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認知症に寄り添う|[2]かかりつけ医

認知症になると、様々な生活上の支障が生じます。通院もその1つ。母の通院には私が付き添っています。


認知症の通院あるある

枚挙に暇がないですが、代表的なものは次のとおりです。

  • 保険証や診察券、お薬手帳が見当たらない。 

  • 病院の場所がわからない。

  • そもそも何で行くのかわからない。

  • 予定の時刻から逆算して準備ができない。

  • 医師の問診に取り繕いの作り話や事実と異なる回答をする。

  • 医師の説明や薬局の服薬指導が覚えられない。

  • 処方箋を薬局に持っていかない。 

病院や薬局の専門的な言い回しや説明、アレルギー歴の確認など、理解力が乏しく、記憶を遡ったり、判断ができない認知症には、通院のハードルは高いと思います。

母のかかりつけ医を私のかかりつけ医にする

通院の付き添いを始めたのとほぼ同時期に、私自身も継続的な服薬を要する症状がありました。
これを機に、私も母と同じ医師に診てもらうことにしました
母が風邪や健診でお世話になっている内科のクリニックです。

同じかかりつけ医にして大正解 

我が家の近所にも、クリニックは沢山あります。にもかかわらず、自転車で15分程度を要する母のかかりつけ医に世話になるのを、少し躊躇しました。しかし、結論としては大正解でした。

① 効率的

母の通院と私自身の通院のタイミングを可能な限り合わせることで、母の付き添いのためだけに出向くことが減りました。
支払いや次回の予約、調剤薬局での薬の受けとりも纏めてできるので、いまどきの表現で言えば『タイパがいい』です。

② 母の相談がしやすい

『お薬はちゃんと飲んでますか?』
医師がよくする質問です。
『はい、欠かさず飲んでいます』
母は淀みなく答えます。
『いえいえ。3日に1回は飲み忘れています!』などと私が言おうものなら、母の自尊心は傷つき、不機嫌になります。

一緒に通院するときは、私、母の順に診察して頂きます。私が母の服薬状況や心配事などを予め伝えたり、メモを作って渡すようにしました。診察日が重ならない場合は、母の診察予定日の前に、私が受診する機会を利用します。

母の前で発言を訂正したり補足したりする必要が減り、母の心に波風を立てずに診察を終えることができるようになりました。

相談しやすい医師をかかりつけ医に


従前、母は別のクリニックの医師にお世話になっていました。

生前の父が診てもらっていた医師です。
守備範囲(内科と整形外科)が広いのは良かったのですが、説明が少なく、威厳があって、相談しにくさを感じていました。父のことで何度か相談しましたが、コミュニケーションを負担に感じたため、父が亡くなったタイミングで、母に頼んでかかりつけ医を現在の医師に変えてもらいました。

認知症は、その症状も進行の仕方も百人百様のようです。聴診器やレントゲンでは得られない情報を、付き添いが補う必要があります。

傾聴姿勢のある『相談しやすい』医師を見つけることは、通院のストレスを軽減し、認知症に寄り添った介護をする上で、非常に大事だと思います。



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