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知恵と私とスパイスカレー

私の密かなこだわりはカレーを作る時に市販のルゥを使わないことだ。スパイスを使って作るからスパイスカレーと呼ばれるものになるのだろう。

まずは玉ねぎを飴色になるまで炒める。飴色というとコゲにも似た色をしているので、ただ火を入れればいいとと思うかもしれないが、コゲと飴色は全くの別物である。弱めの中火でじっくりと時間をかけることで玉ねぎの甘味とうまみが凝縮していくのだ。量が多いと1時間近くかかることもあるが、この一手間がおいしさの秘訣。

そうして出来た飴色玉ねぎに、他の具材と、ターメリックやコリアンダー、クミン、カルダモン、チリパウダー、ガラムマサラなどのスパイスを適当に入れて煮込むとカレーが出来上がる。

今でこそ慣れて美味しいカレーが作れるようになったものの最初の頃は、なぜか自分の知っているカレーの風味がしない、辛いだけで味がしない、逆に全く辛くない、など「カレーのような何か」を大量に生み出していた。

実はスパイスを使ったカレーには明確なレシピが存在しない。グーグル先生に聞いてみるとたくさんの検索結果を教えてくれるものの、使っているスパイスの種類が多い・少ない、スパイスがホールなのか粉末かなど細かな違いがたくさんあり、自分の求めているのとぴったり同じレシピが出てくることはまずない。そこで、スパイスの特徴を調べてみたり、様々なレシピを比較したりと試行錯誤を重ねることで自分なりの適量を見つける作業が必要になってくる。

これは単にスパイスカレーの話だけではなく実は物事の真理なのではないかと私は思う。インターネットの発達で、情報や知識を手に入れやすい社会になった。だが、インターネット上にある知識は「誰か」にとっての答えであり、自分の答えではない。たまたま答えが自分にも当てはまるということはあるのかもしれないが、基本的には誰かの答えを自分に落とし込むとどうなるのか考える作業が必要になってくるのではないか。その過程を経ることで、単に知識だけではなく知恵を獲得する。自分の持っている情報や知識を活用できる力である知恵を獲得すれば、色々なことに応用して適当な答えを見つけることができるようになるだろう。

情報があふれるほどに手に入れられる社会になったからこそ、単にそれを受け入れるだけでなく、それを応用するための知恵を持った人間でありたい。

そんなことを考えながら、明日も私はカレーを作る。


<ここで一曲>

名曲。でも曲の内容には関係なくMVとジャケ写で選びました。

書いた人:すみ
ひとこと:いつかインドの道端でカレーを食べたい。

WACODES

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