユナイテッドには勝ってて、前半戦の対トップ4が3戦で2勝1敗って点があるんだけど、残された前半戦の対トップ4の最後の試合がこのマンチェスター・シティ戦ってことになる。今シーズンのリヴァプールで目を引くのは失点の少なさで、マンチェスター・シティの7失点、アーセナルの10失点に次ぐ11失点っていう堅守が光ってる。もし再開初戦でマンチェスター・シティから勝点3を奪うようなことになるとトップ4に食い込んで上位進出もますます現実味を帯びてくるし、トップ4相手に前半戦で勝点9を稼いだら快挙って言っていいんじゃないかな。ちなみに、長野風花は主力としてバリバリ活躍してる。

一方のマンチェスター・シティは、再開初戦のリヴァプール戦が難しい試合になりそうなのはもちろんだけど、その後もなかなか大変そうで。リヴァプール戦の後にリーグ・カップのマンチェスター・ダービーがあって、その後にそれぞれいい補強ができたトッテナム・ホットスパーとレスター・シティが続いて、FAカップのアーセナル戦を挟んでアウェイのチェルシー戦があったりするんで。2月半ばまでの約1ヶ月がかなり大事になりそう。あと、宝田沙織と籾木結花が加入したレスター・シティと長谷川唯がいるマンチェスター・シティの対戦はもちろん日本でもけっこう注目を集めそう。

首位のチェルシーに関しては、再開初戦のマンチェスター・ユナイテッド戦の後にUWCLのグループ・リーグ5節のレアル・マドリー戦、ブライトン&ホーヴ・アルビオン戦を挟んでグループ・リーグ6節のパリFC戦があって、UWCLはここまで2勝2分でグループ首位なんだけど、グループ自体はレアル・マドリーを除く3チームの争いになりそうなんで、けっこうエネルギーを注がざるを得なそうな感じ。ただ、リーグ戦に関しては2月半ばのマンチェスター・シティ戦までトップ4直接対決はないんだけど。

再開直後の日程に関しては、アーセナルは比較的恵まれてるように見えるかな。再開初戦がエヴァートン、リーグ・カップがチャンピオンシップのレディング、その後がリヴァプールとウェスト・ハム・ユナイテッド、FAカップのマンチェスター・シティ戦って感じで。もちろん、リヴァプールは厄介な相手だし、FAカップのマンチェスター・シティ戦も大変なんだけど。ただ、その後がマンチェスター・ユナイテッド戦で、さらにトッテナム・ホットスパーとチェルシーとのロンドン・ダービーが続くんで、アーセナルに関しては2月に入ってからが大事な時期になりそう。

中位ではスパーズとレスターに注目

順位だけ見ると中位グループの主役はもちろんリヴァプール。上手くいけば上位グループに食い込めそうだし。ただ、再開直後にマンチェスター・シティとアーセナルとの連戦なのがかなり大変そう。失点の少なさは上に書いた通りなんだけど、実は得点も少なくて、ここまで15得点って数字はトッテナム・ホットスパーとレスター・シティと並んでリーグ5位なんだけど、トップ4は20点を超えてるんで、そこに食い込むためには得点力の部分が課題かな、やっぱり。それこそ、補強でテコ入れとかあってもいいと思ってるんだけど。

リヴァプール以外の中位グループはトッテナム・ホットスパーとエヴァートンとレスター・シティってことになると思うんだけど、トッテナム・ホットスパーは"WSL Watch #004"とか"WSL Watch #016"とか"WSL Watch #024"でも触れてる通り個人的に注目してたし、1月の補強も含めてやっぱり面白そうかな。もちろん、"WSL Watch #005"とか"WSL Watch #016"で触れてて、さらに宝田沙織と籾木結花の活躍も期待できそうなレスター・シティも注目だし、1月の補強で今まで以上にデンマーク色を濃くしてきたエヴァートンも興味深いけど。あと、ちょっと変な言い方だけど、例年の残留ラインが勝点10前後で勝点15があればほぼほぼ安全ってことを考えると、トッテナム・ホットスパーは勝点15、エヴァートンは勝点11、レスター・シティは勝点10稼げてるんで、そこまでシビアに現実的な闘いにシフトせずにチームのプレイモデルを追求できるし、上位にも思い切ってぶつかれる順位って言えると思うんで、そういう意味ではこの辺りの順位のチームの試合は実は面白そうな気もしたりして。特に、トッテナム・ホットスパーとレスター・シティの対戦は個人的にはすごく楽しみ。

ウェスト・ハムとブリストル・シティの残留争い?

下位に目を向けると、実は9位のアストン・ヴィラと10位のブライトン&ホーヴ・アルビオンはあと1勝すれば残留が見えてきそうなくらいの勝点は稼げてるんで、現状では残留争いは勝点5で並んでるウェスト・ハム・ユナイテッドとブリストル・シティの一騎打ちになりそうかな。

当然、この2チームの直接対決が大事になるんだけど、実はわりと早く当たることになってて。再開2戦目、つまり後半戦の初戦がいきなりブリストル・シティ対ウェスト・ハム・ユナイテッドで、前回対戦ではアウェイでブリストル・シティが勝ってたりするんだけど、この試合の結果が残留争いを大きく左右するはず。ただ、その後にけっこうな試合数が残ってるんで、この2チームから見ればどこと当たっても上位との対戦ってことになるんだけど、そういう試合でどれだけ勝点を拾えるかがポイントになりそう。そういう意味では、上でも触れた通り即効性がありそうなテコ入れをしたウェスト・ハム・ユナイテッドがやや有利な気はしちゃうけど。

節目のシーズンを制するのは?

"WSL Watch #018"で触れたようにWSLは24/25シーズンから新しい体制に移行することが決定してるし、さらに'dynasty(王朝)'とも称される現在のチェルシーを創り上げてきたエマ・ヘイズ監督体制が終わるってことも含めると、23/24シーズンはWSLにとって節目のシーズンになりそうな感じ。そのシーズンをやっぱりチェルシーが勝ち切るのか、別のチームがチェルシーを止めるのか、中断明けのWSLも率直にすごく楽しみ。もちろん、トータルで9人になった日本人選手の活躍にも注目だし。

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