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【<乗り鉄>家族の小さな旅 #1】新型特急、秩父のSL、アニメ電車

☞トップ画像 近所の庭にきれいに色づいた紅葉(12月中旬撮)
 
――紅葉狩りにはちょっと早かったけれど、秋が深まりつつあった10月の終わりごろ。
 
<韓ドラ>ざんまいの引きこもり生活を見かねてか、近所に住む<乗り鉄>の共働き娘一家が、旅費持ちで、埼玉の<長瀞川下り>に誘ってくれた。

特急「ラビュー」を降りたら、<SL>と遭遇

4年ぶりの家族の旅は、電車をいくつか乗り継ぎ、西武池袋駅から新型特急「ラビュー」に乗って、秩父へ。

西武池袋~秩父間を走る新型特急「ラビュー」
およそ1時間20分、特急料金+運賃で片道1500円なり。(西武鉄道HPより)

「ラビュー」の名称どおり、足元まで広がる車窓のワイドビューに感激していると、娘が「ね、すごいでしょ」と妙な自慢。
 
なんでも、この「ラビュー」に乗りたいがため、家族で秩父によく行くとか。

飛行機で言えば、ビジネスクラス並みにゆったりとした「ラビュー」の車内
揺れないし、音も静かな運行が快適。(西武鉄道HPより)

「ラビュー」が西武秩父駅に着き、秩父鉄道(三峰口―秩父―熊谷―羽生)に乗り換えるため、ちょっと離れたお花畑駅に向かうと、駅手前の踏切ですごい人だかりがしている。
 
なんだ! なんだ!?  と同年輩らしき男性グループに尋ねると、「SLがね、もうすぐ着くんですよ」。
 
ええっ、ここで、SLと遭遇!?

秩父鉄道<SLパレオエクスプレス>の雄姿。
秩父~熊谷間を春から秋の週末だけ運行されるそうだ。

<撮り鉄>にまじって、SLをホームから撮りまくったが、間近に見るのは、小学校の夏休みごとに、上野駅から乗った常磐線の<蒸気機関車>以来。
 
ブウォーッ!ゴウォーッ!という汽笛の轟音、漆黒のボディ、蒸気と石炭燃料の匂い、煙煤が鼻腔から口に入る苦み、運転員の誇らしげな顔……。
 
すべてがマニュアル仕様のその迫力に嬉しくて身震いし、やたら五感をかきたてられた。
 
でも、世界は広し、今でも定期運行されている<蒸気機関車>があるようで――。

「機関車トーマス」のモデルになったというイギリス・ウェールズ地方のタリスリン鉄道(世界遺産)は観光客に人気のようだ。(2022/11/06TBS系放送「世界遺産」より)
ノルウェー・ベルゲン急行の優美な蒸気機関車。まわりには連結作業を見守る人たちの姿が。
(NHKBS放送「空からクルージング特別編」より)

もう一つ、かわいい模型の蒸気機関車が、イギリス北部のスコットランドの運河をまたぎ、斜面を登り、110㎞を踏破するという<小さな大冒険>のドキュメンタリーを観た。
(「小さなミニチュア鉄道の大冒険 スコットランドの大地をゆく」2022/12/8からNHKEテレで毎週木曜放送中)

クルマの<チョロQ>よりやや大きめの<蒸気機関車>が、けなげにも大地を走る。
模型鉄道マニア数十人のボランティアによって、運河やカーブや斜面といった難所に創意工夫でレールを敷き、無事に走り出すと周囲から歓声があがった。(同番組エピソード2より)
模型の<蒸気機関車>の動力メカニズムは、熱源のガスが燃焼してタンク内の水を沸騰させ、その蒸気タービンが下部の車輪を回して走行する。本物の<蒸気機関車>は、熱源がガスから石炭になるだけだということがこの図でよく分かる。(同番組エピソード2より)

<SL>につづいて、こんどは<アニメ電車>

SLに別れを告げ、お花畑駅から秩父鉄道に乗り込んだら、乗降ドアにアニメキャラの大きなシールが貼られていた。

秩父鉄道のアニメ電車は『超平和バスターズトレイン』と呼ばれている

なんでも、秩父市がアニメ3部作「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」「心が叫びたがってるんだ。」「空の青さを知る人よ」の舞台となったことから、沿線はアニメの聖地になっているらしい。

<秩父の地ビール>(下写真)をいただきながらの<呑み鉄>が、山をのぞむ田園のなかを鈍行列車に揺られていく――平和でなくては、こんな至福のときは得られない、つくづくそう思った。

買い求めた秩父の地ビールは、<彩の熊のラガー>
米とホップのラガービールで、コクがありながら爽やかなのど越しだ。

(次回につづく)


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