見出し画像

24/25シーズンからWSLが新たな体制に :: WSL Watch #018

"WSL Watch #011"の「アメリカの投資家が参入? 来シーズン、転機を迎えるWSL」で書いた通り、もともとFA(The Football Association = ザ・フットボール・アソシエーション / 日本では'イングランド・サッカー協会'って呼ばれることが多い)は24/25シーズンにWSLと2部のウィメンズ・チャンピオンシップ(WC)のリローンチを計画してたんだけど、FAから独立した組織が来シーズンからWSLとWCを運営する体制に移行することでWSLとWCの全24クラブが合意したことが11月28日に発表されたんで、備忘も兼ねて。

ただ、この件に関しては『超ワールドサッカー』が「イングランド女子リーグ、WSLとWCがFAから独立へ! CEOにはナイキの元取締役ニッキー・ドゥセ氏」って記事で概要を日本語でまとめてくれてるんで、詳しくはそちらを参照って感じでいいと思うんだけど(ちなみに、ちょっとググってみた感じではこの件を日本語で報じてるのはこの記事くらいしか見かけなかったけど)。

ちなみに、全24クラブが株主になって新たに設立される組織は暫定的に'NewCo'って呼ばれてるんだけど、もちろん、シンプルに'new company'の略で、『スカイ・スポーツ』の速報で確認したところ、'ニューコ'とか'ニューコウ'って呼ぶらしい。ただ、暫定とはいえこのネーミングはSNSなんかでは評判があまり良くないっぽい。

新組織のCEOには、金融の世界での実績がありながらイギリス及びアイルランドのナイキで取締役としてウィメンズ・カテゴリに関わってきたニッキー・ドゥセ(Nikki Doucet)って人が就任することも発表されてる。

今回の件は既にFAから表明されてた既定路線ではあるんだけど、"WSL Watch #011"を書いたタイミングでは、特にWCのクラブの権限とか利益の取り分とかに関して、全クラブの合意には至ってなかったけどその後の協議で何とか合意に漕ぎつけたってことみたいで、そのときに取り沙汰されてたアメリカの投資家云々って話は今回のニュースには含まれてないらしい。その間の協議については『ジ・アスレティック』の"WSL, Championship clubs back NewCo to run women’s football top tiers from 2024-25"って記事にわりと詳しく書かれててかなり興味深かったりするんだけど、なかなか一筋縄ではいかない感じだったのを、FAがけっこう強くWCのクラブを説得して何とか話をまとめたっぽい。

"WSL Watch #011"でも書いた通り、21/22シーズンから結んでる『BBC』と『スカイ・スポーツ』との放映権契約が今シーズンで切れるんで、とりあえず、新しい放映権契約が最初の大きなミッションってことになるのかな。奇しくも、今月の初めにアメリカのNWSLが新たに4年で$240Mって巨額の放映権契約を結んだってニュースがあった(例えば、『ESPN』は"NWSL announces new 4-year rights deal with ESPN, CBS, Prime and Scripps"って報じてる)ばっかりだったりするし。

上に貼った『スカイ・スポーツ』の速報でも触れられてたし、"WSL Watch #011"でも言及したけど、今回の件はやっぱり30年くらい前のプレミアリーグの設立に近いニュアンス(但し、プレミアリーグのときほど強引に話が進められてるってわけじゃないっぽい)って感じの出来事なのかな。

詳細はまだまだこれからってことだと思うけど、とりあえず正式に動き出したってこと自体が大きな一歩なのは間違いないはず。今後の動きがいろいろ楽しみ。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?